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女神と夫婦になるために  作者: たつ
6章 死の王と月の神
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第85話! 戦争(クリーク)

感動の日本人との再開の話のはずなのに、なんでサブタイトルが戦争なんでしょうね。


ちなみにカズシの内心は、『日本人だ。あの漫画の続きを知ってる人だったらいいな』とか『あの本のシリーズの行く末を知っているかな?』など、どうでもいいことを考えています。


では、お楽しみ頂けると幸いです。

 鍔迫り合いながら、泣いている少女と話そうとしたら、


「おい! ミコト何をやってい」


「あ?」


 魔力を王子のいる方に、全開で放出して威嚇をする。魔法じゃなくて魔力なので問題なし。


 少しは空気を読めよ。イラッときて反動に任せて魔力放出したせいで、王子の後ろで観戦している人が、何人も一緒に食らったらしくぶっ倒れた。


「とりあえず今は寝てもらう。後で沢山喋ろうな」


 鍔迫り合い状態で本気を出して、相手の剣を吹っ飛ばす。吹き飛ばされても抵抗しないで、寝ることを了承した(ミコト)に、


「少し寝ててくれ」


 首の後ろに手刀を当てて気絶させる。これって実際はとても危ないよね。自分でやってみて思ったわ。


「ルド!」


「勝者カズシ!!」


 ルドの宣言により決闘は俺の勝利で終わった。


 わああああ。と周りが騒いでくれているけど、途中で無理やり俺が終わらせた感があるから、少し盛り上がりが弱いっぽい?


 眠らせたミコトを抱えて、ふたりの姫のところに戻ろうと考え、ミコトを持ち上げた時、


「カズシ様!」


「危ない!」


 気を抜いていた訳では無い。自分ではそう思っていたけど、きっと日本を知っている人に出会えたせいで、実際は抜けていたのだろう。


 真後ろに気配があることに気がつくのが遅れた。しかも、剣がすぐそこまで迫ってきている。また慢心してしまった。


「くっ!」


 なんとかミコトを右腕側主体で抱き、体をそちらに逸らしたが、距離が足りなかったようで、左腕の肘から先がはじけ飛んだ。


 細剣による突きからの横払いで切られてしまった。その技漫画で見たことがある。


 なぜ抵抗もなく俺の腕が切られたのか、何故王子が俺の魔力に当てられて気絶したはずなのに起きているのか。何故王子がいきなり身体能力が高くなっているのか、わからないが、


「死「カズシ!」!!」


 とにかくやべえ奴だと思ったので、本気で殴り消そうと思ったのだが、ガンスの一言で正気に戻った。このまま殺したら、俺はお尋ね者になってしまう。それが嫌なら王国を滅ぼさないといけないけど面倒くさい。


「ふむ、やはりこの体は弱いが、簡単には殺せないのだな。まあ、当たり前か。愚かな仕組みのトップに位置する人間の子なのだものな」


 先ほどとは全然口調の違う王子(仮)は、さっきまでの真っ黒という訳では無いけど、強いて言うなら黒の髪が真っ白に変わっていて、黒い瞳も赤くなっている。


 とりあえず腕を回復させるか。回復魔法。


「やはり神の使徒であるお前は特殊な魔法を使うのだな。欠損したパーツをくっつけて治すのではなく、新しく生み出している。竜の尻尾のようだな」


 神の使徒? 有り体に言えばそうなるけど、なぜ知っている。


「なんか悠長に喋ってくれるみたいだし、ちょっと待ってね」


 ミコトを持っている状態で戦うとかマジ勘弁。しっかり警戒しつつ、


「おい、起きろ命。【ショック】」


「ひゃぁ!……え? きゃああああ」


 パチーンといういい音を鳴らしながら、俺の頬にもみじを作ってくれた。そんな起きたら男が目の前にいて、反射的に叩いてしまうテンプレなんていらねえから。ラッキースケベがあった時にやるヤツじゃん。


「いいか、落ち着いてきけ。俺の後ろにいる姫様たちのところにいけ。今すぐに」


「え? ……はい」


 周りを見て、王子の変貌に目を見開き、すぐに動いてくれた。


「で、お前はなんなの? てか、体を乗っ取っているように聞こえたけど、どういう魔法?」


 そういうと王子(仮)が万遍の笑みになり、


「おお! やはりすぐにわかるか。流石は神の使徒と言ったところか。この世界の人々がこれを目の当たりにすると、祟で狂っただの色々面倒なのだよ」


「褒めんでいい。どういう理屈だ? そういう魔物なのか? それとも魂ごと相手を食いつぶして、乗っ取る系か?」


「いやいや。ただ単に王子が寝ている部屋に忍び込んで、精神魔法と闇魔法を併用し、王子の体に私の擬似精神を作り出しただけだよ。人間にはごく稀にあるだろう? 多重人格とやらが。見た目の変化はこの人格が前に出たことによる、ストレス由来だろう」


 人間にはある。ということは、魔物か。それとも神か。


「次は私の質問だ。お前はなんだ?」


「俺は人間だ」


「そういうことを聞いているのではない。何故お前は吸血鬼やスライム、そしてこのスキルのシステム外の力が使える?」


 は? 待て待て。なんでこの世界の魔物が世界の仕組み、スキルや魔法のことをシステムと言う。やっぱり別世界の神か。


「強くなりすぎた人間の末路がこれだ。で、お前はなんだ? 神か?」


「神か。あんな理不尽な奴らと一緒にされたくないものだな。私は最古のノーライフキング! お前ら人間が語り継ぐ英雄物語に出てくる、最後の敵だ」


 英雄物語とは、勇者の物語とかと同じ。最終的に英雄と言われる奴が色々な事の果てにラスボスであるノーライフキングを倒す物語。


 でも、それだとますますわからん。なんでシステムなんて言い方をするんだ。システムって言葉は翻訳された結果だとしても、仕組みを理解している魔物の王。やばいね。早く殺そう。


「なるほど色々わからんが、わかったことにする。結局、いきなりぶっぱなしとかしないってことは、何かを言いたかったり、したかったんだろ? 目的は?」


「話が早くて助かるぞ、使徒よ。私はこれより人類諸君に対して、戦争の開始を宣言する」


お疲れ様でした。


これできっとカズシの女勢の描写ができるはずだ。


1人では流石に戦争はできないからね。できないよね?


次回、なんだろ?

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