第53話!デート……
カレーがうまく出来て満足。
では、お楽しみ頂けたら幸いです。
この世界には城とかを除き2階建てが多い。魔法で基礎とかを作ってしまうみたいで、二階建てまでなら一般家庭の家でも珍しくない。
国は火魔法や風魔法は戦力として取り入れるし、水魔法は水を出せるだけで重要。冒険者もこの三属性は常に求めている。でも、土属性は工兵科みたいなのもないみたいだし、物が残ってしまうので、邪魔らしい。
だから、土魔法使いは建造などに携わっているのが主な仕事らしい。地割れとかすれば強いのにな(魔力的に一般の魔法使いには無理だと思っていない)。
3階建て以上がないのは何故か知らん。そこまで調べてないし、調べる価値もない。
なのに、俺達が連れられてきたホテル、宿じゃないよ? ホテルは5階建てでブルース冒険者ギルドと同じくらいでかい。入口に近づくと、
「お待ちしておりましたカズシ様とそのお仲間様。ブルースホテルにようこそ」
うん、有能。俺の顔なんて知らんだろうが、ガンスがいたからわかったのかな? 円卓二人はレストランで食事だとよ。
「わかっていると思うが、こいつが王族の警護する冒険者カズシだ。周りのはこいつの仲間だな。では、俺は仕事があるから」
「ありがとう。処理頼む」
「いや、ジジイを落としてくれたんだから、感謝してもしたりんよ。じゃあ」
手を振って、いい笑顔で去っていった。そんなに嫌だったんだな。ウザイやつだけど、接してないからわからん。
「では、案内させていただきます。ご食事の用意は出来ていますが、いかがしますか? このまま食事をする場に案内することもできますが」
「私はお腹減ったわ」
リルヒの一言で、食事に行くことに。
食事する所はホールみたいなところで、演奏とかあったし、美味かったが、日本レベルから見るとまあまあだった。
部屋は5階の一番大きい部屋みたいだ。テレビで見たようなどのスイートルームよりもいい内装をしていると思う。アンティーク調というのかな? ここ世界ではアンティークでも何でもないけど。
そこで皆と色々しながら一夜を過ごし、朝食はパンに野菜に卵にウィンナーという、日本ではよくあるホテルの朝食だった。ウィンナーか……これは帰ったら作ろうかな。朝飯を食べて、部屋に戻ってきてリルヒが何かを言い出した。
「私達はカズシと二人っきりでどこかに行ったりしたことがないと思うの!」
「そうだな。ミア以外はないな」
「そうよ! ミア狡いわ」
「いえ、2人きりの時は数日しかありませんでしたので」
「それでもあったのよ!? だから、これから順番にデートをしましょう」
ミア、リルヒ、フィーネ、ホムラで一人2時間交代でデートをすることになった。ルキナは来た時にやることで手を打ったらしい。
くじ引きの結果、ホムラ、フィーネ、ミア、リルヒになった。
「では、一番行ってきます」
「時間守りなさいよ」
「じゃあ、また後で」
最初はホムラだ。黒の着物に金狐獣人……とてもいい。
「どこに行きたいとかある?」
「ええ、ここには私の故郷の教会みたいなものがありますので、そこに行ってから和服以外を見たいなと」
「神社もあるのか……ごった煮みたいだな。ホムラの白ワンピも似合ってたからな。やっぱり尻尾の関係であまり選べないの?」
「はい、ズボン系は色々大変ですね」
雑談をしながら、向かった先には赤い鳥居があった。やっぱり神社か。
「ここはどんな御霊が祀られているんだ?」
「神社の機能を知っているんですね。帝都にある神社には狐の神様が祀られているんです」
キツネノカミ? オイナリサマ? ナリサマ?…………何を考えていたんだっけ?
