第68話! ◆想いに答えて ◆想いを殺して
最終話らへんの分岐が決定するお話です。
想いに答えてと想いを殺しては細部は微妙に違いますが、ラスト以外はほとんど同じです。
では、お楽しみ頂けると幸いです。
心を無理やり偽ることをせずにルクソルーゼ……ルーゼと話した。何故心が壊れているのか、どんな人生を送ってきたのか、どんな女性を周りに侍らせているか、どんな女性が好きなのか、どんな料理が好きなのかなどなどなど。
ルナにすら言っていないようなことをルーゼ(とキリツ)に話した。あとルーゼは心を治した影響で相手の心をあまり見れなくなったらしい。色くらいならまだ見れると言っていた。
「なら、カズシ様はマールという神様……神から人間になった者が攻めてくるから、強くならないといけないんですね?」
「そういうことだな」
「それなら、仲間の方々を説得して、まずはカズシ様がその神の領域まで強くなってから、仲間の強さをどうにかするべきです。普通の人はその100レベルという神の領域になっても、神に到達なんてしないでしょうから」
「やっぱりそうなのかな」
今の状況は俺が胡座を組んでいて、その上にルーゼが座っている。その後にキリツが立っている。
甘えたいと言われたので、お姫様抱っこをしたり、ハグをしたりしたが、この姿勢に落ち着いた。兄や姉にもやってもらったことがあって、これが一番落ち着くようだ。
「マールという人が誕生したことはわかっている。そしてカズシ様に刺客を送る程度には成長している。なら、いつ攻めてきてもおかしくないですよね?」
「うん」
「今の状態でマールという人間に勝てるんですか?」
前までならなんとでもなると思っていたが、
実際はとっても不安だし、負けたら仲間が、嫁が凌辱確定だから凄く怖い。今までは本心を自ら塗り替えて、虚勢を張っていたようなものだからな……吐きそう。てか、吐いた。亜空間に飛ばしておいた。
「……無理だな。俺は神の力を持っているが、使いこなすための訓練すら出来ていない。何故か持ってる神殺しが効かないかもしれないし」
今の俺は何故か、神にダメージを与えることが出来る何かを持っている。普通なら神よりも力が強かったとしても、神に干渉する力がないとダメなんだがな。
だが俺の場合は、俺は人間でもあり、神でもあるがただの人間に殺されることも可能。攻撃が当たる当たらないは考えないものとしてだけどね。
人間と神の両方の属性を持っているマールに攻撃を加えるには、何もいらないかもしれないし、神の力も神殺しの力も必要かもしれない。後者なら圧倒的に不利になる。神歴数年で力の殆どを使っていない俺と神歴何億以上のマールとでは比べるまでもない。
「そう思っているのであれば、尚更早く強くならなければならないと思います。本当は私の護衛などしないで言って欲しいのですが」
「姫様!」
姫が自分を蔑ろにしたら、近衛からしたら溜まったもんじゃないよね。
「それはダメだな。俺がやってきた愚行を力もないお前が教えてくれた。そんな奴を放置できるわけがないだろう? しかも、ルーゼは心を取り戻した。笑うことだってできる」
「はい!」
満点の笑顔で答えてくれた。目つきが悪いのは、目が悪いのかな? ガラスはあったから眼鏡でも作るか? なんとなく仕組みはわかる。
「心を取り戻したことが、前に薬を飲ませた奴が知ったら、お前はまたなんかされるだろうし、リーゼも今回の式典中に襲われるだろうから守らないといけない」
リーゼの名前を聞いた瞬間に表情が固まり、なんか顔がひくひくし始めた。これが地雷なの? そんなことはないよね?
「そ、そういえば、この前リーゼが私に話してくれたんです」
手を繋いできたけど、爪が立てられていて思いっきり握られていて、痛くはないけどなんかやばい雰囲気だぞ?
