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女神と夫婦になるために  作者: たつ
2章 紅月の夜の暴虐
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第28話!スラリンと紅月の夜の悲嘆

殆どがスラリンの話になってしまった。主人公とかスラリンはパワーがインフレしているから、決着はすぐについてしまうこんな事になった。


では、お楽しみいただけると幸いです。

 スラリンはスラリン……カズシ達の話し方で言うと、私はスライム変異種で名前はスラリンという。カズシがつけてくれた私が私であるための鎖。


 スライムという魔物は魔物の最弱筆頭。木の棒では倒せないけど、鈍器で叩き潰したり、松明で消滅させたり、下手したら何度も踏みつけられるだけで死ぬ。


 一部のスライムは属性を持ち、その魔法が使える。しかし、その属性と逆属性のもので簡単に死ぬ。火属性のスライムなら、水をかけられれば消えるし、風属性のスライムなら土や砂をかけられれば死ぬ。


 私はその中でもさらに特殊で、スライムの変異種として生まれた。変異種は知性を初めから持つことが出来る。その知性で人間やゴブリンなどに挑むことをせず、同種のスライムを消化したり、寝ているラビットを溶かしたりして、強くなっていった。


 知性を持つ故に死への恐怖もある。そのおかげで慎重になり、相手の力を見定める目(目なんてないけど)を持つことができ、ヘタを打たずに生きていた。


 ある時、この辺りでは見ない圧倒的存在感を放つ生物が近づいてきていた。いつもなら草むらに隠れたり、穴に隠れたりする。その時は、なぜその存在の前に姿を出したのか、分からなかったけど、きっと人間達の言葉でいう運命だったのだと思う。


 カズシとの出会いは運命であり、必然だと今は思っている。


 カズシに張り付き、魔力を貰うようになってからどんどん頭が良くなっていった……頭はないけど。魔力によってレベルが上がったからなのか、それともカズシの魔力自体がそういう効果があるのかは、分からないけど様々なことが分かるようになっていった。


 人型にもいつの間にかなれるようになったし、魔法もいろんな種類を使えるし、魔法を併用すれば普通に話せるようになった。


 カズシは色々な事を教えてくれた。この世界、星が丸いことや海の存在。人間の体の構造やなぜ星は丸いのに私達が落ちないのか。人間の使う数学だって分かるようになった。その中でも、カズシの世界の物語に出てくる魔法はとても興味深かった。いろいろ再現もした。


 カズシがミアとかと行為をする時にも様々なことを学んだ。それを学んでから、スラリンは私になり、雌として女として精神や意識を成長させるように意識し始めた。いつかはカズシの子を孕むことを目標にしている。


 その辺りでルナ様とも話すようになった。しかも、魔物である私と友達になってくれた。嬉しかったけど、ルナ様はボッチという奴だったみたい。


 ルナ様にも色々な事を聞くようになった。魔力というのは魂から漏れだした力の一端。カズシは月の神でもあるから、空に月が登ると月の魔力も使うことが出来るみたい。ほかの世界では月の神は大抵いるらしいけど、この世界の主神であるルナ様が優秀だから、補佐以外の神はいないらしい。そのおかげでカズシに月の所有権を貢げたらしい。


 カズシから膨大な、それはあり得なほどの魔力をもらった結果、私の魂は歪んだ。スライムはどんな形にも成れるし、どんなものにも適応できるらしい。魂も同様で、魂が変われば魔力も変わる。その時からカズシの言おうとしていることが、なんとなく分かるようになってきた。


 今ではカズシとの魂の違いは、魔物の魂か人間の魂か、それ以外の魂の部分はすべて同じになっている。記憶領域も見た目は一緒だけど、中身はちゃんと違うよ? パソコンとかいうのの見た目は一緒でも入れているデータが違うのと一緒らしい。


