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女神と夫婦になるために  作者: たつ
4章 暗躍せし勇者
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第56話! 夢

子供の頃に大人を好きになることってありましたよね?


では、お楽しみ頂けると幸いです。

「……最高神様から許可をもらったのですか?」


 惚けてたアルミエが聞いてくる。もらったというかなんというか。


「マールを倒した後に最高神が言った約束だからな。記憶の封印以外何もしない代わりに、蘇生とか新種創造ができるようになったら、やっていいっていう約束だったのかな?」


 最高神は何もしなかったのではなく、あえて何もしなかったのかもしれない。


「もうちょっとレベル上げてから、やった方がいいわよ」


「ルナの言う通りだな。力はあっても、システム的には異常に強い程度だからな。この世界に天使っている?」


 人間はいるからダメ。天使とかそこら辺なら、想像もしやすいし、天使ってなんかよくね?


「星にいるかってことだよね? いないよ」


 この神界には普通にいるからね。いないのなら天使も新種として創造できる。


「なら、ふたりは天使として復活させる気だから」


「いいんじゃない?」


「今のところでダメって言っても強行する気でしたよね?」


 アルミエにはバレバレだったようだ。


「まあね。いろいろ疲れる話は終わり! 今日はこっちで寝ようと思ってるけどいい?」


「ええ!」


「もちろんです」


 色々して寝た。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 僕は階段をかけ登る。


 ここはまちにある神社の本でんというものらしい。


 こっちは小さいけどこっちの方が力があるんだぞ! って言っていた。


 いつも通り僕は階段をかけ登る。


 小さい山の上にある神社はこの階段が長すぎるから、参拝客が来ないんだよ? って言ったら、○なんだから高いところにいるのは当たり前、○○と同じ高さにいるのはあまり良くないから、しょうがないんだよ。って言っていた。


 階段も半分超えたあたりで、狐さんがたくさん見えてくる。


 僕が一人の時じゃないと狐さん達は出てきてくれない。


 僕はなりさまに特訓として、この階段をかけ上がれと言われている。


 半分超えたここからは楽しい。狐さん達も一緒に走ってくれるこらね。


 半分の半分……1/4を超えたあたりで、クーちゃんが合流する。僕が助けたらしい狐さん。


 なんでクーちゃんかって言うとね、狐はクーンとかクニャーって鳴くんだけどね、クーちゃんは何故かクーってしか鳴かないからクーちゃんなんだよ。


 クーちゃんとは一番仲がいいんだけど、階段走りをしてる時に合流すると、僕の首元に乗ってくるから走るのが大変。これも修行らしいからしょうがないんだって。


 そうそう、クーちゃんを助けた時に僕は大けがしたらしいんだって。


 でも、なりさまが助けてくれたおかげで、前よりも走ってもあんまり疲れなくなったし、耳と目と鼻がとっても良くなったんだ。


 なりさまは『しんかんほうやくひしょうにんしんじゅつしんじんこんぱくそうごどうか』というので、僕を治してくれたんだって。


 その後なりさまはすごく体調が悪そうだったから、なりさまが大好きなお稲荷さんをたくさん持っていって、マッサージしたり抱きしめたりしたらよくなった。


和史かずし! 何考え事しながら、走っている! 階段走りは自然を感じ、一体となり、五感を研ぎ澄ませながら、走るものだと言っているだろう!」


 僕に注意してくれたのが、なりさまっていうんだ。


 見た目は中学生のお姉さんくらいだけど、常に着物を着ているなりさま。


 えっと稲荷の神っていう神様で、げんしの狐? とかいうやつでもあり、稲でもあり、だいようかいでもあるんだって。


『あまねく全ての狐は私であり、私は全ての狐である。よって、全ての狐のでんしょうは私であり、全てのつみも私である』とか格好つけて言っていた。


 僕は下の神社よりもここには人が来ないよね? 僕は毎日来てるのに、会ったのは近所のおばあちゃんおじいちゃんだけだよね? なんで? って言ったら、人間のつごうなんて知らんって言ってお稲荷さんを20個持ってくるまで無視してきた。ひどい。


「和史はまた変なことを考えておるな! まあよい、前半は一体となれていたからな。クーの視点で見た」


「えー! またクーちゃんは先回りしてたのー!」


「かかか。クーはお主に負けないように頑張っているからな。学校に行っている間も頑張っているから負けないさ」


 クーと鳴いて、しっぽをふりふりして、どうだ! ってやってきた。くやしい。


「じゃあ、奥で精神集中しておいてくれ。すぐに行く」


 ここに来たら、まずやることの一つ。座ぜんを組んで、自分のきょうかい線をあいまいにすることから始める。


 何でやってるかは教えてくれたけど、わからなかった。


 これをやると、頭の上の二か所とおしりのあたりがむずむずする。


 目を閉じてやらないといけないから、なんでムズムズするのかを確認出来ないけど、成長している証らしい。


「うむ、よく出来てるな。パンケーキを焼いたから食べるか?」


「たべる!」


 なりさまは料理がとってもおいしい。時間はあるから習得したんだって。僕と5才くらいしかかわらないのにすごいよね。


 その後は武術の特訓をしたり、写生をしたり、みんなと山で鬼ごっこをしたり、色々するんだ。


 あとここにしかないゲームもたまにやらせてくれる。


 ロボットをそうさして、わるい王をたおすっていうゲーム。


 とってもおっきくて、神社の地下にあるんだけど、これがすごいおもしろいんだよ!


 クリアしたことはないけどね。


「なりさま!」


「なんだい?」


「今日は神社にとまるって言ってきたから、とまってもいい?」


 明日は土曜だから、学校が休みだから、なりさまといたくておねがいしてきた。


「おお、良いぞ。布団は敷くから寝なさい」


「なりさまといっしょ?」


「一緒」


 なりさまと寝るのはとってもきもちがいい。なりさまはねる時だけ、もふもふな耳としっぽを出してくれて、しっぽをもふもふさせてくれるんだよ。


 もふもふしてると……すごく……ねむくなる……


「なりさま?」


「なんだい?」


「大きくなったら結婚してくれるんだよね? 武術も写生も勉強も、良いこともたくさんして、ママやパパの言うこともしっかり聞いて、全部がんばったら結婚してくれるんだよね?」


「…………ああ。約束からな。狐は化かすが嘘はつかない」


 ねるまえは……いつもこのことばをきいて……ねる。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「ひどく頭が痛い」


『とってもうなされてたからね。ルナもアルミエも気がついてないから、大丈夫』


「全く身に覚えのない光景を見てたわ」


『夢なんてそういうもんでしょ? 見ないからわからないけど』


「そうだな。まだ早いから眠りなおすわ」


『おやすみ』


「……ああ、おやすみ」


 俺は二度寝を始めた。

お疲れ様でした。


なり様はこの作品ではあと出番は2回もありません。悲しいな。プロットではガッツリ出てたんだけどな。これもすべてマールのせい。


次回、第57話! 壊滅

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