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女神と夫婦になるために  作者: たつ
3.5章 番外編 ゴブリンの苦悩
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番外編第2話!ゴブリンの苦悩その1

今回はゴブリンのブロンズの話です。今回は説明回のようなものです。次回は冒険かな? 次回が苦悩ですね。


前回の話からカズシは自重をやめています。時系列的にこの話は神聖国に向かっている途中です。次回あたりは本編の少し先に行くかも知れません。


では、お楽しみいただけたら幸いです。

 私はゴブリンである。名前はブロンズという。


 私はマスター、カズシ様によって作られた魔物だ。私の役割はマスターの屋敷を警護して、侵入者を撃退することだ。


 初めの頃は門の前に立ったりしていたが、私の直属の上司であるファベログ殿が杖を持つようになってから、私達ゴブリンが門に立つことがほとんどなくなった。


 私達はファベログ殿が召喚するスケルトンのように疲れないということはない。しっかり疲れるし、食事も取る。風呂にだって入るし、清潔にしたい。普通のゴブリンならこんな考えを持たないだろうが、私は特別性なのでな。




 ホムラ殿がマスターのハーレムに入った次の日、ファベログ殿の招集がかかった。


「ブロンズ、ディル、ハサ。貴方方のおかげでこの屋敷は巷で不法侵入不可と称され、この街に残っている裏の組織の間でも、手出しを禁止されました。一番の決め手はカズシ様の【炎狐】とSランク冒険者のホムラ様が身内になったことですけどね」


「ファベログさん、質問いいですか?」


「どうぞ、ディル」


 私の頭もゴブリンや普通の人間に比べていいが、ディルはこの3人? の中でも知識人……知識ゴブリンである。多分この大陸一頭のいいゴブリンだと思う。


 商都には大銀貨5枚という入場料と保険料金貨1枚で入れる、大陸一と言われる図書館がある。スラリン様はマスターに質問されたら、何でも答えられるようにするため、分体を図書館に行かせて、知識の吸収をしている。もちろんこの事はマスターには内緒らしい。出来るスライムは事前準備を完璧にして、謎であることが好ましいとか。


 スラリン様はマスターより、たくさんの軍資金を貰っているので、毎日分体に行かせて、写本を作り(著作権? というものはない。まず、文字を読める人が4割もいないからだ)、屋敷の一部屋を異次元化させて倉庫兼図書室としている。


 マスターは実験と称して一部屋を異次元化して、常に昼の森を作ったりもしている。ここの湖の辺の木陰での昼寝は格別だ。


 分体と言っても、スライムが人型になっただけと思う方もいるだろう。スラリン様は人間の施設を使用する時は、光魔法と精神魔法と闇魔法と無属性魔法と念動魔法と血液魔法を併用して、人と変わらない容姿で活動ができる。カズシ様の好みである、割と平坦な容姿にしている。豊満なほうがいいと思うのだがな。


 本当にあの魔法の手際は感動してしまう。マスターの前では自分を偽りたくないということで、スライムが人型になった姿しか取らない。この姿で興奮してもらわないと困るとも言っていた……


 そういうことで、この屋敷には沢山の書物がある。それを仕事以外の時間の全てを使って、読んでいるのがディルである。


 ハサはいろいろ暗躍しているみたいでわからん。この街の子供たちのヒーローらしい。本当に何をやっているのか疑問である。


「マスターは私たちを造ってから大変忙しかったと思います。先ほど残っている裏組織と言いましたが、ファベログさんが潰したのですか? マスターが行う時間がなかったと思いますが」


「はい、私がリッチとしての……カズシ様の強化によりノーライフキングですね。ノーライフキングとしての力を使い、壊滅させました」


 ノーライフキングはアンデットを使役する種族のトップ辺りの魔物のはず。リッチとはだいぶ離れた存在ですが、マスターは色々な事が出来るみたいですね。


「裏組織を潰すのは、やり過ぎなければいいことだと思います。ですが、私達が悪い人間であっても、危害を加えることを良しとしないのに、よくマスターから許可が出ましたね」


