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女神と夫婦になるために  作者: たつ
エピローグ 月神二人
202/237

第175話! 稲荷神社◇

とにかく投稿、時間やばし


ふぅ、本当にぎりぎりでした。予定があったのに移動時間ゲームをしていて、書いてなくてギリギリでした。


今回は雑談だけになってしまったけど、許して欲しい。


では、お楽しみ頂けると幸いです。

 なる様は涙を流してしまっているが、慈悲深く神々しい笑みを浮かべて出迎えてくれた。ただ、多分数秒もすれば、


「……はい、神様的な出迎え終わり! カズシちゃーん!」


 まるで演技をしてましたという様なことを言って、さっとハンカチで目元を拭いて、ルパンダイブをしてきているが、目が真っ赤なので誤魔化せてない。


『目真っ赤』


 一気に顔が赤くなった。やっぱりなる様は弄られキャラなんだろうな。


 普通に抱きついてくるならいいんだけど、すごい速度出来ているので、一歩ズレて、腰を抱いて回転しながら勢いを殺して受け止める。


「久しぶりなる様」


「本当に久しぶり! あの呪い的のを解呪して来てくれると思ってたよ。でも、数年待ったんだからね!……神からしたら数年なんてとか言ったらボコるから、シンイチは変なことを言わないように」


 笑顔で抱きしめられているなる様は俺には笑顔を向けて話しかけてくれている。シンイチにはガンを飛ばしている気がするけど、きっと気の所為。


「パパこの人が九尾様?」


「え? この子もしかして……は? 何この子の力。カズシのお嫁さんとか私とか最高神の力を全て引き継いでるってどういうこと?」


「奇跡に奇跡が起きただけ」


 俺に聞かれても困る。俺もわからないんだし。


「へぇー……あの糞野郎あべるの力の結果か? まあ、悪いわけじゃないから別にいいか」


 前半は小声だったが聞こえた。なるほど、やっぱり最高神の影響か。


 なる様は言い終わると、俺の胸元に顔を埋めて、九本ある尻尾をぶんぶんと凄い早さで振っている。ん?


「クンクンスーハースーハー、クンクンクンクンクンクン……」


「……」


「多分どの神も知らない、最恐と言われた九尾の凄いシーンを見ている。わけがわからない。僕は夢でも見てるのか?」


 シンイチはなる様を見て、頭を抱えながらブツブツ言っている。アルカンジュはぶんぶん動いている尻尾に乗ってロデオをしている。とりあえず、


「クンク……痛い! カズシ。謝るから待って。今のカズシのアイアンクローは洒落にならない! 世紀末覇王がモブにアイアンクローを決めてるくらいやばいから、まって折れる! 漏れちゃうから中身が!」


「ここは外。話をしたいのに発情しないでくれ。シンイチだっているんだからね? アルカンジュもいるし」


 あまり興奮されても困る。シンイチいるし、男として色々困る。シンイチとの戦いがあるというストレスから開放されたせいで、そっち方面に思考が移りやすくなってるしな。しょうがないよな?


 離してやって、アタマがーとかやってるなる様を置いて、神社の本殿の中に入っていく。


「シンイチとアルカンジュもついてきて。手前の部屋に多分ちゃぶ台があるからそこにいて。俺はお茶を入れてくる」


 俺はこの神社の奥にある無駄に近代化されているキッチンの、いつもの場所にあったお茶っ葉を使って入れて、ちゃぶ台がある部屋に持っていく。


 ちゃぶ台には正座をしているなる様、その尻尾で遊んでいるアルカンジュ、まーだブツブツ言っているシンイチが座っていた。


「カズシの手から油揚げを加工した時、そして醤油とかの匂いがしたんだけど、もしかして作ってくれてきたり?」


 再開した時以上の尻尾の動かし方に顔が引きつっている気がするが、俺は稲荷寿司に負けた訳では無い。断じてない。


「もちろんなる様の所に来るんだから作ってきたよ」


 タッパーを取り出して、なる様の前に出す。お茶もついでに各人の前に置く。


「きた!!! 頂きます! 美味しい!! やっぱりカズシはわかってるわ。変に椎茸とかを入れないで、いなりの風味をいい感じに出してて本当に美味しい」


「じー」


「アルカンジュもあーん」


「あーん……美味しい!」


「だよね!」


 尻尾で遊んでいたアルカンジュは稲荷寿司を食べているなる様にプレッシャーをかけて、ひとつ貰えたみたいだな。


「クゥ」


「今のクゥは食べられる?」


「クゥゥゥン」


 俺がこの神社に通っていた時はまだ普通の狐だったから、食べ物を安易にあげられなかった。だけど、今は尻尾も増えてるし、クゥ自身も首を縦に振っているので、ひとつタッパーから取って食べさせる。


「クゥゥゥゥゥゥゥン!!」


 美味しさを表現する為に尻尾を振るのはいいけど、毛が目に入るからね?


「あーん」


「あーん」


「アーン」


 クゥに食べさせたのを見て、なる様とアルカンジュが口を控えめに開けてあーんを促してきた。なんかもう一人も口を開いて催促してきているけど、男にそんなことをする気は無いので、|レミルス、俺が今住んでいる世界で一番辛いと言われている、ファイアーボーンキングの骨を削った粉が混じっている稲荷寿司をボックスから出して、シンイチの口に放り込む。


 他の二人にはタッパーに入っている稲荷寿司を食べさせてあげる。


「さっきよりも何倍も美味しいの!」


「だね」


「おおおおおおおお、ゲホゲホグホ、びず! 水!」


 ふたりは満足してくれたけど、ひとりは回復魔法で治せるという事も忘れて、水を催促してくる。


「はいよ、本当に普通の水だ」


 冷たい水ジャグごとすぐに持ってきて、シンイチに出す。


「………………いやね、こういうのも殺し合いをする相手じゃないから出来るのはわかるよ? でもさ、普通に突っ込むとかあるじゃん? ていうか、食べ物を粗末にするとか良くないと思うんだよね」


「口ヒリヒリするなら回復魔法で治せよ」


「あ……オホン、粗末にするのはよくないと思うよ?」


 言われて思い出した様で、回復魔法で口の中を治したようだ。


「別に粗末になんてしてないぞ?」


 そう言って俺はさっきシンイチにあげたのと同じ稲荷寿司を口に入れて食べる。


「これやっぱり辛いだけであんまり美味しくないよな」


「は? いやいや、おかしくない? それ凄い辛いんだよ? レベル補正とか耐性上げてないよね?」


 普通に激辛を食べているのが不思議なのかいちゃもんをつけてくる。


「カズシは昔から激辛な食べ物好きだもんね。唐辛子的辛さも山椒さんしょう的辛さも山葵わさび的辛さもみんな美味しく食べちゃうし」


「え? あの辛さを素の状態で? そうか、舌だけ人間の頃から人外レベルだったんだね」


 わけわからんことを言い出したシンイチを放置して、皆で昼飯をを食べた。

お疲れ様でした。


昔から辛いのは好きでしたが、世界一とかは流石に前は無理でした。マール世界での色々な痛みに比べたら、食べ物の辛い痛みは楽しめる痛みなので、好んでいるんですね。


アルカンジュは辛いのまだ苦手です。なる様秘蔵のお茶もあまり美味しそうには飲めていませんでした。


次回、叛乱

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