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女神と夫婦になるために  作者: たつ
1章 ひしめく肉塊と再誕の神
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第7話!月夜と奴隷と……

ごめんなさい。書いてたら一万字になってしまいました。

今回が第1話を除いて1番早く書けた。一番文章量が多いのに……

ではお楽しみいただけると幸いです。

 ギルドを出てお薦めされた宿屋「小鳥のさえずり亭」に向かうことにした。出てきたギルドが騒がしいけどなんかあるなら後日でいいよね?


 小鳥の看板で小規模な宿屋がおすすめされた場所のようだ。入ってみると


「……お客さん、お食事かい?それとも宿泊かい?」


 と恰幅のいいおばさんが掃除をしていたのかそれを中断して対応してくれた。食堂と受付と階段と部屋。とっても宿らしい宿だな!


「宿泊でひとりですね。ギルドでちんまい子に紹介してもらいました」


「はいはい、宿泊だね、1泊朝夜二食で大銅貨5枚だよ。ルキナの招待だね……ふむ、ふむふむ。私はルーマだよ、ルーマお姉さんと呼んでもいいよ。あんたは?」


 値定めるような目でこちらを見てくる。てかちんまい子ことルキナちゃんは自分の家の宿を紹介したのか……やりおる。


「なら5泊分でお願いします。カズシです。ルーマお姉さん」


「5泊で銀貨2枚に大銅貨5枚だよ。それでいいんだよ、それで。お湯とタオルが欲しいなら銅貨3枚。夕食は声かけるから来てくれよ」


 と言いながら205と書かれた鍵を渡された。


「わかりました。ではのちほど」


 二階に上がり行き当たりの部屋が205だった。


 中に入るとベッド、クローゼット、机に椅子といったシンプルな内装だった。必要最低限のものはあって清潔だし、ベッドも硬すぎるわけではないからいいね!


 コートを脱いで椅子にかけ、椅子に座り考える。微妙に疲れた。


 この世界での目標はレベル上げをすること。これは金はあればあるほどいいから金稼ぎをしつつレベル上げ。ついでにこの世界を楽しもう。

 ハーレムはまあおいおい築いていこう。


 問題は仲間だな。冒険者のチームに入るのも金とかの関係でもったいないからやっぱり奴隷なのかな……忌避感とかそんなのもうないしいい感じの子がいたら買おうかな。安い子でも有能なスキル持ちとかがいるかもしれないし明日にでも奴隷商を見つけてサーチしてみるか。


 あとは行き当たりばったりでなんとかなるでしょ!ということで全裸になりアイテムボックスから着替えとタオルと桶を出して魔法で体を濡らし浄化して拭って水、神聖、火と風の魔法で着ていたものを洗濯乾燥。


 ルナ剣はメンテフリーとか言ってたけどどの程度かわからんし、血とか拭ってなかったので手入れをしようと取り出してみたら綺麗になってた。鞘に入れたらやってくれるのかな?まあ楽だからいいか。おばちゃんが声をかけてくれるまでぼーとしていたら声がかかったので食堂へ。一応部屋にもピンを打っておこう。


 夕食はミートスパゲッティの様なものと野菜のスープだった。なかなかに美味しいけど胡椒がないから味に締まりがないのかな?うまいからいいけど。なんとこのスパゲッティはルーマおばさんの家が考えたものらしい。いいね!


 そして何だかんだ周りも暗くなる夜。さっきまで微妙に疲れていたのに今では逆に力がみなぎる?夜空を見てみると月が見えた。なるほどと月を見て今の現象がわかった。


 俺のサーチを使って見えたスキルの一つ、月を司るの中の月の夜は我が時間の効果だということが感覚的にわかった。月が空にあがれば俺はその間は疲労回復などいろいろな効果があるみたいだな。月がある限り何でもできるような気がしてくる。月がほとんど見えなくなる新月の夜がどうなるのかわからなくて怖い。


 そうとわかれば外に出て力を試してみよう!でも門も閉まってる。隠密と無属性魔法「消音」「消臭」「魔力隠蔽」「気配隠蔽」「透明化」を使って魔法かなんかで壁を超えようと思ったのだが、無属性魔法の5つを使っても魔力が一切減った気がしない。疲れないだけじゃなくて夜はMPも使い放題なのか?すげええけどますます月が見えない夜が心配だ。ただ影になってるだけだから関係ないとかだといいんだがな。


