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女神と夫婦になるために  作者: たつ
1章 ひしめく肉塊と再誕の神
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第8話!買い物と風呂と

前回最後に予告したサブタイトルが錬金術と盗賊団だったのですが5000近く書いてやっと錬金術に入る場面にいけるところだったので、一回切ってサブタイを変えました。

MP管理が割と雑

ではお楽しみ頂けると幸いです。

 はい、おはようございます。カズシです。


 昨日のミアに施した欠損回復は下手したら人体錬成に分類されるかもしれない際どい行動だったらしい。魂があるからうんぬんと夢枕にルナが立ち、そう教えてくれた。信託とか出したりするときにその方法を使うらしく、あまり乱用できないらしいのだが今回は強制的に俺を眠らせて来てくれたらしい。


 いつものルナと違い荘厳な感じを出しながら説明と気をつけろとだけ言って去っていった。あれは神として仕事をしている時のモードだったのか。凄い神っぽかったです。ちなみに今はちょうど太陽が真上からずれ始めたくらい。


「おはようございます!」


 と今までで聞いた中で一番元気な声でミアが挨拶をしてきた。


「おはようミア、体にまだ痛いところとかまだ跡が残っているところとかないか?」


「はい!カズシ様のおかげで元気になりました!なんか前よりも動けるような気がします」


 まあ、そうだよね。日本人的な健康良好状態にまでなっているわけだもんな。


「それは良かった。あと変に敬語とか今後、使わないでね。疲れるから。奴隷としての考えで接するのはやめてくれ」


 と言っている途中ミアの方からぐぅーというお腹の音が聞こえてきた。顔を真っ赤にしたミアが


「あの、これはその違うんです。奴隷商のところで朝食のパンを食べる前に出てきてしまって食べてなかったからでいつもこんなではないんですよ!」


「ああ、俺がお腹減ったからミアも食べるか?」


 と言ってアイテムボックスから机の上に携帯食料を一食分取り出してみたら二つの包み紙の中にサンドイッチが入っていた……?アイテム名を見ても携帯食料なのにサンドイッチだった。包装紙にはルナとアルミエと書かれている。


 ふむ、手作りかな。ルナサンドイッチの包装紙を開けると卵サンドが入っていて、アルミエサンドイッチの方は生ハムレタスか。神ってこういうもんも食べるのな。


 椅子に座ってどちらのサンドイッチも半分にして土魔法で石のコップを二つ作り水を入れ、机の対面にも置いた。


「ミア、食べるから座って」


 と言ったのだが


「奴隷は同じ席では食べ物を食べない、同じ質のものも食べない。と教えてもらいましたので私はここで待っています」


 床に座りながらそんなことを言ってきた。あーそうだよね、こういうのあるよね。だからさっき奴隷の考え云々言ったんだがお腹の音でそれどころではなかったか。面倒だし愛でたいので脇を抱えて俺の股の間に座らせた。なんかあうあう言ってるけど気にしない。どこかで見た反応だな……


「そういう面倒くさいことはいいから。質が違うものを作るのには手間がかかるし、ここの宿はそういうのしないとも言ってたから大丈夫だよ。質を下げるとか同じ席はダメとかそういうのは禁止ね!同じ席がダメな店とか以外はちゃんと座ることそして食べること。これ命令」


「あい、わかりましたから離してください」


「罰ね、はいこれ食べて」


 ルナサンドを渡して食べると


「!!このサンドイッチすごく美味しいです!なんですかこの味は!」


 俺も食べてみたら漬けたズッキーニとかマヨ、塩コショウとかしっかり使われてるからこの世界の人には未知の味なのか。うまい、なんていうんだ、このわざとらしい卵サンド。卵サンドらしい卵サンド。マヨネーズ作り方なんだっけな?卵黄と塩コショウ砂糖、油と酢で混ぜ続けるんだっけか。酢はあるのかな?香辛料は高くても買いたいな。商都にいけば買えそうだから次は商都だな。


