第157話!現嫁ーズVS旧嫁ーズ◇
戦闘描写は次回です。
あとアルテシアはもともとこんな性格ではないです!これだけはどうしても伝えたかった。
最終的に結構歪み、カズシの中で色々見てしまった結果歪みがさらに加速したのが今のアルテシアです。
では、お楽しみ頂けると幸いです。
女神達の質問を軽くいなしながら食事を終えた。
「さて、お前らは取り敢えず最後まで話を聞いてくれな?」
こういう時によく口を挟むリルヒとホムラ、ついでにミコトに向けて言い放ち、蘇ったメンバーの紹介をする。
「そっちにいるのが、俺が勇者とか言われていた時の仲間で、俺の一番最初の嫁であり、撲殺系聖職者であるアルテシアだ」
「カズシの一番最初のお嫁さん、アルテシアです。よろしくお願いします」
なぜそこで一番最初のという所に力を入れて言う! リルヒのこめかみががが、あとスラリンが内側でめっちゃ文句言ってる。次にレミアの紹介をしようとしたら、ミコトが手を上げてきた。
「ミコト質問か?」
「ええ、いきなり口を挟むのは止められたから。カズシが勇者って言ったけどそれっていつ? 今は英雄様とか呼ばれているけれど、勇者なんていつ呼ばれていたの? 確か最近異世界転移してきたのよね?」
この中で女神達を除いて唯一事情を話してないからな。
「えっとだな、俺が中学生の時に異世界に……………………」
ミコトの顔色を見ながら少しずつ話した。その過程でレミアの紹介もしたのだが、やはりというか当たり前なのだが、エルフ巨人大虐殺+カニバリズムの所で吐きそうになっていた。だけど、最後まで話を聞かせて欲しいと言われたので、話した。
「ごめんなさい。やっぱり少し無理。吐いてくる」
そう言うとミコトは席を立ってダッシュでトイレに行った。やはりスラリンを介して記憶の映像化をして、それを見せながらだったから衝撃が強すぎたか。カニバとかグロイ部分はモザイクかけたけどダメみたいですね。
「カズシさんはマールを倒した張本人だったんですか?」
手を上げながら質問してきたのは、食ってる時も俺に注意してきたちび女神。さっき話しかけた時は女神達にお前が話せとか言われてしぶしぶ言っていたが、もう慣れたのか。俺は別に怖くねえしな。怖くないよね?
「ああ、そうだが? あ、お礼とかをもし言おうとしているなら、要らねえからな? 最高神にそういうのはしてもらうし」
「最高位神様達とお知り合いなんですもんね。それでも私達の恐怖の根源を絶って下さり、ありがとうございます」
涙目になりながらお礼を言われた。そんなにマールはやばい存在だったのか。
うーん。でも、本当にやばい存在なら最高位の神々が束になって潰せばよかったと思うんだよな。敢えて存在させていたのはヘイト管理の問題上だったのだろうか。最高神のジジイはそういうことしそうだし。
「ああ、お礼の言葉は受け取っておく」
「すみません。戻りました」
ミコトが戻ってきたので紹介を続ける。
「それで皆も、特にミアとかホムラは気になっているだろうけど、この子は俺の子供。生まれる前に死んだのだがなんか一緒に蘇らせることが出来た。名前はアルカンジュ」
ミアはカズシ様の御子うんぬんよく言っているし、ホムラは家族にせっつかれているらしい。
俺の言葉を聞いたミコトと女神達、アルテシアレミア、執事やメイド以外は一様に、
「カズシ様それは子供はまだ作らないと!」
「エルフ族から英雄の子供はまだかと言われていまして」
「ズル! 私達とは当分作らないとか言っているのにどういうこと! カズシ!」
「私は別にそういうのまだいい。龍人としてはたくさん産んだ方がいいみたいだけど」
「そろそろ孫の顔が見たいと言われてまして。金狐としてはまだ全然猶予があるんですが、結婚が遅れたのでその」
…………はぁ。
「えっと、一旦お前らの発言は無視して話を続ける」
「カズシ!」
「話を続ける」
「……」
こういう時に真っ先に食ってかかる割にすぐに引いてくれるリルヒは有難い。多分みんなの代表として食ってかかっているんだと思うし。
「俺はさっきから女神達がちょいちょい言っているが昇神した。よって、ここ数ヶ月で全てが解決させられる。だから、少し待ってくれ」
既に最高神にマールの現在存在する世界の特定をやらせている。あともう少ししたら結果が出るはずだから、わかり次第殺しに行く予定。
「あと数ヶ月なんですね」
「ああ、ミアと会ってから大体半年くらいで全てが終わるくらいだな。それでだが、俺といっしょに戦う奴をもう一度決めたいと思う」
「前回はスラリンと精霊の皆と私が付いていくことになっていたわね」
「そうだな。リルヒは俺についてきて、ホムラの神の気配を感じる炎で皆を守ってもらうということになっていた。もちろん他の人も戦えるのは十分にわかっているが、火力的な問題でリルヒとホムラの名前を上げただけだからな? 期待してないとかそういうのではないからな」
これを言っておかないとミアが地味に落ち込んで、また異常な効率で特訓を始めるのでフォローは大事。
「わかっています。私の努力が足りなかっただけですので」
ダメでした。
「……えっと、今回の人選も取り敢えずリルヒとスラリン。マルクは来るんだっけ?」
「僕も行くよ。行った方がいいんだろう?」
「ああ、お前は来てくれた方がいい。それで後は」
「私とレミアも同行します」
アルテシアがレミアの手を握って一緒に手を上げた。二人ならマールともなんとかやり合えるのかな?
