第29話!後日談と各所の動き
ゼロ使タバサ√ss読みながら書いてた。
タバサは女王になるからロリコンではない(錯乱)
今回でこの章が終わります。
では、お楽しみいただけると幸いです。
暴走はスラリンの憑依によって収まった。でも、スラリンはいつもよりも小さいし、弱々しくしか動いてない。
「スラリンいつもよりも動きが弱いけど……」
「そんなことはない。逆に目標が達成できたから嬉しい」
「だったら、何でそんなに弱ってるような感じなんだ?」
「憑依出来たけど、分離する時にあらかた魔力を持ってかれて、自分で吸収できない。ただそれだけ」
ん? 人型でもないのに普通に喋ってないか? 後魔力も流したら、いつものサイズに戻った。
「スラリンはその姿でも喋れるようになったの?」
「精霊はサーチで見てもレベルも潜在も出ない」
確かに精霊は○○の精霊としか出ない。それがどうしたんだ?
「精霊は宿主、契約主が強ければ強いほど真価を発揮する。私自身にはレベルはあるけど、憑依できた。その結果カズシのレベルと同じだけ上がった。レベルが上がったから魔法で喋るという無駄をする余裕が出来た」
スラリンは50レベルになっていて、スキルは格闘以外の全てのスキルが、軒並みスキルレベル7になっていた。すげえ成長したな。
「ちなみに目標ってなにか教えてくれるの?」
「人間の構造を完全に理解した。カズシは男だけど女でもあるから、これで愛し合える」
スラリンにそういうことを言われたことなかったから照れるな。男なのに女? 勇者の時に色々取り込んだ弊害かな。
「次は私の番。もう月の汚染は大丈夫みたいだけど、本当に大丈夫? 炎狐より前のことは覚えてる?」
「汚染はもう大丈夫。なんで月にあんなにやばい物が溜まってたのか分からないけど、当分は大丈夫なはず。吸血鬼の時のことは、体を乗っ取られてたけど、見えてた」
「カズシは私に感謝すべき。暴走が始まった時に外壁に沿って結界を貼った。そのおかげで中の人たちはカズシの暴走がほとんど見ていない。見ていたのはカズシの女だけ」
「ありがとうスラリン」
スラリンは全身を赤くして(スライムだけど)定位置に入っていった。恥ずかしがるなんてなかったから、本当に成長したんだな。
「カズシ様……」
ミアの恐怖が混じった目が辛い。
「すまん。心配かけたな! もう大丈夫だ」
ミアとフィーネが抱きついてきた。フランはすげえすげえいいながら、肩を叩いてきた。リルヒがなんか変だ。何かブツブツ言っている
「私のせいだ私のせいだ……」
うーん……吸血鬼に乗っ取られたのは、権能の暴走のようなものなんだけど、自分のせいにしてるなこれは。
「さっきのはリルヒのせいじゃないからな」
「嘘なんていらないわよ! だって私が助かるために血を吸ったかイタ! 何お尻叩いてるのよ!」
「うるせえ。お前のせいじゃねえって言ってんのにネチネチするな。持っていた力が暴走して、俺の中に封印していた吸血鬼が表に出てきただけ」
「だったら、俺ごと消えて無くなれとか酷い顔で言ってたのはなに?」
「昔の忘れていたことを思い出して、軽く絶望してただけだ」
「でも」
「でももくそもねえから。あんまうるさいと今日はいじめ抜くよ?」
なんか後ろで叫んでるけど無視。
『ライ、クロ、フウは大丈夫だったか?』
『何が起きたのかわからなかった!』
『暗くて怖かった……闇の姫であるうちは問題なかった』
『なにかに覆い隠されて何があったのかわからなかったよ』
話しかけな順に答えてくれた。悪影響がなかったのならよかった。ていうか、クロは闇の精霊姫とかいう奴なのに、暗いのが怖いとか……可愛いな!
「じゃあ戻るか」
(いくら私が憑依して適応させたからって、それは一時的だし対応が普通すぎる。なにもなかったみたいに思える)
戦闘はほとんど他人事みたいな感じだったから、その後の方が大変だった。
まず、魔物の痕跡が全くない。乗っ取られた時に馬鹿をして、全てを消したみたい。残ったのは龍系統魔法で消し飛ぶそうだった、レジェンドゴブリンの魔核をスラリンが転移の引き寄せで、確保してくれたもの以外の痕跡は一切ない。
でも、確かにそこに大群がいたのは確認されているし、スラリんが貼った結界は街を覆ったわけではなかった、それで炎狐を見られていたので、あの魔法で全てを無に帰したということにした。
そのせいで炎狐の使い手とか、最強の火魔法使いとか恥ずかしい二つ名がつくことになった。
ギルド長が推定で魔物の数を計算して、後で報酬を出すと言ってくれたのでおまかせ。レジェンドゴブリンの魔核は一時提出。
精神的に疲れたので、ギルド長室から直接転移で屋敷に帰った。その日の夜はスラリンに搾られた。
数日後の商都の冒険者ギルド
「いやー凄かったんだぜ」
「またその話かよ」
「あんな凄い火の魔法なんて初めて見たんだって」
私の耳に凄い火の魔法という言葉が聞こえてきた。
「ねえ、あんた」
「んだよ?……ヒィ! なんでしょうか」
「さっきああなたが言ってた、凄い火の魔法について教えてください」
洞窟のようなある場所
「グウオオォォォォォォォォォォォォォォォォ」
黒い龍が雄叫びを上げる。
ある山奥の屋敷にて
「…………汝、神から逃れ永遠を生きしものよ。死者の王よ! ノーライフキングよ! 我と契約結ばん」
黒いローブを被った男が夥しい数の死体に囲まれて、ある召喚儀式をしている。
「私を呼び出したのは汝か?」
そいつが現れたことで周囲の動植物が死滅した。
ある建物にて
「フフフ、ハハハハハハ……これで我が神をお呼び出来る。ああ、ルー様。貴方のためにこんなにも沢山の生贄を用意したのですよ……楽しみだ」
白いローブを来た男が、エルフや獣人など人間以外の死体を磔にして笑い続けている。
ある城にて
「王子の成人式が迫っているのですよ! そこ! 止まってないで動きなさい!」
「チッ! いくら冒険者の英雄共が作った国だからって、式典とかで一々冒険者を使わないといけないのは、冒険者どもがつけあがりそうで嫌ですな」
「全くです。戦うことしか脳がない癖に、貴族の我々と同じ場に出るというのが気に食わないな」
「そうですな。平民上がりを高ランクにするギルドもギルドなんですよ」
「素敵な殿方。少しよろしいですか?」
とある神界にて
「やべー。やっちゃったわ。いくらカズシがいるからって魔素が変異種に集まりすぎでしょ。制御もなんか効かないし」
「ルナ様は次回カズシにあった時、自分から誘うの禁止ですね」
「ええええ」
ある異世界にて
「もっと、もっと! 混沌とするように頑張らないとね」
ある場所
「無茶しすぎ」
お疲れ様でした。
本当はある勢力がもう一つあったのですが、ほかによって潰されました。だからその勢力となら苦戦できるかも。
誤字はのちほど修正。まだ1度しか読み返してないからね。
次回、第3章! 狐の嫁入り