「次はこっちを食べてみよう」


 こっちはシャキシャキとした瑞々しいレタスに生ハムの成熟とした濃厚な味が絡み合っていておいしい。こんなの食べたらコンビニとかパン屋のハムレタスが食べれなくなってしまう。もう食べれないか……ミアも目をキラキラさせてちょっとずつ食べている。あたまを撫でながら食べ終わるのを待ち


「食べ終わったら服とか必要なものを買いに行くからな。新品の服をいくつかと中古の服もいくつか。あとは必要なものを買い揃えようか」


「奴隷に新品なんて……普通の人たちですらまともに着ませんよ」


「数着持っているくらいならいいんだよ。あ!言い忘れてたけどミアを治した魔法とかこれから使うであろう色々な魔法は秘密ね」


「家の時ですら1着しか持ってなかったんだけどな、複数着って普通ないよね……はい、それはわかってます」


 前半はブツブツ言ってるけど逆にこういう世界で1着は持ってたってことが驚きだな。でもステータスを見れば何となくわかるけどサーチ


 名前:ミア

 年齢:16

 種族:人間

 Lv:3

 職業:奴隷

 筋力:A 耐久:B 俊敏:S 魔力:B 幸運:A

 スキル:短剣の才 家事 料理 火耐性 計算

 太陽と輪廻を司る神の寵愛(小) 月と魔を司る者の加護

 所有者:カズシ

 罰則:なし


 太陽と輪廻を司る神の寵愛(小)

 寵愛を受けし者の仲間は潜在能力の二段階上昇


 月と魔を司る者の加護

 月と魔を司る者の配下、部下、従魔、奴隷、物などの自分よりも位が低く司る者に従うものに授けられる。潜在能力の一段階上昇

 ○○○○○


 この世界で計算ができるのは豪商とか貴族とかそこらへんだから、ミアもそういう地位だったんだろう。寵愛と加護は称号とかそういうものだからスキル欄には乗らないし別枠である。とルナは言ってたんだけどなぜかスキル欄にあるし、俺自身の称号が見えないんだよな。多分不具合だけど特に今必要じゃないから後で教会に行って聞こう。


 筋力:D 耐久:E 俊敏:B 魔力:E 幸運:D

 これが元々のミアの潜在能力。俊敏が高いけどそれ以外はいまいちわからん。潜在能力は二段階上がることは寵愛の説明を受けてたから知ってたんだが俺が加護を与えられるとは思わなかった。


 自分の世界で人種をボードゲームの駒みたいにしてた奴の加護だから、あまり気分は良くないないけど強くなるのは悪くないからいいんだけど。サーチでもわからない○5つが何なのか。


