第30話!狐、参上!
新章です。
新キャラのプロットはお姉さんキャラです。
誤字脱字は帰ったら直したい。
では、お楽しみいただけると幸いです。
「いやー、すまんすまん」
俺はゴブリン大襲撃の次の日、教会にきていた。もちろんルナ達と話すためだ。
教会でルナを呼んでみたら、転生前にルナとアルミエとあった場所で起きた。色々あったのになんで来てくれなかったのよ! と泣きじゃくりながら怒ってきたので、冒頭のセリフを言うことになった。
「上から見ることは出来るけど、声とかは聞こえないから寂しかったんだからね!」
「そうだったのか。なんかスラリンと喋ってるみたいだから、常にそばにいると思ってたわ。なら、スラリンとはどうやって喋ってたの?」
さっきまでの顔は何だったのかと思えるような変わりっぷりで、顔を背けて口笛を吹いている。なんかダメな方法でも使ってるのか? てか、口笛吹けてねえし。
「カズシが寝てる時に、そこに降臨しに行ってるんですよ」
「あ! ちょっとそれ不味くない? 言っちゃまずくない?」
「大丈夫ですよ? 人などには見つかってはいけませんが、魔物に見られても大丈夫。その事実を後から聞くぶんには問題ないはずです」
「いやいやいや、ダメでしょ?」
「カズシだから大丈夫だったはずですよ? 神の力持っているので」
「うん、理解したわ! たしかにそれなら大丈夫だったわね」
主神の方が分かってないって大丈夫か? ルナは優秀な神だったはずなんだがな……
「俺はその話を覚えてても大丈夫なの?」
「大丈夫なのよ、問題ないわ」
「ルナ様はカズシに言わないといけないことが、ありませんでしたっけ?」
「え、ええ。あるわよ?…………えっとね。カズシのことを見すぎて、各地のパワーバランスが崩れちゃって、どんどん事件が起こると思うの。ごめんね?」
「その事件っていうのは、権力とかで無理やりとかそんなんじゃないよな? 魔物的な奴だよな?」
「詳細は分からないのよ。魔物関係は私は見えないから。でも、力が集まったり、地形がわかっているところでは、何も見えなかったから魔物関係だと思うわ」
見えないからこそね。権力でうんぬんをしてくるなら、後ろ盾が必要だからな。俺は権力を持つ気はありません。(Aランク冒険者)
その後は雑談したり、なんか色々して時間が経過した。あの話を聞いてなかったからしておこう。
「あっ! そう言えばさ、なんで俺はあんな風に暴走したかわかる?」
「月が赤かったやつよね?」
「ああ」
「まず、月の権力をカズシにあげちゃったから、まともに私が見ることが出来ないのよ。それでも予想はできる。夜に魔力が使い放題は特に問題は無いんだけど、魔物の強化とかしたじゃない? あれは不味かったのかもしれないわね」
「曖昧なんだな」
「神なんて沢山いるから分からないわ。ちなみにカズシはどんな奴から簒奪したの?」
「マール。月の神マール。悪神マール」
「最高神様が手こずっていた相手ね……ごめんなさい、この話はしない方が良かったかな?」
いきなりどうしたんだ?
「今のカズシの顔はすごい怖かったですよ。ルナ様でもちびるくらいでした」
「リルヒみたいに、そんなしょっちゅうチビらないわよ!」
リルヒ……君のあれは覗かれていたみたいだよ。
「いや、大丈夫だ。あと最高神に対して、様付なんて不要。今までの会話だって盗み聞きしようとしてたくらいだからな……なあ? 最高神のじじい」
ルナのこの場所に入ってから、最高神のじじいが盗聴しようとしていたので、神の力で消音結界を貼らしてもらった。地上では神の力の直接行使なんてしたら、まだ体が弾け飛ぶだろうけど、ここなら大丈夫。精神体だからね。
『ハハハハハハ! やはり気がついていたか! すまんすまんちょっと気になってな』
「うるせえハゲ。俺が世界を救って、悪神倒したのにほぼ無報酬で帰したのは思い出したんだからな」
『おいおい、俺は仮にも最高神とか言われてて、最高位の神の1人なんだぜ? それをそんな言い方するとかバチが当たるぜ?』
「すべて思い出したって言ったよな? 強奪したほとんど力は使えないし、前の力もまだ戻ってないけど、少ししたら俺はお前を殺せるくらいまでは強くなれるんだぜ?」
『ほう、俺を殺すか……神殺しの力を失っているのに、俺を殺すか』
「ルナ少しいい? ちょっとこっち寄って」
「ん? なに?」
警戒もしないでテコテコ歩いてきて、俺の目の前まで来た。そんなルナに対してデコピンをちょっと本気でやってみた。
「イッタアアアアアイ……え? なにするの? 私はカズシのお嫁さんだよ? え? DV?」
「あのーカズシ?」
ルナに説明しようとしたら、アルミエが前まで来ておでこを出してきた。
「どうした? なぜおでこを出している?」
「好きな相手にデコピンをする性癖があるのでしたら、どうぞ?」
