第32.5話 狐の独白
やっと帰ってこれて新宿についたのが10時。家に帰ってきて充電をしながらなんとか書けた。だからきっと内容がひどい。
はい、言い訳です。
お楽しみいただけると幸いです。できるのかな?
私は金狐族の出のホムラと言います。私がカズシの嫁になるまで……フフフ、お嫁さん……嫁になるまでの話を簡潔に説明していきたいと思います。
私は人間換算で10歳くらいの時期に、故郷の朱き社を出てきました。私の街には大きな赤い社があったので、いつの間にかそれが街の名前になったそうです。
故郷を出て大陸についたら、まずはひたすら西に行くことから始まりました。大陸の南東の国はルー神聖国といい、人間至上主義を掲げている国なので、すぐにルー国から東に行ったところにある、ブルース帝国まで行くことにした。その帝国は亜人も獣人も変わらず市民権を取得できる多種族国家だから、私でも住みやすいと思ったから。
私には天性の火魔法の才能があり、魔法の制御も得意だったので、帝国の商都についたら、すぐにギルドに登録して働きました。
朱き社での正装である、神官服は可愛いのですが、如何せん目立つし、エロい目で見られるので嫌だった。でも、これは魔法によって編み込まれた服なので、そこら辺の鋼の鎧よりも強い。それに魔法媒体の実家の宝剣による装備アドバンテージでどんどんランクを上げていきました。
Dランクまではソロだったけれど、たまたま依頼がブッキングしたパーティーと共闘した時に、やりやすかったので、そのパーティーに入ることになりました。そこに元々いた銀狐族の女性の銀と私の金で金銀狐というパーティー名に変更されました。それをしてくれた時はとっても嬉しかったです。
このパーティーの中で、一番早くCランクになった私を、みんなで祝ってくれました。この時はとても嬉しかった。けれど、悪夢《決闘》の始まりでもあったのです。
私は金狐族の中でも特に容姿も優れています。そのため求婚してくる方々は数多いたので、いつも通り冒険者を理由に逃げればよかったのです。それなのに昇格のお祝いで酔っ払っていい気分だった私は、結婚を掛け金に決闘を申し込まれて、戦ってしまいました。それに勝った後にさらに調子に乗って、私に火魔法で決闘に勝てない軟弱者に私の処女をあげる! となった。
それを契約書で解除のルールもつけずに、適応されてしまったのです。その時の私を殴ってやりたい気もしますが、圧倒的強者であるカズシに捧げられると考えれば良かったのかな?
私はその時は何も考えてなかったけど、その後に軽く絶望しました。冒険者で魔法使いの人は全体で1割いません。しかも、火魔法が得意な人は4分の1くらいです。
貴族が召し使えていたり、貴族自身が魔法使いだという人が沢山います。そのせいでキモイ貴族や私を奴隷扱いしたいくそ魔法使い共がこぞって来ました。
それはもう必死でした。必死になって強くなり、魔法以外にも棒術を覚えたり、風魔法を覚えて火の威力を上げたり、水魔法を覚えてその本質を理解したりなど。ありとあらゆることを学んで戦いました。結果、望まない結婚をしなくてすみました。
そのあたりで、金銀狐の中でカップルができました。人族同士で年齢も近いしいい感じのグループで素直にお祝いができました。二人目のグループ複雑な気持ちもあったけど、気持ちよくお祝いができました。
その後くらいに、ガウェインというSランク魔法剣士が私に挑んできた。ガウェインとアーサーといえば、多大な集中力を要する魔法を詠唱しながら、剣術を操る凄い人です。そんな人が私に結婚を前提に決闘を求めてきた時は嬉しかった。本当に嬉しかった。これで勝ち組に私もなれる……と思った。けれど、ガウェイン君はノリノリだったけど、それを見ているアーサーちゃんの目を見て勝たないとと思いました。
アーサーちゃんはツンデレちゃんでした。ツンデレというのは故郷で流行っていた恋愛小説のヒロインがよくなっている、病気のようなもの。それがわかった私は、決闘前にアーサーちゃんに色々聞いて(教えないとあなたの気持ちを教えちゃうよと交渉)、なんとか勝てました。
その時に左手の甲に消えない跡ができたけど、今までの人生の中で一番苦戦した戦いだったから、悪くないと思いました。カズシの妻になった後日、それを話したら一瞬でその傷跡を消してしまい、独占欲の強い殿方なのだと濡れました。え? そこは引いたりするところじゃないかって? それだけ愛されているということだろうが! 文句があるなら出てきなさい!