「そ、そうなのか?」
「はい、その時には運命の出会いをしたとか、王子様にあったとか言ってたんです……流石にカズシ様でも王族の娘ふたりを娶ることは出来ません……戦争ですね!」
ニッコリ(青筋が立っている気がしなくもない)と笑いかけてくれながら、戦争とか言い出した。修羅場っているが、今の俺ならなんとでもなる。
「リーゼとルーゼが戦争なんてしたら、俺はこの国を出てい「ごめんなさい」よろしい」
こういう脅しは卑怯だと思うけど、仲が良いであろう王族姉妹が男1人取り合いで戦争とか、地球でもそういう歴史は稀にあるから、無理やり止めた。
その後は雑談をして、ガンスとの合流時間になった。
◆想いに答えて分岐
「それじゃあ、ガンスとの合流時間に近づいているから、行くね」
その時、狐の鳴き声が聞こえた気がした。とても懐かしい優しい心を感じた気がする。
「はい、明後日はよろしくお願いします」
「明後日は共に姫様を守ろう」
二人に手を差し伸べられてたので、握手で返して部屋を出た。
『虚像の心は不安でいっぱいの癖になんか余裕があるね』
スラリンは俺の異常性について、何度も指摘してくれていたんだよね。そういえば。
『なんとなく思ったんだけどさ、マールは人間になってるわけじゃん。人間として人間と触れ合っているなら、変わっていたら嬉しいなって思ってさ。心は体に引っ張られるって言うし』
そんなことを言うと、スラリンは呆れたような雰囲気を出し始めた。なぜ?
『前までマール殺すべしって感じだったのに、えらい考えの変わりようだね』
『あいつだって神として生きるうちに、心が壊れた結果、ああなったんじゃないかと思ってね。許しはしないけど。それを人間になって、周りが恵まれれば認識できるだろうし、幸せに暮らせているなら、なんとかなるんじゃないかと思ってね』
あいつが人間に転生したなら、きっと恵まれているだろう。なんとなくそう感じる。
『それは今のカズシの本心?』
『虚像の心だったとしても、別にいいんじゃない? もうそういうのを深く考えるのはやめた』
『いきなり心変わりしすぎて訳が分からないよ』
『訳が分からないくらいが一番いいんじゃない? 心なんてそんなもんだろう?』
部屋の前にいた騎士に連れられて、ガンスと分かれた場所まで歩く。
◆想いを殺して分岐
「それじゃあ、ガンスとの合流時間に近づいているから、行くね」
何かが聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。
「はい、明後日はよろしくお願いします」
「明後日は共に姫様を守ろう」
二人に手を差し伸べられてた手を取らずに、二人の頭に手を置いた。
「カズシ様?」
信じられないようなものを見る目でこちらを見てきた。
「ごめんね。ルーゼがいてくれたおかげでいろいろ考えがまとまったよ」
「なんでそんなに黒いんですか」
心の色かな? そんなことはないと思うんだけどな
「やはり貴様! ひ「【スリープ】」」
ドサっと音と共にキリツは倒れた。
「やっぱりこんな風に心が軽い状態で、本音を語れる状態でマールと相対したら、前回の二の前になりそうだから、あいつを完全に殺すまでは、化物でいることにするよ」
「まっ「【スリープ】」」
ルーゼも倒れた。
やっぱり余裕や優しさはマールを殺す時に、剣先を鈍らせそうだからね。こいつは人間を経験して、愛する人などができたかもしれない。なら、対話でどうにかなるかもなんて考えてしまっていたからね。こんな甘えはダメだ。
『スラリン。このふたりのさっきの語り合いの記憶を奪ってくれ』
『いつもは言わないけど、今回は言うよ?』
いつにも増して、スラリンが真剣な声(思念だけど)で聞いてきた。
『おう』
『その考えは野生では必要だけど、人間として生きていくにはあまりにも凶暴すぎる。多分今回を逃したら、心が本当に壊れるよ?』
『月神マールを殺せるならそれでも構わない。殺せなかったら、仲間が凌辱され、蔑まれ、疎まれ、痛めつけられ、ハブられ、その末に殺されてしまうからな』
『わかった。キリツの後ろで姫様はカズシの自己紹介を聞いていたと思うから、その後にすぐに立ち去ったってことにするよ?』
『それで頼む』
姫を席に座らせて、女騎士をその横に座らせて、俺はこの部屋を出た。
『本物の心を取り戻すために、これは必要なことだ』
部屋の前にいた騎士に連れられて、ガンスと分かれた場所まで歩く。
お疲れ様でした。
これから想いに答えてのカズシで進行していくか、想いを殺してのカズシで進行していくか迷う。やっぱり答えた方がいいのかな
次回は式典が始まる