「そうなのか。お祈りする時のルールとかあるか?」
「お御手洗で清め、鈴で魔を払ったりなんかして、神を呼び出し、二礼二拍手一礼ですね」
日本の考えと一緒なんだな。東の国は日本みたいなものか。ここら辺にはない、漫画があるみたいだし。御参りをして出た。
「なんか、懐かしい感じがしたよ」
「旦那様の故郷にも?」
「教会よりも神社とかの方が多いね。形骸化してたけど」
「そうなんですか」
おしゃべりをしながら、服を見て、シャツとジャケットみたいな奴とカットパンツみたいな奴を仕立てた。服の種類がわからないからみたいな奴って言っているだけ。
「これなら尻尾をパンツの上からうまく出せるので、いい感じですね」
でも、なんかエロいんだよな。尻尾を出すために、少し下に履いてるから、なんか良くない。
「外に出る時は、上着は長めのやつを着てね」
「…………ふふふ。わかりました」
なんか俺だけが独占欲丸出しみたいで嫌だが、嫌だからしょうがないな。なんてことをしながら、ぶらぶらしてたら
『終了まで5分を切りました。今すぐ宿に戻ってください』
という放送があったので、戻ってきた。
「次は私ですね。主様よろしくお願いします」
「ああ」
「時間は守ってね!」
リルヒうっさい。と思いながら出てきた。フィーネはエルフの特徴的な緑系統の薄着を着ていた。ラノベみたいに、胸の上が出ているので、外套を着させた。エルフなのに巨乳とか解せぬ。
「私は食べ物の食べ歩きをしたいのですが……いいですか?」
フィーネ渾身の料理が、定番のエルフ特有の野菜たっぷり薄味料理で、皆から好感触を得られなかった時から、色んな料理を食べて研究している。ミアも料理するが、1度食べれば再現可能というチートを発動するので、こういうことはやってない。
「なるほど。このお肉は煮ることでいい味が出るんですね」「暴れ飛び牛の舌を焼いたものらしいですよ! 主様も食べましょう」「これがケーキですか……やっぱり主様の奴の方がいいですね」「うわー! 魚を生で食べるんですか? 商都よりも海に近いからって……これは」
うん? 生で魚?
「すみません。それ二つ」
と言って渡されたのが、恵方巻きみたいなやつ、黄色い魚の身を包んだやつだった。
「あのー、主様? それは生の魚らしいですよ? いくら回復魔法があるからって」
「俺の故郷では魚を生で食べるのはよくあったんだよ。まあ、 神聖魔法【浄化】……これで大丈夫だろ?」
「はい」
凄いおずおずと食べた。そんなに生で魚を食べるのは変なのかな? 日本人だからわからん。
「……これ美味しいです! でも、屋敷で作ってるしょうゆとかいう調味料で食べた方がいいかもですね」
大豆がある。作り方をなんとなく覚えてる。時間軸がズレている空間を生み出せる。なら、試行錯誤するしかないじゃない! 味噌と醤油を作れて俺にっこり。
「お、良い舌してるじゃん。故郷ではその食べ方だな」
「そうなんですか!」
なんて食べ歩きを2時間した。辛すぎ。
「主様ありがとうございました。では、時間になりそうなので戻りましょうか」
戻ってきた。次はミアかな? 服装は白ワンピに麦わら帽子、サンダルだと!? ちなみにこの国は基本的に温暖な気候で冬はないらしい。ここよりも北の国に行けばある。
「カズシ様どうですか? 前におっしゃっていた、サンダルに麦わら帽子付きの白ワンピですよ?」
「とても良いと思うぞ! グッジョブ!!」
「喜んでもらえてよかったです」
ミアを買った時に比べて本当に笑うようになったな。強くなったし、チートになったし。
「で、ミアが行きたいところってどこ?」
「そこの予約を取ってあるので、行きましょう」
と言って連れてこられたのは、宿……宿? 昼間からヤル気か? 部屋の鍵はもう持っているようで、ベットと机椅子だけがある質素な部屋についた。
「カズシ様の顔を見ればわかりますが、そういうことをしたいわけではないんです。今回のデートはしたいことをしていいと言ってくださったので……あ、甘えさせて欲しいなと……思ったので」
ミアはいつも皆をまとめる為に一歩引いた位置にいたからな。ベットの端に座って膝をポンポンして
「おいで」
顔を真っ赤にさせながら帽子を置いて、膝枕に頭を乗せてきた。頭を撫でながら話しかける。
「いつも甘えてもいいんだぞ? もう前みたいにお前が家事をすることもないし」