 俊敏は三段階だからGまで行くと思うんだが簡単にはいかせてくれないのね。




 外に出るために一階に降り宿を出ようとしたらルーマさんに呼び止められた。


「カズシその子は誰だい?」


 やっぱりそうなるよね。顔とかに火傷跡があって痩せてた子が数時間で跡がなくなり健康状態がとても良くなってるんだから。


「さっき連れてきたミアですよ」


「うーん……お前は嘘ついているように見えないんだがな……カズシは本当は高名な神官とか魔法使いなのか?」


 最後らへんは小声で言ってくれている。魔法以外にはこんなことが出来る技術はないのね。ルーマさんはいい人っぽいけどうーん。ルキナちゃん可愛いしいいかな……


「いえ、本当に地位とかそんなものないですよ。ただ回復魔法が人より使えて今回はやり過ぎちゃっただけです」


「ルキナがカズシのことで頭が痛いとか言ってた意味がわかったよ……カズシ、その魔法が使えるということはあまり広めない方がいいからね」


「わかってますよ!ルーマお姉さんなら大丈夫だと思ったから言っただけです。新品の服と中古の服が買える店でオススメってありますか?」


 と聞くと場所を教えてくれた。奴隷を奴隷扱いしないのはいいとは思うが行き過ぎは反感を買ったりするから気をつけな!と忠告もくれた。


 真ん中の屋台でキョロキョロするミアの手を引き新品の服屋に来た。

 中に入ると


「いらっしゃいませ!新品の服と中古の服のどちらをお探しですか」


「この子に新品を3着ほどに中古を5着ほど見繕って欲しいが頼めますか?」


「はいはい!お任せ下さい!ちっちゃくてカワイイ子ですね!」


 とテンション高めでミアを引っ張っていったおねえさん。ミアは短剣を1本か2本持たせようと思ってる。防具をどうしようかな……急所とか手足を金属でそれ以外を革とか布で回避重点でいいのかな?というか俺も盾がほしいのだが、金がない。タンクではないけど大盾を持って身体能力のゴリ押しで片手剣と魔法と大盾という組み合わせだったから今回もやりたいんだがな。金がない。ミアの装備はあいつらの持ち物を見てから買おう。


 とか考えてたらミアが服をいくつか持ってきて白いワンピースを来てきた。奴隷紋が隠れるように着こなしている。いいじゃないか!


「ミア!似合ってていいじゃないか」


「ありがとうございます。でも本当にいいんですか?」


「他はなにを持ってきた?」


 あとはシャツとズボンが2セットだった。機能性で選んだみたいだけどまた金が手に入ったら買ってやればいいか。


「あとはコートを買っといた方がいい。冒険者やるんだから戦闘で装備とか服に血が付かない方がいいからな。何色がいい?」


「なら、灰色がいいです!絶対灰色がいいと思います」


 俺の着ているコートを見ながら言っている。


「わかった。新しい灰色のコートもありますか?あとこの子に合う下着を数着持ってきてくれ」


 奴隷商ではワンピだけで下着すらつかなかったしな。下着のことを言ってこないのは奴隷だから自重したのか、奴隷になって教育を受けるとそういう価値観がなくなるのか。あっ!みたいな顔をしてるし後者なのね。


「ぴったりじゃなくてもいいならありますよ!大きい方にぴったりではないですね。下着はわかりました!」


「装備をつけたりするかもしれないのでそれでお願いします。ぶかぶかになるわけではないんですよね?」


「はい。今もってきます」


 持ってきてもらったコートを合わせて銀貨18枚だった。所持金から見たらそこまで高く思えないけど最低限の月の食費が銀貨1枚なら高いのか……冒険者はハイリスクハイリターンな職業だもんな(まだまともな依頼を一つも受けていない)。


 その後は屋台を冷やかしたり、水筒やタオル、毛布や籠などを買って銀貨5枚。働かないと減っていく一方だな……買った籠いっぱいに肉はさみパンをひとつ銅貨4つで売らせた。大銅貨4枚渡しておいた。銅貨5枚とサーチで書いてあるが胡椒とか塩でしっかり味をつけられているこのパンがなんでこの値段なのか……これがわからない。これを路地に入ってアイテムボックスに入れた。


 手を引っ張って主人の前を歩いてるミアは奴隷としては失格だろうが、元気になってよかった。と思っているとあることに気がついた。


「ミア、雑貨屋にいくからついてこい」


 雑貨屋で石鹸を買った。ひとつ銀貨3枚という値段だったけど質もいい、何だかんだ使うだろうから5つほど買っておいた。


「ミア、残念なお知らせです」


「え?何でしょう……」


 顔を真っ青にしている。やべえ多分違う意味に取られてる。


「今のミアはとても臭います」


「え?…………」


 自分の臭いを改めて嗅いだらしく嫌そうな顔をしている


「ということで湯浴みに行こうと思う」


「水浴びではなくて湯浴みですか?」


「ああ、湯浴みだ。とりあえず門の外に行くぞ」


 と言いつつ手を引きながら門を出て、出たところで道から少し逸れたところに行き、ミアをお姫様抱っこのように抱えて人も魔物もいないところにダッシュで向かった。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」


 いきなり抱っこをされて早いスピードで走られたから悲鳴を上げていた。あとで問題にならないよね?門の方には聞こえなかったよね?