 空間魔法で足元の空間を固定して足場にする。その足場から足が離れたら解除みたいなものをイメージしながら空中に一歩踏み出してみたら上手くいった。風魔法で飛行するのは鉄板だけど風で飛べる気がしないので多分イメージしても無理だろう。なんか考えないとな……巡回している兵士がどっか行ったタイミングで壁を一気に超える。


 飛んでいるわけではないけど地面から数メートル浮いていることにテンションが上がり、スーマの街周辺を無属性魔法「身体強化」を使ってマップ埋めをすることにした。全力で走り続けても疲れることがないことがとても楽しく


「あはははははうはははははははははは」


 とか笑いながら走ってしまった。後日スーマの街で街周辺で夜空から笑い声が聞こえるという噂が広まり反省した。


 次のランクアップはEランクの依頼で3回、DへのランクアップはEランクのクエスト10回なので常時のゴブリンが65体分。


 サーチでゴブリンを見つけて空から風魔法でカマイタチみたいなのを打ち込んで倒し、アイテムボックスに回収して解体を65体分行った。そのついでに見つけた効果のある草とかを回収した。たくさん本当にたくさん。街から少し離れてるし薬草の収集とかがあっても迷惑をかけないだろう……きっと。


 薬草、魔力草、しびれ草、毒草、眠り茸と小石をたくさん。大岩をひとつと木を数本、川の水を25mプールくらい。生物は入らないから変な虫が入っていることもないし安心。


 討伐したゴブリンの中に3体ほど通常のゴブリンではないのがいた。


 名前:ゴブリンソードマン

 Lv:8

 筋力:D 耐久:E 俊敏:E 魔力:F 幸運:F

 スキル:剣術 精力強化


 剣を持って革の装備をしたゴブリンだった。革装備でもバターの様なもんだった。ゴブリンの銅の片手剣という名前で効果もなかった。


 名前:ゴブリンソーサラー

 Lv:9

 筋力:E 耐久:E 俊敏:E 魔力:E 幸運:F

 スキル:火魔法 土魔法 精力強化


 こいつは一体で木の杖を持っていた。周りにいたゴブリンを殲滅後詠唱を待って見たが、メラ程度だった。ゴブリンの木の杖という名前で魔法発動媒体がついていた。


 こいつらと普通のゴブリンの耳は微妙に違う形をしていた。こんなの素人じゃわからんって感じ。


 その後に少し開けた所に降り立ちMPも潤沢だしいろいろ実験する。


 まずはギルドカードで見た時から考えていた血の活用。水魔法みたいな魔力の操作方法で腕を軽く切り血を流しながら血の玉を作った。ブラッドボール。

 回復魔法で傷口を塞ぎ、血が抜けたことを欠損と捉えてさらに回復魔法を使っておいた。月の夜の効果で血が補充されたかわかんねえ。疲れないし傷の治りが早いようだ。血の玉の血を鞭のように操作して、木に当ててみたが水の鞭よりも操作がしやすく魔力の通りが良かった。でも夜ならまだしも昼は使いにくいし仲間ができたら引かれるな。血の鞭を解除して剣にかけて斬撃とともに血の刃を飛ばした。


 その次はアイテムボックスにあるゴブリンの血を出して操作しようとしたが上手く行かなかった。他人……ほかの生物だったからダメだったのか。ならゴブリンの血に自分の血を混ぜて使ってみたら上手くいった。純粋な俺の血よりも抵抗があるが水よりかはまし。


 色々なものを出したり戻したりが面倒だ!アクアボールとかブラッドボールを使う時に液体なのに浮いてるってことはmpでなにかやってるみたいだからそれを自ら使ってみた。すると念力的なことが出来た。ゴブリンの血をそれで浮かして腕を切って血を流しながら欠損と捉えて回復魔法を使いながら血を流し続け、結構量のあるゴブリンの血に自分の血を混ぜたものをアイテムボックスにしまった。これでAUOごっこができる。


 名前が血液魔法の媒体血液という名前に変更されてたのでそういうフォルダを作っておいた。ちなみに剥ぎ取り素材は魔物の種類ごとに作る予定。今はゴブリン系しか狩ってないからな!