「いやいやいや、そんなのないからね? 神殺しの力があるか確認しただけだからね?」
「なるほど、してもいいですよ?」
「だからって、何も言わずに私にすることないじゃない!」
「リルヒみたいな扱いをした方がいいのかなって思って」
「私はMじゃない!」
「リルヒも別にMじゃねえし」
『あーイチャラブするのはいいんだが、お前は今さっきなんて言った?』
「イチャラブしてんのにそれを遮るとか「恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ね」という名台詞を知らないのかよ」
『その特徴的な語録は知らん。その言葉は知ってるが、馬に変身したポセイドンを引用するのは初めて聞いた気がするぞ?』
この喋り方を語録なんて言ってる時点で知ってるということがわかる。
「てめえを殺すならそんくらいの馬じゃねえと無理だろうが」
『ハハハハハハ! 馬ごときに蹴られて死ぬような神してないわ!』
「言ったな? 俺が神になったら覚えてろよ?」
この神界に繋がっていた、最高神との繋がりを無理やりちぎった。
「最高神様があんなにフレンドリーなの初めて聞いたわ」
「私もです」
「そうなの? まあいいや。向こうの時間も時間だから行くわ」
「次は短いスパンできてね?」
「私もカズシとお話するためにルナ様にどんどん仕事をやらせますので、いつでもどうぞ」
「おう、またな」
俺が教会に戻ると、もう外は火が沈んでいた。教会の中で透明化して、屋根に張り付いていたから、不審がられていないので大丈夫。
そんなことなで何日か休日を過ごし、冒険者の依頼でも受けようかな?と思ってギルドに来た。今日はリルヒとクロが一緒で、ほかはハンモックで寝ていたり、お菓子を食べたり、ランク上げに朝早くから依頼を受けに行ったりしている。
「おはようございます! カズシさん」
「おう、おはよう。屋敷でも挨拶したけど、形式的にしたのか」
「はい、そうですね」
おうおう、敢えて行ったけどファンクラブの方々から、殺意が上がっているねぇ。ルキナは最近はさらに綺麗になったからな。
「まともに依頼を受けてないから、なんか受けようと思ってきたんだけど……なんかある?」
Bランク以上で難易度が高いものは、ギルトの依頼掲示板には貼っていない。ギルド員がその人の実力で適性依頼を教えてくれる。
「そうですね……これな「炎狐の使いとかいう奴はいる!」」
二つ名で呼ぶなよ。てか、人関係はめんどいからな……どうしよう?とりあえずスキルの【隠密】で気配を消しておくか。
「おい、また綺麗なねーちゃんが最強の炎使いのところに行くのかよ」「いやいや、あいつって炎の狐じゃねえの? 全てを燃やし尽くす火使いとそういう関係じゃねえだろ」「あれ? 獄炎はさっきあそこにいなかったか?」「炎の担い手のやろう逃げやがったな」
こいつら後でボコる。俺が二つ名で呼ぶな。そういうのは好きじゃないって言ってから、炎とか火関係の中二ネームな二つ名で呼びやがる。
「なんだ? まーたカズシ君に馬鹿な依頼をしに来た貴族かい?」
また、俺関係の騒ぎだと決めつけて、奥からギルド長が出てきた。俺は悪くねえ!
「あれ? ガンスさんってここのギルド長だったんですか?」
「おお、紅蓮の炎狐である、ホムラ君だったか! 結婚はできたかね?」
「うるさい! ガンスさんまでそんなこと言い出すとか、何なんですか? イジメですか? 」
「ハハハ、ホムラ君に会ったらこうやって挨拶をしろとあいつが言ってたんでね」
「ハーレイルさんはまた今度焦がします」
「カズシだったね? ルキナ君は……リルヒ君。そこにカズシはいるのかい?」
あーあ。ルキナに聞こうとしたら、カウンターから人一人分ほどずれた所にいるリルヒが気になって、そんなことを聞いてきたよ。
『カズシ……言っていい? お仕置きしない?』
いやー、お仕置きなんてしてないですよ? ベットの上で幸せな気持ちを連続で何時間も味合わせただけで、俺は何もしてませんよ?
「はー、ギルド長なんすか?」
「やはりそこにいたか。偵察系統のスキルを持ってないから、あまり分からなかったよ」
盾職をしてたガンスにはなぜかあまり隠密が効かない。認識できていないくせに、俺にいきなり話しかけたり、先生をよく打たれたりする。
「あなたが炎狐の使い手カズシね! 私はSランク冒険者の魔法使い、ホムラと言います。私は貴方に決闘を申込みます」
ホムラという、160後半で金髪の黒目のあれが大きい狐獣人。長い髪は先で一つに結んでいて、?マークのような大きな杖には、これまた大きな火属性の魔核のようなものが、取り付けられている。それをこちらに向けて、決闘とか言ってきた。
この世界はデュエリストが多すぎ。
お疲れ様でした。
プロットはお姉さんキャラだった……ガンスは何を言っているんだ?
ネタになってしまう。
次回、狐、決闘!




