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女神と夫婦になるために  作者: たつ
3章 狐の嫁入り
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第36話!さぼり

朝はノリで投稿したけど辛すぎ。予定があったからあれは夕方の投稿にする予定だったの忘れてた。


カズシ君がサボるようです。


では、お楽しみいただけると幸いです。

「あの、カズシさん。お願いがあります!」


 とりあえずルー神聖国の聖地(首都)ルーに行くことになった。本部があるのもそこだしね。数日進んだその道中、夜営の準備が終わり、飯を食い終わった時に、ガウェインからお願いをされた。


「なに?」


「修行……模擬戦の相手になってくれませんか?」


「……俺が異常なだけでお前らは強いよ?」


 不意打ちでも俺の腕を切り、俺が回復魔法を使う隙すら作らなかったからな。


「それは分かってます。だからこそ、俺達は調子に乗ってました。英雄と持て囃されて、Sランクでもあり、魔法を織り交ぜた近接で模擬戦ができるのは、アーサーしかいなかったんです。そこに2人でも敵わない人が現れて、友好的なら頼みたくもなります!」


 と言いながら、ガウェインは頭を下げた。アーサーも頭を下げだした。ていうか、熱心だな。


「別にいいけど、教えたりできないよ? ある程度力を抜いてやればいいかな?」


「「お願いします」」


「二人は本気で掛かってきてね。首と頭を狙うのは止めてね。回復魔法でもどうにもならないから」


「血液闇複合魔法【血液装甲:闇】【黒血浮遊鎖】」


 時間がある時に、回復魔法を併用してアイテムボックスに溜めている、俺の血を出して闇魔法の瘴気を纏わせる。


 今はクロスラリン憑依状態だから、闇を混ぜておいた。その方が操作がしやすい。


腕と足に黒い瘴気を纏った血を装甲化したのが前者。後者の魔法は俺の周りを黒い液体の鎖が浮遊している。鎖を飛ばして防御したり、攻撃に転用したりできる。そしてあともう少しで夜。俺の時間だ。


『クロ、自動的に魔法体になって、物理攻撃を無効化するのを解除しておいてね』


『怪我しない?』


『大丈夫だよ』


『わかった』


「準備できたよ。この戦いでは闇複合の血液魔法だけ使うから。いつでもおいで」


 といった瞬間に、二人は縮地で俺の目の前まできて、"顔面"に突きを放ってきた。その剣にはガウェインは火が、アーサーは風が付加されている。俺から見て左にアーサー、右にガウェイン。アーサーは右手に盾を持っていてる。


 その二人の突きを右に紙一重で避けたら、ガウェインの剣が爆発。爆発させたのかな? 血液を移動して顔面をガード。


 基本的に二人は俺の左右から挟んで攻撃してくる。


 俺はそれに対して、拳を相手の剣の腹を殴ることでずらしたり、避けたりしながら、足で攻撃したりする。


「なんで二人で挟んで攻撃しているのに余裕そうなんですか!」


「俺の方が速度が早くて、反射速度も早い。お前らは合計して剣が2本で殺す気がない。俺も今回は腕が二本ある。まあ、負けないだろう」


「それでも掠りすらしないのはおかしいと思います」


 確かに1秒の間にこいつらは何回も俺を切りつけてきている。それを全て完璧に防御してるとか、人間としておかしいな。まるでファンタジーだ!


『ファンタジーだけどね、この世界は』


スラリンは一々俺のどうでもいい思考にツッコミを入れないの。


「おしゃべりはいい。次は俺の周りで浮いている黒血が攻撃を始めるから、避けろよ?」


 二人が切り下ろした後や切り結ぶために、一歩出たところとかに血液の針を出現させる。それを何度もやっているうちにわかってきた。


「ガウェインは攻撃はいいけど、防御が雑すぎ。いつもはアーサーが守ってくれてるんだろうけど、それじゃ俺に瞬殺されるな。逆にアーサーは防御はなかなかだけど、攻撃の意識が弱い。ガウェインに任せているのだと思うけど、それじゃ俺に瞬殺されるな」