 重力魔法も試したけど元々が神の力だったのでまだ全然制御出来なかった。前方5mの木々がぺちゃんこになってしまって、重力の玉を打ち出す。グラビィティボール的なのを作って放ったら周りにあるものを吸収しながら進んでいき地面が抉れて地面をなおすのが大変だった。要訓練。重力魔法は大半の異世界ものでは強魔法の一つとして数えられるので使いこなしたい。


 サーチで見ると9レベルになっていて風魔法が3、空間魔法が3、無属性魔法が4になっていて、血液魔法3レベル、念動魔法が2レベル、斬撃耐性が1レベル手に入れた。使い方を工夫すればここら辺はすぐに上がるのかね。魔物と戦う時に使っていたものは上がりやすかったのかな。75個のゴブリンの魔核とソードマン2個、ソーサラーが1個。後で魔核浄化魔法使おう。


 念動魔法で自分の周りを掴んで空を飛ぶイメージで発動させたらできた。けど常にどう飛ぶかを考えないといけないからまだ戦闘には使えないな。空を走った方が戦いやすい。あっ念動魔法が3レベルになった。使い方次第なのかな。


 空を飛んで遊んでいたら朝日が指し始めMPを消費し始めるのを感じたので街に戻ることにした。中から超えた時と同じ魔法を使って中に入った。


 サーチで街の中のどこに奴隷商があるか探してそこにピンを打ち、宿屋に戻って少し寝る。寝なくてもいいのだが暇だからね!マップの付属機能の時計はこの世界では時計がギルドとか大きい店とかにしかないからあんま意味は無いけど目覚ましもあったので2時間設定にして寝た。


 頭の中に響く目覚まし時計の音に強制的に起こされておはようございます。やることはあったな。魔核浄化魔法使ってねえや。魔核の買取価格を聞いてからやろう。


 下に降りるとルーマおばさんがほかの人に配膳していた。あれも冒険者だろうからルキナちゃんに言われてきたかルキナ目当てのやつだな。野郎たちが見ている方にルキナちゃんがいた!なるほどね。


「ルーマお姉さんおはようございます!もう朝食って食べられますか?」


 と声をかけると満足げな顔で答えてくれた。お姉さん呼びがそんなに嬉しいんだな。


「今出すから座って待ってな!どこでもいいから」


 ならば可愛い娘と食べるに限る!ルキナちゃんに近づき


「ルキナちゃんおはようございます」


「あっ!カズシさんおはようございます。家の宿に来てくれてありがとうございます!」


「いえいえ、昨日の夕食の麺も美味しかったのでここは当たりですね!」


「なら良かったです」


「相席しても?」


「相席でいいならいいですよ。もう少ししたら人も増えて席が足りなくなりますし」


 と言ってくれたので反対の席に座りこの街のことを聞いていたら飯が来た。


 サンドイッチにマカロニ入りスープ。マカロニもスパゲッティと一緒でこの家で作りあげたらしい。ならばと思いラザニアの概要と挽肉という考えがなかったので挽肉とついでにハンバーグも教えておいた。そうするとルーマおばさんはいいアイデアだといい背中をバンバン、ルキナちゃんはそれは美味しそうですねとヨダレを垂らしていた。


 無視してたけど相席した時から別の席の野郎どもがうっせえな。そんなに悔しいなら相席すればいいのに……おっさんどもができるかは知らん。ひとつルキナちゃんに聞いておきたいことがあったんだ。


「ルキナちゃんランクアップのことについて聞いてもいい?」


「はい何でしょう」


「今俺はFだからゴブリンの常設を昨日のと合わせてあと3回こなせばEに上がるんだよね?」


「そうですね。ゴブリンは数体の群れまでならEランクなのでその常設もEですね」


「Eになってゴブリンの常設を10回分やればDになるんだよね?」


「はい、なりますけどあまり無理をしてはしない方がいいですよ。実力があることは知ってますけど。しかもほかの討伐に比べて常設なのでついでにやる程度の人しかいないほど報酬が低いです。でも女性の敵の1種であるゴブリンが減ることはいいことですね」


 まあ、低くてもランクが上がれば高い報酬の依頼も受けれるようになるからな。


「ゴブリンってソードマンとかソーサラーとかいますよね、それはどういう扱いなんですか?」


「ソードマンやソーサラーはゴブリンの討伐扱いで魔核が少し高く売れますね。指揮個体のジェネラルやキングなどだとまた違いますが」


 てかルキナちゃん普通に喋ってるし!ギルドにいると緊張するのかな?