その後は雑魚どもを誘導型火矢で撃退するだけの簡単な決闘をしていたところで、パーティーの最後の奴らが結婚しやがった。いや、いいのよ? 別に……お祝いもしますよ? でもね、私が1人でノリで結婚決闘を決めたわけじゃないのね? 仲間が煽ったからやったのね? それなのになんなの? え? 先の二人の妻が妊娠したから、パーティーは解散? 別にいいですよ? 英雄と呼ばれ始めたガウェインにすら勝てる私ですし、パーティーなんて入ろうと思えば腐るほどありますから。でもね、それでもね、置いて行くのはひどいと思うんだ。お前なら結婚できるとか、いい人見つかるとか、いろいろ言ってます。けどね、この大陸の4大大国の王国、帝国、神聖国2つの中で火魔法で最強は私なのよ? 決闘で本気出さなきゃ死んじゃうから本気出すけど、最強が初手から慢心しないで本気だとか、勝てますか? 勝てませんよね? かの最古の王にして、この大陸の悪古龍を討伐した、大英雄でみんなが知っている勇者大王様だって、決闘で負けたのは手を抜いていたり、弟子のために一定まで落としていたり、慢心したりしない限り負けなしなんですよ? それなのに最強の異名を持つ私が初手から誘導型火矢を何十個と展開して、防げたのはガウェインだけ。そのガウェインもアーサーちゃんの好意をやっと分かって結婚して、挨拶までしてきた。その時のガウェインは殺したくなったけど、幸せオーラを出している新妻感が溢れている、アーサーちゃんがいたから素直にお祝いを述べたわよ? なんどお祝いをすればいいの? 私もSランクになったから、この国ではすごい高い地位を得ているから、貴族の結婚とかは立ち会ったりしてるけど、その度に二つ名が増えて最近では、孤高の金狐とか、孤独のホムラとか言われてるのよ?
んんっ……ちょっとだけ愚痴が出ちゃったわ。そんなこんながあった。それで今回はゴブリンの大群の殲滅でしたっけ? それに対して構えていたら、スパゲティーという名物料理を出す店がある、スーマの街で炎狐の使い手だの、最強の火魔法使いだの言われている人が出てきた。
その人の詳細を知った夜は嬉しさのあまり、元金銀狐のパーティーの子供の名前の候補を頼まれてたけど、嫌がらせだと思い放置していたそのお願いに対して答えた迄ある。ちなみに何も無い時にそれを頼まれた場合、傷が残らないように火で炙って拷問するまである。
カズシとかいう、ぱっとしないハーレム野郎との決闘が始まった時は、とても落胆した。詠唱をしないのですもの。口の中でやっている訳ではないのは、魔力を見ればあきらか。
そんな失望をただの1発、拳の一発で粉砕してくれたのが、我が夫カズシ。
なんと私のコボルトキングですら、一撃で消し炭にした【アルティメットフレイムボール】をただの拳で粉砕して、更に私の変換して霧散した火魔力を集めて、それを打ってきたの!
それを見て、私の女としての部分が完全に屈服したわ。それはメロメロよ。この雄に従わないでなにになる! と金狐族としての感覚がそう告げていた。こうして私はやっと結婚できるのでした………………結婚出来るのよね? 出来るよね? できる! 大丈夫。
お疲れ様でした。
前々回の内容が多分に含まれていたので、わりと読み飛ばし出来てしまう回でした。
金狐族の特に女は、結婚する時の条件をつけることが多いです。相思相愛の時は甘い条件だったりする訳ですが、最強候補が決闘でなんてことは金狐族ではホムラを除いて、1度しかありません。設定だけどね
次回、第33話!英雄と聖剣