ルナ様は言葉でしか教えてくれないから、ちょっと分かりづらい。これはぼっちの弊害だとアルミエ様が教えてくれた。


 ある時、カズシは精霊と契約をした。カズシの魔力が他の人間以外の生物に行くことに嫉妬を覚えたけど、有益なことを学んだ。精霊はスライム以上に変容しやすいようで、仮契約ならば魔力はそのままらしいのだけど、真契約を結んでその人の魔力を貰い続けると、その人の魔力の質や形になるらしい。その結果憑依という、その精霊が持っている属性の魔力体になり、同一化できるらしい。その人が死ねば精霊も死ぬ。


 ここで重要なのは、魔力の形が同じになれば云々のところで、私の魂は99%はカズシと同じような物なので、魔力も同様に99%くらい一緒なので、一部を憑依のような形を取れるようになった。全部することも出来るけど、私が私じゃなくなる気がするのでやってない。このおかげでカズシの考えていることが、何でもわかるようになった。カズシには教えない。プライバシーは大事とか言ってたから禁止されちゃう。そんなのやだ。


 ルナ様にその事を話したら、神の力の使い方を教えてもらうようになった。権能自体は持ってないけど、月の魔法を使うことができるので、神の力を行使するのとほとんど同じらしい。なぜ教えられたかというと、カズシは魂は一つなのに、何千もの魂を吸収しているらしく、とても危うい状態らしい。そんな状態で神の力が暴走したら、カズシ自身では制御できなくなるから、ストッパーになるために学んだ。


 ちなみに、カズシの体に常に引っ付いているのは鎧の役割を担っているからで、それ以上でもそれ以下でもない。それ以外の理由は何もない。




 そんなある日、ゴブリンの集団失踪があったので、警戒していて欲しいとガンスにお願いされたカズシは、片手間で火のダンジョン攻略をして、事件が起こるのを待っていた。


 何故かいきなりゴブリンが出現したけど、カズシが対処するために一番槍を任せてもらって、私とともに魔法で大打撃を与えるという作戦でいくらしいので、日本の創作の魔法のお披露目の時だと思っていたら、カズシの魂が悲鳴をあげだした。


 何が起こったのかと周りを確認してみると、カズシがいつも魔核を浄化して消している、よくない魔の気配が月を侵食していた。それを認識したら、私の体も悲鳴を上げているが、何とかこらえることが出来た。


 でもカズシは違った。膨大な魂を吸収しているカズシの魂のほんの一部に亀裂が入り、別の魂に覆い尽くされてしまった。魂の一部を常にカズシと同一化していたから、私はあまり力を使えなくなってしまった。亀裂はすぐに塞がったけどね。


 覆い尽くした魂は別世界の始祖ヴァンパイアの様で、吸血鬼として肉体が変異していった。元々今のカズシの体は、リルヒによって吸血鬼化を体験しているから、この魂がカズシの乗っ取れたみたい。


 乗っ取られたカズシがカズシの女を殺そうとしたので、精神魔法【ディストラクト】注意を散らしたり、意識の方向を変えるだけの魔法。カズシは精神魔法と状態異常は効かないと思っているみたいだけど、有益なものは効果を受けるようになっている。


 今回はミア達の4人よりも、前方のゴブリンの大群の方が脅威なので、とりあえずそちらに意識を向けられた。こいつは慢心するタイプの様なので、タイミングを見て魂を吸収するつもり。


 最初は闇魔法系統の魔法を使っていたから、こいつの魔法なのだろうと思っていた。その後の龍系魔法を使ったことは驚いた。これはカズシが使おうと思っていた魔法だったので、驚きはしたけど今のカズシの体を使っているということは、脳内になるものを参照しているのだと理解。


 そんなことを考えていられたのも、レジェンドゴブリン達をカズシの体が殺すまでだった。


 殺し終えて、レベルが上がったのだろう。そのタイムラグの後、何かの封印が解けたように様々な記憶や力がカズシの体に蘇ってきた。封印が溶けた時の衝撃で、ヴァンパイアの魂は粉々に消え去り、体がカズシのものに戻った。