「……いえ、私はカズシ様の為になることをしたいので……前にも言いましたが、戦闘では役に立つどころか、常に気を使ってもらっているので。カズシ様がいなくても、スラリンが常に守ってくださっているので、何の心配もストレスもなく戦えてます。だから、それ以外の点ではと思っていたのですが」
「周りに譲ってその人が甘えているのを見て、やっぱり甘えたくなったと」
最近はしっかり髪の手入れを怠ってないので、綺麗になったクリーム色の髪を手ぐしで流しながら、ミアとのゆったりとした時間を過ごした。
「ミア……時間だから戻ろうか」
「はい、さっきリルヒの念話があったのに、無視してしまったので、急がないと怒られてしまいますね」
「転移するから大丈夫だけどね」
「よろしくお願いします」
戻ってきて、リルヒとバトンタッチした。手を繋ぎながら、宿を出た。身長差で親子……おっとすごい睨まれている。手が痛い。
「私は最後で夕方だから、店があまり空いてないのよね」
「どこか行きたいところってあるか?」
「久しぶりに血を吸わせて欲しいわ。それだけで私は満足するし、幸福になるもの」
「俺の血ってそんなに美味しいのか?」
それを聞くと、リルヒが手をいっぱいに広げて
「そりゃ、もうこーんなじゃ収まらないくらい美味しいわよ。料理とかも美味しいけど、吸血鬼的には別の美味しさだから、比較は出来ないけど、血だけで生きていけるなら、ずっと吸っていたいわね」
「吸血鬼になって、吸血できるし、リルヒの血もみんなの血もうまいけど、飯の方がいいな」
「まあ、そこは吸血鬼と吸血鬼もどきの違いでしょうね。それでこれか「ちょっと待って」……なによ」
周りの喧騒の中に、女の子の叫び声が聞こえた気がする。
「今、向こうから女の子の叫び声が聞こえた」
「はぁー。わかったわよ。助けるんでしょ? これで全部潰れたら、埋め合わせしてよね」
「わかってる」
リルヒを小脇に抱いて(めっちゃ文句言ってるけどスルー)、声が聞こえた方の上空に転移。
「【遠見】うーん、俺に敵意とかがあるわけじゃないから、赤にならないな」
「あれかしら?」
リルヒが見つけたのは、明るい青の髪に一般庶民のお手本のような服を着て、お忍びで街に繰り出したような10くらいの女の子だった。服装の見た目はそこらにいる人達のように、茶色のシャツにズボンという出で立ちだけど、布が綺麗すぎる。いいもの過ぎるし、うちの女並に髪の手入れが行き届いている。
それを追うのは二人の男。あからさまに顔を隠しているから、怪しいな。
「リルヒは上空にいて、周りの警戒をよろしく。リルヒの周りには結界を張っておくから、リルヒの心配はしなくても大丈夫だと思う」
「早く行ってあげなさい、王子様」
この場面で助けたら、まーた吊り橋だな。まあ、そんな簡単に惚れられることはないだろうけど。
『フラグ乙』
やっちまったかな? 【転移】
「なんだお前は!?」
女の子と男達の間にいきなり現れた俺に対して、剣を抜いて切りつけてきた。まじかよ。何も確認なしかよ。
「【ライトニング】【転移】」
雷の閃光を二人に当てて気絶させ、屋敷に転移させた。
『ファベログ。このふたりは傷つけていいから、情報を引き出しておいて』
『どのレベルまで許可されますか?』
『スラリン分体同伴で、死なない限り何をしてもいい。欠損も回復魔法でなんとでもできるから』
『わかりました。数時間で引き出します』
ファベログに聞き出しは頼んだ。
「大丈夫ですか? お嬢さん」
いきなり現れた俺に警戒していたが、男達を倒しどこかにやったので、安心したのか近づいてきた。マッチポンプとかは考えないのね。
「ありがとうござきゃ!」
近づきながら、お礼を言っていたその少女は手前でコケた。まあ、受け止めるよね。
「おっと、お怪我はありませんか?」
第一印象のために演じているが、気持ち悪。
「い、いえ、ありがとう」
胸はあまりなしと。色白な顔のせいで、少し赤くなっただけで真っ赤に見える。
『フラグフラグ!』
うるせえスラリン。
お疲れ様でした。
オムライスの卵を焼く時に油をケチるのは良くないね。
テンプレってあるよね?
ファンタジー(魔法なし)でパワードアーマーと現代ファンタジーの二つの設定が生えている。どっちを書こうかな次回作。
終わってからじゃないと新作書かないけどね。毎日投稿でさらに毎日投稿とか死ぬし。
次回、話の流れしか決まってない