「少し待ってください」
連れていくと言おうとしたら、ミアが鬼気迫る顔で立ち上がった。
「なんですか、ミアさん」
「ミアで結構です。アルテシアさん、貴方はカズシ様と戦った時に結局カズシ様の心の傷になっただけで、それほど戦力になりませんよね? 前はカズシ様よりも回復魔法に優れていたみたいですが、今はカズシ様の方が優れていますし、後は撲殺でしたっけ? それは神に通じるほどの力を持っているのですか?」
「どうでしょう……でも、貴女よりかは聞くと思いますよ?」
おい、何故今アルテシアは煽った?
「何故そのように断言なさるのですか? アルテシアさんは蘇って日が浅い、浅すぎますよね? そんな状態でカズシ様についていくくらいなら、私が言った方がまだ役に立てます」
「ふーん。なるほどなるほど。カズシに自分はついていけないのに、パッとでの女がいきなりズカズカ踏み込んできたから怒っているのね」
「はい。私はとても怒っています。貴女の強さがわからないのに、カズシ様について行き、結果邪魔になってしまったら大変ですので」
「なら、証明しましょうか?」
「ちょっと待て」
「カズシ様。今は止めないでください。私はこの方の力を見極めないといけませんので」
「そうよカズシ。しかも、ミアがカズシに意見するなんて稀じゃない。黙って聞いててあげなさい。あと性職者さん。鈍器を使うのよね? なら別についてこなくていいわよ? 私が貴女が使えないような質量兵器使えるし」
あ、まずい。今聖職者のニュアンスが、
「あらあらうふふ。そんなに吸血鬼ちゃんはお強いのですか? なら、試して見ませんか? レミア」
「わかってる。私も久しぶりの戦いだし、ここは旧新対決と洒落こもう」
ああ、忘れてたわ。
「ええ、決闘よ!」
この世界の住人は皆決闘厨であり、
「お受けします。私とレミア、そしてマルク! 貴方も戦いますよね? ね? ね?」
旧メンバーの死ぬ前の性格は、レミアは大雑把でこういう争いごとが好き。アルテシアは最初は悪にも救いをだったのだが、悪即斬からの敵即斬からの、逆らう奴らは皆殺せというサディスティックな考えに変貌していった。
マルクだけは最終的にこの二人とバークという戦士のおっさんの尻拭いをする不便な奴に変貌した。俺も尻拭いを沢山した。
「拒否権は?」
「マルク。私達はあの世界からの仲間です。そして、今回は意見の合わない敵が相手です。私達は仲間です。戦ってくれますよね?」
俺の角度からは凄いいい笑顔に見えるのだが、
「…………笑顔って怖いね、カズシ」
南無。
「こちら側は私リルヒと」
「私は主様の精霊であるフウを借りないとあまりついていけないので辞退します」
「私が争いの火種ですので戦います。カズシ様、お叱りは後でいくらでも受けますので、戦わせてもらいます」
「私も出てもいいのかな?」
「相手がマルクだし、いいんじゃない?」
ホムラが手を上げながら聞いてきたが、
「待て、殺しなしの決闘なんだよね? ホムラが出たらやばいことになるよね? 炭だよね? 消し炭にする気?」
「いやいや、手加減は出来るし、ぎりぎり瀕死で抑えるから問題ないですよ」
「決まったみたいですね。私とレミアとマルク、そちらはミアと吸血鬼とホムラさん。相手の殺害はなし。即死をしない程度の攻撃はありで、戦闘続行不可能になった時点でカズシが回収及び治療」
「異議はありません」
「なら、始めましょうか」
そういうと決闘に参加するマルク以外は装備をすぐに着て、いつでも攻撃できる体勢になる。装備をすぐに着れたのはスラリンがなんか手伝ったんだろう。一瞬で着てた。
「では、行きますよ」
「行きません。わかった、止めないけど屋敷のリビングで戦うのは禁止! 空間を作るから待ってくれ。本当にやめて!」
なんとか俺の願いは聞き届けられた。
お疲れ様でした。
さて、この世界基準では最強角であるアルテシアレミアはどの程度の力を秘めているのか。
ちなにみ、カズシの仲間内では
リルヒ>ホムラ(神の気配の炎あり)>ファベログ>まだ越えられない壁>ホムラ(神の気配の炎なし)>=ミア>ミコト=フラン>フィーネ
という感じになっています。リルヒはカズシの血液のせい。ファベログはほとんど死神だし、元がノーライフキングだし。ホムラは神の気配の炎は自分の実力ではなく、リルヒは全体火力がない。
次回、何故仲間同士なのに殺し合うのか