 ぐったりしているミアを地面において土魔法「ストーンブロック」、大きい岩を作り出して剣を抜き、大きく5人は入れるくらいの湯船の大きさに切ろうとして弾かれた。まだ鉄製程度だからダメか……付加魔法「空間魔法付加」で空間ごと切って細かい調整は土魔法でやり湯船を作った。あとついでに銭湯にあるような岩の椅子を二つ、岩の桶を二つ、地面にそのまま設置してその上で体とかを洗いたくないので地面に引く岩を薄く幅広く作り整形。


 ミアが口を開けてポカーンとしているので念動魔法で床用岩をひいてその上に湯船と椅子を置き、湯船に水魔法でお湯を出す。あとはミアを運び四方を土魔法で壁を作り、上を結界魔法で透明化の結界を設置して完成。


 作業してる時に気がついたのだけどそれなりにMPを使っているはずなのに回復もどんどんしている。おかしいと思ったらMP回復速度上昇:10になっていた。回復速度上昇はある程度MPを使って意識的に早く回復させる方法の寝たり、精神統一したりして通常回復速度よりも早い速度の回復をし続ければ手に入り上がるものらしいのだが、夜のMP使い放題は減っていないのではなくて減った瞬間に回復してたのだろう。だから時間をかけないといけないこのスキルも一気に上がったのか。


「ミア、体を洗うから服を脱いで渡せ」


「なんでこんなにお湯を出したのですか?」


「風呂だ。浸かるために貯めた」


「お風呂ですか!お風呂なんてお金持ちしか入れないし、魔法をお風呂を貯めるためだけに使うなんて偉い貴族や王族とかくらいですよ!」


「感動しているところ悪いがはよ脱げ、てか面倒だから脱がすわ」


 アイテムボックスで収納して一瞬で脱がしてタオルをかける。俺の所有品や許可がなければできない様なのでセーフティーはかかってる。


「あうあう……、奴隷のような考えをするなと言っていた割には行動が横暴ですょ。心の準備があるんですから」


 何か言ってるが無視!


「あー、うん。石鹸で体を洗ったことは?」


「数回はありますが基本的に水浴びでした」


「頭洗ってやるから目を閉じていろ」


 早く入りたいから頭を出させてお湯を被せ、石鹸を取り出し頭を洗うついでに体も洗ってあげた。なんか叫んでたけど俺は早く風呂に入りたいんだ!顔と耳を拭いてあげて回復魔法を髪と肌に使う。せっかく髪が良くなったのに石鹸で洗ったらダメージ入っちゃうしな。肌も同様。風呂に入れて俺も手早く洗って風呂に入った。


「あー風呂はいいなやっぱり!人類の生み出した文化の極みだな」


「あの、カズシ様。私はまだなにもやっていないのにこんなに贅沢をしてもいいのでしょうか」


 と俺の股の間に収まっているミアが聞いてきた。今は風呂に入るのが目的なので反応はしていない。何がとは言わない。


「いいんだよ、明日から戦い方を教えるんだから……しっかりやってくれるんだろ?」


「はい、それはもちろん!ですけどやはり」


 後ろから抱えながら


「俺はなこの世界の人間じゃないんだよ。世界ってのがわからないならこの星の人間じゃない。だから力があっても常識とか考えが違うことが多々あるだろうからそれを補助してくれ」


「ほかの星と言われてもわかりませんがカズシ様にもわからないことがあって私がわかる時は教えさせていただきます」


「ああよろしくな」

 

 頭を撫でで風呂の中でゆっくりする。

お疲れ様でした。

次回は盗賊の話です。主人公を苦戦させることが出来るのか!?

皆さんはフィーリングでわかっていると思いますがもともとある水を使ってアクアボールを使うのと新たに水を作り出して使うのでは消費量が異なります。この世界の魔法使いの運用は松明とかの火を使ってファイアーボールとかなのかな?


次回、第9話!錬金術と盗賊団と

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