「じゃあどうすればいいんすか!」


「お前らは互いの動きって理解してるよな?」


「してますよ」


「してますね」


「なら、ガウェインが盾を持って防御役をやって、アーサーが攻撃役でもやってみれば? なにか見えるかもよ?」


 なんて、割と適当に言ってみたら、二人からしたらいい案だったみたい。


 2人に役割の逆の動きをさせながら、やっていたら夜になった。


 その瞬間、俺の力が全て勝手に抜けた。


「え?」


「あ!」


「やべ」


 俺、アーサー、ガウェイン。今までの普通に動いていたのに、いきなり俺が体の力が抜けて倒れ出したことにより、二人の斬撃を腹にモロ食らった。


『させない!』


 ように思ったら、スラリンが血液を移動させて、装甲化させて吹っ飛ぶだけで済んだ。


「受身取れなかったから、背中打ったし。あー、力が出ねえ」


 そうなのだ。夜になった、正確に言うと月の権能が発動したタイミングで、力が全く入らなくなった。


「大丈夫ですかー」


「いや無理、動けねえ。てか、力が入らねえ」


 うぬ、叫ぶことすらできないのか。


『スラリン、クロ。なぜ俺が動けないかわかるか?』


『うちはわからない。もしかしてうちと長時間憑依してたせい?』


 目に涙を貯めて、泣き出しそうな雰囲気が感じ取れる。これはまずい。


『いやいや、それは関係ないと思うよ?』


『関係ない。カズシ、私がカズシを包んで、パワードスーツみたいな感じに無理やり動くから、月を見てみて』


 服の下にスライムが薄く膜を作り、体を無理やり動かしてくれる。今はスラリンも憑依しているから、スライム体がくっついていない。いつもスラリンがくっ付いている感覚があったから、物足りない感じがする。


「あ」


 月がみえない。正確に言うと新月って言うんだっけ? 月が全く見えない。でも、見えないからってなんで俺が動けなくなるの?


『理屈はわからないけど、月が視覚的に完全に隠れると、いつもとは逆で全く動けなくなることがわかった』


『だね』


 これは敵と戦っている時じゃなくて良かったわ。魔法を使おうとしても、魔力が全く変換できないから使えない。体も動かない。


「アーサーとガウェイン。まず、俺は月によって強さが上下するんだよ」


「はぁ」


「今日は月が見えないだろう?」


「はい、今日はそういう日みたいですね」


「そういう夜は一切魔法も使えないし、体も動かせないみたい」


「でも、今立ってるじゃないですか」


「これはスラリンが無理やり立たせてくれた。喋ることと考えること以外は何もできない」


「なら、模擬戦は終わりですね」


「すまんな」


「いえいえ、なんか掴めそうな感じなので二人で考えてみます」


「二人で同じテントだからって外でやるなよ」


「やりません!」


 待てアーサー、その拳は今の俺にはとても効く。二人のテントに帰っていった。


『ねえ、カズシ』


『なんだいクロ?』


『カズシはアイテムボックスに入っている、家を取り出して、ベットを置いて寝てたよね?』


『ああ』


 俺はテントなんてものは持っているけど、土魔法で作った岩の家に結界で内部の温度を快適にして、ベットを出して寝ていた。


 ガウェイン達は最初は中に入れてたけど、イチャイチャイチャイチャうるさかったから、出した。


『全く動けないって言ってたけど、アイテムボックスの出し入れも出来ないの?』


『……ああ』


『地面にこのまま寝っ転がって寝るのはいやー』


『どうしようね』


 本当に何もできない。そして、いつもは眠くならないのに、とても眠い。


『やっぱりスライムは最強ね』


 それはスライムのセリフではない。


『私の体の一部をスライムベットとして維持してあげる。周りの温度も適温にしてあげるから寝なさい』


『まじルナよりも女神だわスラリンは』


『ふふふ』


『お休み』


 こうして倒れるように寝た。次の日。


『体が動かない』


 夜は終わって朝なのに動かない。


「いつも通り移動して構わない。私とクロでいつもと同じ感じに、飛行してついて行くから」


「なら、カズシさんをお願いします」


「任された」


 なぜ、スラリンが二人と話しているか? 喋ることすら出来なくなった。念話なら出来るだろうけど、この二人にマップ機能のピン立てをしてないので、出来ない。スラリンみたいに自力で念話の仕方を編み出しておくんだった。


 俺とスラリンとクロが喋れているのは、憑依して同じ存在になっているから、考えれば相手に伝わる。アイテムボックスも使えないし、念話も使えないのかもな…………使えなかった。