「あの後外に出てゴブリン種を狩ってたら65体倒せて耳も回収してるんですよね」


「はい?今なんて言いました?」


「ゴブリン種 65体 倒した」


「頭が痛いです。なんで夕方に外に出て門が閉まる前に65体狩り終えられるんですか……」


 叫ぶと思ったら頭が痛いと来たか……その反応なら言わなくても良かったな。


「魔物を探す術を修行中に手に入れたのでそれを使ってゴブリンを先制で倒してを繰り返してたら65体になりました。その内ソードマンは2体、ソーサラーは1体ですね」


 と顔を近づけて小声で教えた。このくらいならいいだろう。今後も非常識な数を持ってきてもこの子に対応してもらえば。後ろで舌打ちの嵐だけど絡んでこないのはルキナちゃんの前だからなのかモヒカンを倒したからなのか……そんくらいのやつらしかいない。


「うーん、そんなスキルあったかな?気配察知とかそんな感じかな?もしかして新しいスキル?…… 後ほどギルドに討伐証拠を持って来て下されば処理しますね」


「ああ、ありがとう。ルーマお姉さん美味しかったです!」


「はいよ、こっち持ってきてくれ。ルキナも早く食べなさい」


「え?あっはいお母さん!」


「ルキナちゃんまたねー」


 と手を振りながら宿を出た。


 昨日から見てたけど盗賊のアジトはアレックスが一番強くて次が魔法使い、後はモヒカン未満が20ほどがいることが分かった。今日か明日の夜にでも倒しに行こうかな。


 はい、着きました。ムハンマドとかいう予言やトレードをしそうな名前の奴がやっている奴隷商にやってきたのだ!宿以上に大きい。


 中に入り奴隷商人ムハンマドがでてきた。まだ若い青年と言った感じの風貌のやつだった。でっぷり太った悪人顔じゃないのね……


「ようこそいらっしゅいませ。奴隷商ムハンマドにようこそ!どのような奴隷をご所望ですか?奴隷商は初めてですか?」


 現代の営業マンすらも到底出来ないような完璧な営業スマイルを浮かべている。先がボロいコートを着たヤツが相手だしこんなもんだよな。


「15.6歳くらいの女の子をとりあえず見せてくれ。初めてだ」


 俺がサーチで見つけた子は年齢16でミアといい、ステータスカードでは見えない短剣の才を持っていたからとりあえず見に来た。


「畏まりました。その年齢層なら同じ部屋に入れているのでそちらに向かいますね」


「ああ、それでいい」


 と言って連れてこられたのが二階6部屋あるうちの一つ。処女少女と書かれている。


「気に入った奴隷がいれば別室で個別で話すこともできます。ではどうぞ」


 と言って開けられたドアに入ると幼い子供から少女まで割と広い年齢層の子達が現代の風呂場よりも少し小さいくらいの檻の中にいた。うん、買わない子以外は見ないことにしよう。


「失礼かも知れませんが建物自体は大きいですけどこの年齢層の数はこれくらいなのですか?」


「ははは、いえまずここは商都(商業都市の略称)の隣の街であり、中継地点ですので特にいい奴隷はそちらに持っていきますので展示していない物もあります。商都で売れ残った物や運搬を連続ですると奴隷の疲れが溜まり見た目が損なわれてしまうので休ませながらここで展示してます。犯罪者奴隷や欠損奴隷はこのような扱いをしていませんがね」


 確かに疲れうんぬんに気を使うだけはあり清潔でもある。


 一人一人見て歩いてる風を装い目当てのミアの前に来た。これはひどい。

 まず16なのにほかの14とかそれ以下の子くらいしか身長がない。140後半くらいかな?170とかある女性もいるので平均は日本とさほど変わらないと思う。場所によって違うと思うけど……それはいいのだ。


 問題は右頬から右肩、ポンチョのようなもので隠れてるからわからないけど右腕もかな?火傷の跡がある。水ぶくれにはなってないけど痛々しい跡が残っている。でもショートのクリーム色の髪に群青色の目に体の左側を見ると色白美人さんなのがわかる。まあ、跡も魔法で回復できるだろうしなんとでもなるかな。でもこの子の目に全く元気がない。


