第78話! 魔力の変質と低級精霊
まず、なんか既視感がいる精霊になってしまったが、しょうがない。
属性を組み合わせたらこうなった。
では、お楽しみ頂けると幸いです。
まあ、戦争だ! なんて言いましたけど、特に問題ないと思うんですけどね。
まず、ルシファーの皆が怪しい奴を追跡して、変なことを起こそうとしたら、捕縛してくれる。
変なことをしていない奴で、ルーゼやキリツなどの王族メンバーとその仲間、円卓夫婦とガンス達に何かをしようとすれば、マップ上の点が赤くで無力化すればいい。
国だし恨まれることもあるだろうど、とりあえず今回の式典で暴れられるのは勘弁。パレード中は何も出来ないように何かをしよつ。
なんて考えていると、ルーゼと俺とキリツが乗る馬車が動き出した。
パレードの馬車の列順は、ルドとその妻3人に冒険者二人に騎士が二人。そのうち冒険者枠でガンスがはいっていて、騎士にはキリーさんがいる。
その次は主役のルカスに冒険者、騎士が一人づつがついている。ルドの馬車は一番大きいけど、ルカスの馬車は派手で一番金が掛かってそう。ルカスを目立たせるためだしね。
その次はメアリ、ルーク、俺達の馬車、リーゼとなっている。そういえば気になっていたのだが、
「なあ、馬車になんか攻撃された時の防御機能ってついてる?」
この馬車もそうだが、王族夫婦のもルカスのも構造的にそういう機能がなさそうだし、魔法的にも魔道具的にもなさそうなんだよね。
「ありませんよ? でも、アミレイアお母様が精霊達にお願いして、弓避けの風を発動てくれているはずなのですけど、ありませんか?」
ありません。というか、ここら辺の意識のない低級の精霊達は全部俺の支配下に入れたの忘れてたわ。なるほどね。やばいじゃん。
『精霊達よ! この馬車と俺の後にある馬車に、俺の前にある4つの馬車に弓避けの風を起こしたまえ! 魔力ならいくらでも持っていっていいぞ』
低級はそこまで魔力が取れないから、いくら持っていかれても痛くも痒くもない。
『うまうま』『もっともっと』『よこはいり』『やるぞー』『ひめのためにー』『がんばるぞー』
「は?」
「どうかしたかカズシ? もしかして曲者か?」
俺がいきなりは? とか言ったから、なんかあったのかと思ってしまったようだ。
「いや、思いすごしだったから大丈夫だよ」
「カズシ様が対処できないことは、私達がどうやっても解決出来ないと思いますけどね」
ああ、うん。そうですね。なんか褒めてくれたみたいだけど、そんなことよりも。
『なあ、お前ら』
『こえかけきたー』『まりょくうまうま』『かぜならやってる』『ひるねもやってる』『それをいったらおこられる』
やっぱりそこらへんにいる、ふわふわ浮いている精霊の出来損ないのような奴ら、低級精霊から意志が伝わってきた。どういうことだってばよ?
『なんでお前達は喋れるんだ? 普通は無理だよな?』
『なぜか?』『なぜかできた』『きっとうまうまだから』『そううまうまだから』『ひめさまのつがいだから?』『ひめさまがみとめたから?』『かずしはすきよ』『まりょくうまうまだもの』
全然わからねえ。魔力がうまいから意志が目覚めたとでも言うのか?