『そんなに落ち込まなくてもいいよ? うちが今日は何でもしてあげるからね?』


 その言葉を今言われても、なんとも思えない。


『重症』


 この日は全ての世話をスラリンとクロにやってもらった。そう全てである……もうお嫁さんに行けないシクシク。次の日、聖地(首都)ルーに到着した。


「カズシさん。なんか初めは笑ってすんませんでした。なんか見ていたらとってもなんでしょう……すみません」


 謝らないで、意味もなく謝らないで! 周りからは普通に動いているように見えるけど、念動魔法で操り人形みたいになってるからね。宿について、2つ部屋を取り(二人が)


「俺達調査に行ってくるんで、カズシさんは治るまで休んでいてください」


『すまんな、ありがとって伝えて』


「すまん、ありがとうだって」


「わかりました。では行ってきます」


 はー、まじ辛い。何もできねえし。本当にすべての世話をやってもらっちゃっているし。ミアとかフィーネとか連れてこなくて本当に良かったわ。恥ずかしいことは恥ずかしいのだけど、クロもスラリンも憑依したからか、自分のように感じられるからもう慣れた。


 クロが台所を借りて、作ってくれたパンのミルク粥がとっても美味しかった。クロは料理も家事も基本的に何でもできるみたい。前に作ってくれたチョコも少しずつ組み立てていったらしい。


 そしてもっと驚いたのが、人間形態のクロの姿が凄かった。俺の予想では、小さくて、眼帯をつけた貧乳かと思っていた。しかし、黒髪ロングの巨乳で高身長のゆるふわお姉さん的な見た目だった。眼帯つけて中二発言だけど、それも相当弱くなっている。台所を借りる時とか、買い物の時とかはしっかりとしていた(スラリンの視覚? と俺の視覚をリンクさせて見ていた)。


 おかしい。何故いつもあれをやらないのか。正直惚れそうだった。スラリンに腹パンされたおかげで惚れなかった。痛い。『弱っている時に優しくされたら、コロっと言ってしまう現象と同じ』とかスラリンが言ってたけど、きっと違うだろうな。


「カズシ、お金はアーサーさんに借りたので、後で返してくださいね。ふぅーふぅーアーン……お粥どうですか? おいしいですか?」


 こんなん狡いやろ! その日の夜。通訳はクロにやってもらっている(人間形態のまま)。


「調べているんですけど、特に怪しいところはないですね」


「軽く調べておかしい所がないってことは、内部の深いところで何かあるんだろうなだそうです」


「そうですね。私達ですと、精霊化して無理やり壁などをすり抜けて、調査出来ますけど、見られたら即アウトなのでやりたくないですね」


この二人は隠密がそこまで高くないのだろう。


「カズシが治ったら、私との憑依で闇に紛れて潜入を行うから、別のことをやってくれだそうです」


「わかりました。その……大丈夫ですか?」


「太ももが気持ちよくて、大丈夫だそ「そんなことは言っていない」」


 今の俺の体勢は、クロの膝枕で寝ている。通訳する方がこれをやる権利があるらしく、どちらが膝枕をするかはじゃんけんで決めた。相手の手の動きをギリギリまで見て手を変えるじゃんけんの勝者がクロだった。最後の最後で闇を出して、読めなくしたのが勝負の鍵だった。否定に入ったのはスラリンです。次の日。


『二人は今日も情報収集に行ってくれて、俺は寝てるとか嫌だだな……スラリン手伝って』


『もちろんよ』


『うちも手伝う!』


『クロは俺の世話をよろしく』


『わかっ……我に任せよ』


 見た目ゆるふわ?お姉さん形態になってから、中二病が治りつつあるのはいい事だ。喋るのが楽でいい。今は喋れないけど……


『スラリンはいつも使ってないスライムボディーは別空間に収納してたよね?』


『なるほどね。そういうことか』


『できる?』


『憑依状態の方が楽だから、クロ』


『我の出番だな!』


『『憑依!』』


 スラリンの普段は使ってない、スライムボディーの一部を切り離して、小さいネズミの形にして、クロの闇影複合魔法【闇とともに】で闇から闇へと動けるように、影の中に入れるようにして、教会本部の中に何匹も作ったネズミを侵入させる。操作はスラリンがしていて、視覚は俺にも繋いでくれている。


 さすが現最大宗教の総本山なだけあって、結界魔法もしっかりしているけど、影から影へ移動するスライムネズミの敵ではなかった。


 内部をいろいろ調べた。




お疲れ様でした。


クロの弱点は中二的なセンス(普通のセンスも兼ね揃えている)と中二的な喋り方(今回でしっかり使い分けられることが分かった)です。スラリンはあまり料理はできません。


クロが好きな理由の一つ、ギャップ萌!


次回、第36話!教祖レスタル

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