第61話!キス
量が少ないです。ほのぼのに過激を混ぜたくないので切りました。これなら昨日の分に入れたかったな。
王族が外でいくらSランク冒険者相手でも、こんな風なことはしません。
では、お楽しみ頂けると幸いです。
濡れ衣を着せられたので、反論しようとしたが、
「は? アレストーリー……あなたは何を言っているのですか?」
リーゼの顔が一瞬怖かった気がする。いや、怖かったわ。髪と同じ明るい青の目がすごい鋭くなっていたからな。
「ひ、姫様? 何をおっしゃっているのですか? な、なぜ私が怒られているのでしょう」
「貴方の冒険者毛嫌い病に私の恩人を巻き込もうとしましたね?」
「いえ、ですから」
「黙りなさい? 貴方の役目は何? 私を連れて帰ることでしょ? 本当にカズシ様を捕まえに来たのなら、あなたと数名の騎士だけなわけないでしょう? 相手はSランク冒険者よ? 理解しているはずよね」
俺の為に怒ってくれているのはわかるが、俺に様付けしたままだったんだが、姫としてどうよなの。
「…………非礼を詫びよう、Sランク冒険者よ。だが、それとこれは別だ! 俺と決闘しろ」
待て、今の流れは姫に怒られたから謝った。わかる。それとこれとは別だから決闘しろ? わからん。
「お断りさせていただきます」
「何故だ? 力に自信が無いのか? Sランク冒険者さんよ!!」
なんでこんなに絡まれるんだよ。リーゼも手を合わせて舌出して、無理でした! って感じのポーズをしてるし。
「謝罪は?」
「は?」
「俺はいきなり難癖をつけられたんだぜ? 騎士様が見逃してしまった姫様が馬鹿どもに追われ、それを助けて保護したのに誘拐罪? しかもそれは流れから見て、あんたの単独もしくはあんたの派閥の指示だよな?」
ただあったことを指摘しただけなのだが、それで顔を真っ赤にし始めた。憶測も言ったけどさ……プライドの無駄に高い騎士様ってめんど。これで女騎士なら良かったのに、男のイケメン騎士だしな。
「それは上との伝達の不備があり、そういう風に扱ってし」
「おいおい。皇帝に直接連絡が言っているこの案件で、伝達の不備がありましたとか言っていいのか?」
「貴様こそ何を言っている? 姫様が城の外に出てしまったのは一大事だが、直接皇帝様に連絡を取れるわけがないだろう?」
さも当然だというように返してきたけど、お前の対応をした男が見えてなかったのだろうか? それともやっぱり皇帝と仲間だったとか嘘だったのか?
「おいおい、ルドメイには俺がしっかり伝えたはずだが?」
「貴様! 皇帝様をよび……すて? ガンス様!?」
ガンス様? なんで様付けなんだ?
『ルドメイは近接攻撃職、ガンスは壁職。ルドメイの強さはガンスがいたからこそ。ガンスの硬さはルドメイがいたからこそって言われているから、ガンスには敬意を払われている。ガンスはちょこちょこ騎士団の盾の指導をしているってのもあるはず』
とスラリンが解説してくれた。冒険者嫌いでも自分のトップが尊敬している仲間は別枠なのね。
「でよ、アレストーリー。ルドメイに俺自身が伝えたのに、カズシを逮捕ってどういうことだ?」
「あ、あのそれ、は指示され、たと言いますか……」
「まさか、無理やりしょっぴいて、またまた無理やり契約を結ばせて子飼いにでもしようとしたのか?」
ガンスが睨みを利かせると、たちまちすくみ上がってしまったみたい。可哀想とは思わんよ。
「ヒィィィィ……わ、わかりません。私は指示されただけ……なので」
「ふむ、まあいいだろう」
いいだろうと言いながら、こちらに近づいてきて、
「お前が決闘を受けないのは、ハリボテSランクだと思わせるためか?」
聞いてきた。
「そうですよ。姫様自身が一般人に扮する服装なんて用意できません。脱走すると言うようなものですし。もし誰かが用意するのだとしても、あんな風に如何にも、金持ちが服装を真似ていますというような服を選ばないと思うんですよね」
「内部に姫様を攫わせようとした奴がいたってことだな」
「そうそう。で、俺はリーゼの警護じゃないけど、中に入れるから守ろうと思えば守れる。でも、俺を変に警戒されたら面倒だから力を国に示したくない」
「でもお前は、このギルドの初っ端で派手に動いたじゃないか」
「まさか姫と仲良くなって、その人が狙われているなんて想像してなかったし、あの大立ち回りもギルドが仕込んだこととかにしておけば問題ないっしょ」
「わかった。なら、そんな感じで動いてやろう」
ガンスは騎士の方に戻っていって、リーゼがまたこちらに戻ってきた。
「どうした?」
「これで一旦お別れなので」
下を向いて落ち込みながらそんなことを言ってきた。
「会おうと思えばすぐに会えるから待ってろ」
「はい、あと権力のゴタゴタに巻き込んでしまい、ごめんなさい」
「いいってそんなこと」
「あとこれからも巻き込んでしまいごめんなさい」
「は?」
早口で発せられた二度目の謝罪の意図を理解しきれず、何も考えないでリーゼと目を合わせたら、いつの間にか目の前まで顔が迫っていた。
悪意のない行動で動くのが遅れ、頬にキスをされた。されてしまった。
「「「「はあああああああああ」」」」
騎士たちも周りもうっさい。リルヒやフィーネはやれやれってやってるんだが、驚いていない。知っていたのか? こんな行動に出ることを。
「私のことも守ってくださいね。王子様」
そう言って騎士の方に戻っていった。ああ、貴族うんぬんに巻き込まれるのではなく、王族に巻き込まれるのか。これこそがテンプレってやつだな。
「行きますよ。アレストーリー」
「ま、待ってください! 姫様」
俺に何かを言おうとしたが、リーゼがスタスタ歩いていってしまったので、こちらに来るのは諦めたようだ。
「お前は人間至上主義の派閥に敵対されることが決定したな」
ゲラゲラ横で笑っていたおっさん、ガンスが嫌なことを言ってきたが、気のせいだろう……はぁー。
「別に敵対されてもいいよ。理由がしょうもないし、やろうと思えばなんとでもなる」
「なんとでもなるからってやるなよ? バレないと思うが、その後国が大変だから」
「わかってる。じゃあ、また今度」
「ああ、用がある時はこちらから呼ぶ」
帰ってきても常にリルヒが側にいて、その後2日ほどはずっとくっついていた。
お疲れ様でした。
リーゼはこの作品の現地人の中でも相当頭が回る方です。
描写してませんが、カズシの周りの女性にはしっかり許可ももらってあんなことをしています。
次回はやっと壊滅がかける……はず