「そちらの奴隷が気になるのですか?同情で奴隷を買うのはやめた方がいいですよ。奴隷は物ですが無闇に殺すと理由によっては罪になりますから、もちろん犯罪者奴隷は違いますがね。ちなみにそれは大銀貨数枚ですね。5枚と言いたいところですが火傷跡に衰弱してると来てますから。それにプラスして隷属魔法をかけるので別途大銀貨1枚必要になります。大銀貨5枚以上の奴隷なら組み込まれているんですけどね」


 奴隷制のある世界の奴隷の命の値段はやはり安いな……てか隷属魔法なのか奴隷化魔法とかそんなんじゃなくて、隷属魔法とか明らかにやばそうだな。ほしい。


「同情で買うなだな。それはわかっているがこの子と話したい」


「本当によろしいのですか?火傷跡のせいかわかりませんが元気がなく、この跡のせいで買い取ったはいいんですが不良在庫になっていたんですよ。娼館にも売れないし困ってたんですよね」


 この子の前でいちいち言うなよ……物だから関係ないと割り切っているのかな?そうならいいな。


 二階の別の部屋に連れられて入る。大きい部屋で部屋の右端にソファーがあり対角線上に椅子がある。


「私はこちらにいますが聞き耳も立てませんのでお話ください。一応変なことをしないかの監視のようなものです。個別と言ってましたがこういう仕組みなのでご容赦を。ミア!ソファーの前に立って服を脱いで全身を見せなさい」


「……」

 無言で頷いてソファーの前でポンチョ?を脱いだ。


 買ってない奴隷に変なことをされても困るから監視してるんだな。俺はソファーに座り対面する。


「まず、喋れるか?」


 できるだけ優しい声で問うと


「はい……ミアです」


 と返してくれたので話すことは出来そうだ。


 この部屋に盗聴するような何かやムハンマドが変なことをしていないことを確認してから


「君には短剣を使う才能があるみたいなんだ。俺が君を買ったら俺が使い方を教えるから訓練して冒険者として手伝って欲しいんだよ。なぜ才能がわかるかは答えない」


 というと顔を真っ青にしながら


「囮……ですか?」


 は?囮……ああ少しは抵抗できる囮を作るとでも思ったのかな?レベルを上げているやつからしたら単体のゴブリンくらい余裕だけど、一般人は勝てない相手だから訓練してもどうにもならないとかそう思ったのかな。


「いやいや君にも俺の仲間として戦って欲しいんだよ」


「無理です……火傷をした時から……食べ物も喉を通りづらくて……寝たきりだったから……この跡がある限り……まともに動けないし……こんな見た目じゃ夜伽も……嫌がられるだろうし……」