 同一化していたので、私にも流れてきた。マールを殺したこと。マールに心臓を抉られたこと。名前を名乗る暇もなく殺された神のこと。最高神とあったこと。同郷の勇者と戦い、妻を失ったこと。魔女狩りで仲間の魔法使いと、支援してくれていた国の王族が殺されたこと。天使に犯されながら自爆した妻のこと。自分を庇って死んだ男ふたりの事。魔王を倒したこと。四天王を倒したこと。初めて行為をしたこと。初めて人を殺したこと。初めて生物を刃物で殺したこと。異世界に召喚されたこと。


 カズシの封印されていた、全ての記憶が私にも流れた。召喚された前の記憶に神の残滓を感じたので、なんとかして読み取った……この記憶はカズシは一生忘れるであろう記憶だった。これは私にはどうにも出来ないし、カズシに認識させることもまだできない。


 異世界に勇者として、召喚された時のことを思い出してしまったカズシは絶望していた。人間はレベルがどんなに上がっても、魔法の耐性を意味する精神は上がるけど、人間の自我を司る精神自体はそこまで強くならない。それなのにレベルが上がれば、封印が解けるようにしていた最高神は人間のことを何もわかっていない。これでは思い出したら、精神が壊れてしまう。


「もう生きていても意味なんてない。世界そのものが無意味だ。すべて消えろ【炎狐】」


 今までで一番早い速度で魔法を組み上げたカズシは、世界を壊す魔法を発動させた。今のカズシはミアやリルヒ、フィーネやルナ様やアルミエ様、そして精霊たちや私がいることを忘れている。記憶の放流で意識の外に追いやってしまっているせいで、自分に、世界に絶望している。


「俺ごと消えてなくなれぇぇぇぇぇぇ」


 私にカズシはたくさんの事を与えてくれた。それにやっと報いる時が来た。今までのカズシは何でもひとりで出来たからね。


「そんな事はさせないよ。カズシ」


「【水神龍】【水神龍】【水神龍】【氷神龍】【氷神龍】【氷神龍】【風神龍】【風神龍】【風神龍】【土神龍】【土神龍】【土神龍】【光神龍】【光神龍】【光神龍】【闇神龍】【闇神龍】【闇神龍】」


 魔法は神の名や龍の名を関するだけで、威力をはね上げることが出来る。その分難しくなるけどね。それは無詠唱のイメージでも一緒。この魔法たちが今一度に出せる魔法。


 最近はカズシから魔力を貰わなくても、触れていれば自分から引き出すことができるようになったから、カズシから引き出して、これらの魔法を発動。全ての龍に対して無属性魔法【魔力吸収】をさらに付加。全ての龍は巨大な、魔法の神の龍ですら圧倒される大きさの火の狐の行動を阻害してもらう。長い体を使ってもらって、狐が降りてこないようにしてもらう。


 そしてルナ様との訓練で操ることができるようになってきている魔法を慎重に発動。カズシは狐の制御で忙しいようだ。


「月魔法【月龍】」


 月の光、太陽の光ではない月自体の光によって構成された、神秘的な龍が狐の前に降臨した。アレ自体が神でもあり、月でもあり、カズシでもある。そんなことが頭に浮かんだ。


 月の龍が光を放って収まったら、空中には何もなくなっていた。狐も龍も消えていた。


「完全憑依」


 私自身が変わるかもしれない。下手したら消えてしまうかもしれない。そんな不安で今までは完全な憑依、同一化はして来なかった。でも、私の……スラリンの好きなカズシの為ならば怖くはない。


 スライムの性質は全てのものに適応する力。カズシにはその力自体になってもらって、自分の壮絶な過去に適応してもらう。ああ、カズシと一つになっていく……………………






俺はすべてを思い出した。そしてすべてを壊そうとした。


それでも、そんな俺すら救ってくれた存在。


「ありがとうスラリン」


腕の中で小さく震えているスライムのスラリンを撫でながら呟く。


 

お疲れ様でした。


この作品で好きなキャラはスラリンとクロです。次点がリルヒ。


まーた書いているうちに、俺は一体何を書いているんだ?となってしまって読み返しても、理解されるのかわかんねえものになった。後ほど書き直すかも。内容は同じなのでご安心ください。


次回、サブタイはまだ未定。この章の締めと別勢力の動き。

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