「いえ、この行為は無許可です。裏組織がこの屋敷に侵入できないと察して次に行う行動はわかりますか?」


「誘拐などによる交渉……それも無理ですね。ルキナ様はガンスさんが見ていて下さるので、問題ありません。まさか! ルキナ様のご実家の宿を襲撃ですか!」


 なんと! 私達ゴブリンにまで「見張りも大変だね。作りすぎちゃったから食べてくれ」と言って、様々な食べ物を差し入れして下さる、ルーマさんにそのような事をしようとするとは許せないな。


「その通りです。あ奴等は愚かにも、カズシ様のハーレムの一人であるルキナ様の実家を狙いました。私はとても小さいゴーストを生み出し、裏組織に偵察に行かせていたので、察知できましたが、今後も先手を打てるとは思えないので、速やかにこの街からご退場してもらいました」


「だから無許可でもその行動に乗り出したのですね。カズシ様の嫌がる殺しは最小限に抑えたと言うことですか」


「そうです。いくら悪者でもカズシ様はあまり好まれませんので、悪いことが出来ないように脅して放逐しました」


「なるほど、ありがとうございます」


「さきほど言おうとした話を続けますね。この屋敷に対する警備レベルを低くしても問題ない状態になりました。なので、皆さんはやりたい事をやっても良いとの事です。特にブロンズさんは、不安のある少人数パーティーやソロの方の救出などしていますね。カズシ様からその行動を優先していいとの事なので、そちらをこれからのメインの仕事にしてください」


「私はそれでいいのですが、ほかのゴブリンはどうすればいいのですか?」


「ディルさんは勉強するのが好きならそれをメインにして、時々ブロンズを手伝えとのこと。ハサは情報収集や裏のヤツらの悪事に介入をメインにしてもいいとのこと」


 ハサはそんな事をしていたのですね。確かスラリン様に影魔法を教えてもらったはずだ。それで隠密がさらに加速したと言っていたから頑張っていたのだな。


「それでハサとディルは少し時間を貰いたいのですが、ブロンズにはこの鎧とギルドカードをプレゼントします。これを着て、持っていれば、普通のゴブリンとの区別もできます。ブロンズは冒険者の救助実績があり、Sランク冒険者の従属魔物なので、ギルドで問題が起きてもこちらが悪くないのであれば、何とかなるように手続きをしておきました。ですが、スーマと商都以外のギルドの使用はしないでください。面倒が起こるので」


 と言って渡されたのは、赤い鎧上下鎧だった。剣は魔法を付加すればなんとでもなる。それでも何ともならない相手との戦いなら、マスターに武器を借りればいい。赤い鎧の背中と胸元に月に剣が書かれた新品。しかもこの鎧の素材は、


「これは……ミスリルを変色させた鎧ですよね? ゴブリンが反乱を起こしたら大変だから、ミスリル以上は使えないのでは?」


 いくらマスターが信用されても、その従属魔物まで信用されているわけではない。


「それは実績で問題ありません。ミスリル製の剣も注文していますので、待っていてください。盾はカズシ様が使っていた賢盾を使えとのこと」


 賢盾があれば、さらに防御が固くなる。マスターは盾を使わなくてもいいのだろうか?


「!! マスターに感謝しないといけないことがまた増えてしまいました」


「マスターも貴方の行動に期待しているということです。さらにここからはマスターには秘密の話です。スラリンの分体の手のひらサイズを常に持てとのこと」


「スラリン様が常に援護してくれるということですか?」


 もしそうなら、相当の戦力アップになるな。


「いえ、救助の際に回復薬だけでは回復しきれなかったり、すぐに帰還が必要な時に魔法を発動してくれるそうです」


「それでも、相当利便性が上がりますね」


「そうですね。カズシ様はあまり冒険者の横のつながりがありません。作ろうとしても、厄介ごとが押し寄せてくるので、そちらに掛かりっきりになります。それだといざと言う時に冒険者が支持してくれませんので、そういう繋がりはブロンズやルキナ様に持たせるための行動のようですね」


「分かりました。この鎧に恥じないように精進します」


「よろしくお願いします」


お疲れ様でした。


外出先で書くとうまく話がまとまらん。修正加筆するかもしれません。


次回、番外編第3話!ゴブリンの苦悩その2

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