 いや、火傷跡はひどいちゃひどいけどそれのせいで出来ないかと言われればできる。がんがんできる!何かつっかえてる感じだな。


「わかった、ならその跡をなおして動けるようにすれば俺が言ったように働いてくれる?」


 そういうとミアちゃんが俯きながら叫んでこう言った。


「そんなことできるわけない!ゴホゴホ火傷した時だって……治してもらった!それなのにこれなの!なん……」


 咳き込みながら少し光が戻った目で叫んできた。反抗するために戻られてもなー。


「ミア!お客様になんて口の聞き方だ」


 と言ってこちらに来ようとするムハンマドであるが


「大丈夫です。私が女性に言ってはいけないようなことを言ってしまって怒らせてしまったんです。あと少し待っててください!」


 と俺が言ったので席に戻っていった。


「俺は君を買うけどもし治ったら俺のために働いてくれ、ダメだったら家事とかそこら辺を家を買ったらやってくれ」


「あ、あの……叫んでしまい……すみませんでした」


 と土下座しようとしてたので


「そういうのいいから君を買うよ。ムハンマドさんこの子を買います!隷属魔法込みで大銀貨5枚で買うので少しはいい服にしてあげてください」


 と言って金貨を渡す。ポンチョのような物のまま外に出したくない。


「本当ですか!わかりました。すぐに隷属魔法の使い手を呼んできます」


 と言って部下に指示をしてミアを連れていった。お釣りの大銀貨5枚も渡された。


「あとここで買えないならいいんですけど契約魔法書一枚売って頂けますか?」


 と言ったら1枚なら大丈夫です。と言って渡してくれてた。銀貨1枚と交換。ムハンマドは契約魔法書に何か書いている。


 ミアは俺の奴隷であること

 命令は絶対遵守

 命令を守らなければ激痛

 自殺不可俺を殺すの不可

 ミアは最低限の衣食住を俺により保証される


 というような事が書かれた紙に俺はサインしていると、ミアがくたってる白いワンピースを着てきた。隷属魔法の使い手かな?も来た。


「ではここに血液を少し垂らしてください」


 と言って皿と針を渡してきたのでサーチで確認して血を渡した。それを筆につけミアの胸元にバツを書いてから


「では隷属魔法を始めます」

 と言ってミアのバツに手を向けながら詠唱を始めた。魔力の流れを見ながら隠密の聞き耳の強化をして機能の一つのメモに隷属魔法の詠唱を耳コピした。詠唱が終わると胸元に赤いマークで月の模様が出た。その後に契約魔法書がひかり、俺とミアの中に入っていった。


「奴隷紋は人それぞれ見た目が違うのです」


 なるほどねでも月か。


「奴隷の購入ありがとうございました。またお越しください。商都の方がメインですのでお立ち寄りの際はどうぞ」


 と今回は普通の笑顔でお見送り。不良在庫とか言ってたしそれが捌けたからね。


「ミア、とりあえず宿に戻るからついてきてな」


 こくりと頷いてくれた。


 その後、宿に戻りルーマさんに奴隷を買ったのだがどうすればいいかと聞くと


「あらールキナはダメだったわね……奴隷はもの扱いだから宿泊費はいらないわよ。でも食べ物を出すなら二食で大銅貨1枚ね!うちは奴隷だからって料理の質は下げないからそこはわかってね」


 と言われた。前半は小声だった。大銅貨8枚払う。


「下げないでくれた方が助かります。あとこの子は戦い方を教えて戦ってもらうんですよ。ルキナちゃんはいいもダメもまだないですよ。そんな仕草ありませんでしたしね。あとミアが後でいろいろ変わって出てくると思いますが気にしないでください。」


 と返事を返しておいて、部屋に戻った。


「ミア、さっき言ったとおり今からお前の火傷の跡を治そうと思う。いいな」


「……はい」


 気落ちした感じで返してきた。やっぱ出来るとは思ってないのか。


「服を脱いでベッドに横になって、右手に触れるよ」


 と言うと脱いでベッドに横たわった。右手の火傷の跡がないところを触る。跡があるからエロい目で見られないとでも思ってるのだろうか?そこらへんを意識してないからすぐに脱げるのか。


 とりあえず結界魔法の消音をこの部屋に発動。期間は30分。

 魔法のイメージを口に出して発動させる!


「回復魔法、火傷跡を欠損と捉え欠損回復、火傷前の肌などをイメージし、最適な状態へと回復させる。発動」


 ミアが光に包まれた。それが明けると、火傷の跡が一つもなく、髪の艶も出てさっきまで栄養不足で痩せていたのに痩せていたなんてわからないような普通の体になっていた。


 え?まてまて、跡をなくしたのはいいがなぜ体の肉が増えている?最適な状態は日本人的な健康状態を思い浮かべたがイメージだけでここまで変化させられるのか?それなら敵をゲッソリに……効果を受け入れていたからここまで変わったのかな?


「え?………………ぅうああぁぁぁぁぁぁん」


 と俺の腕を抱きながら大号泣し始めた。まあ、治らんと思ってたものが治ったんだからそうなるわな。そして俺の体が超だるいし眠い。MPが減っても疲れはするけど眠くなることはないはずなのに…………無理だ。


「ミアお休み」


 と言ってミアに乗っからないように横になり意識が落ちた。

作中に書いてありますがカズシ君は既に一度神になってます。てか月を司る人間とかおかしいですもんね。

イメージと少しの知識があれば魔法は成立しますが重力魔法は神の権能の一部なのでまだコントロールできません。被害無視なら現在最強


自分的には4000とか5000で区切りたいのですが大体話を二つ入れてたからオーバーしていたので次回は錬金術のくだりまでで投稿しようと思います。

次回、第8話!錬金術と盗賊と

ではなく

次回、第8話!買い物と風呂と

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