『フウは起きてるか?』
『呼ばれた気がした』
フウは読書とか日向ぼっこをしながらの昼寝以外は俺の中にいてもらっている。俺が真契約している精霊の中で一番精霊に関して知っているから。
ライは料理にハマっていて、大抵はファベログといる。ファベログは自分の孫のように扱っていて、顔が緩みっぱなし。クロは憑依では一番力が操りやすいし強いんだけど、わりと知識がなくて、わからないことを聞くと中二病をやるような子だからね。
『そういううちの批判はうちがいない時に考えてほしい。泣きたくなる』
『まじごめんね。チョコパフェ作ってあげるから』
『カズシはやっぱり太っ腹』
こんな感じのわりとポンコツだしね。
『で、なに?』
『俺の体の周りの下級精霊達を見てくれ。多分俺の中にいたけど、寝てたでしょ?』
『うん…………は?』
『かぜひめみてるー!』『ひめさまこんち』『かずしのどくせんきんし』『まりょくをもっとよこせー』『まりょくうまうま』『もっとしんかしてけいやくするんだ』『それはふらぐってやつだってかずしがいってた』『それしんじゃうやつ』
『こんな感じでずっと喋ってるんだけど、ていうか低級精霊は意思がないんだよね? めっちゃあるんだが。なんか俺の魔力が美味しくて、進化したらしいんだけど、なんかわかる?』
『うーん。確かに低級精霊が上級になることはあるけど、風なら風の魔力が濃いところに何十年もいないといけない。でも、そういうのじゃないもんね』
フウでもわからんのか。
『私なら多分仮説は建てられますよ?』
『スラリン? なんか話し方がさらに良くなってないか?』
『はい。私もこの精霊達と同じタイミングでさらに進化のような何かをしたようですので』
『前置きはいい。どういう仮説?』
『まず、魔力というのは魂から溢れた力の様なものです。魂というのはその時の感情や考え方などで、質が少しずつですが変わります』
怒ってるときは魔力の威力が上がるらしいが、消費量も制御の難度も上がるらしい。俺にはほとんど関係ないけど。イメージで魔法の威力を決めてるからね。
『それで少し前までのカズシの魔力はとても美味しかったんですけど、なんというか切羽詰っているというか、闇を抱えているような100%美味と言えないような後味があったんだよね。で、最近それがなくなって、本当に美味しくなったの』
最近魂のあり方が変わった? もしかして、
『そう、ルーゼとの問答でカズシは優しさを選んだでしょ? あの時に怒りのままに全てを殺すという選択肢をしなかった結果、周りを成長させる様な何かになったんじゃないかな?』
考え方ひとつ変わるだけで、世界の法則がネジ曲がったのか? 何十年もかかる低級精霊の上位精霊化が、数日で意志を持つレベルになるほどのことだったのか。
『まあ、仮説なんですけどね。でも、この子達はカズシの事を好いているし、いいんじゃない? 結構うるさいけど』
『なるほど。確かにカズシの魔力は澄み切っていたけど、後味が引っかかっていたものね。それがなくなったと言われれば、確かになくなっている』
なんか水とか酒みたいな評価の仕方だな……もし俺が全てを殺すとか拒絶の意思を強めていたら、どうなっていたんだろうな。
『かずしもっとしじしてもいいのよ』『まりょくもっとうまうま』『こっちにゆみでねらっているやつがいる』『かくほだー!』『『『わぁー!』』』
ごちゃごちゃ言っていた、低級精霊改め上級精霊なりたて達が屋根の奥で赤い点の奴に突撃していった。あ、弓も矢も服もズタズタにされた。
『だいしょうり』『ごほうびはまりょく』『やみひめがうまうまいってるちょこがきになるところ』『ちょこもきっとうまうま』『もっとはたらくのです』
『お前らが働けば働くほど、お前らの希望を叶えてやるぞ』
なんて軽い気持ちで言ったんですよ。だって、意思を持ってる奴はまだ10いないくらいだったんだもん。それが、
『やるぞー』『みんなうまさんをまもれー』『ばしゃもまもれー』『ひとさんもまもれー』『えるふさんもまもれー』『かぜひめさまもいっしょ』『かみなりひめはいない?』『きっとうまつましてる』『うまうまするために』『がんばるぞー』『かずしのまりょくうまうま』『』『』『』『』……………………
いきなり両手両足では聞かないほどの意思の数に膨れ上がってしまった。あとさっきから働かないで、俺の肩に乗っかってうまうましてる奴がいるな。
つまみ上げてみた。指をすりぬけた。
『せいれいゆえに』
なら、指に魔力を纏わせてつまみ上げた。
『まりょくはむりよー』
普通に見るとなにもいない。魔力を見てみると、白いもやを摘んでいるように見える。
『姿がまだ全く見れないんだが、姿を持ってないのか? この子達は』
『精霊で姿を持つには時間がかかるからね。意思を持つのに数十年。姿表すのに百年だしね。私は精霊神様に直接生み出してもらったから違うけど』
なるほどね。
『はなせー……まりょくうまうましほうだい』
『いいなー』『あそんでもらってるー』『どくせんきんし』『どくせんはせんそうのはじまり』『まりょくそうだつせんそう』『じひはない』『ござる』『にんにん』『』『』『』………………
さっきよりもさらに意思が増えた気がする。
『なあなあ』
『なーにーうまうまだよー?』
俺はラノベや本などである言葉を知っている。名は体を表わす。少し違う気がするな。名はそのものを縛る? 未知のモノに名前をつけることで存在を縛るとか聞いたことがある。
『お前の名前はこれからコンな』
なぜコンと言ったのかわからない。なんとなく、そう、なんとなくこの名前がいいと思った。
『なまえ? コン……なまえ!』
手のひらサイズの白いもやだったコンは渦巻くようにもやが動いて、その動きを止めると、手のひらサイズの狐のデフォルメされたような見た目になった。
『………………』
『………………』
『………………』
『ずるい』『なら、うちもコン』『わたしもコン』『ぼくも』『わたしも』『みんなコン』『そう』『みんなコンだね』
俺の周りのもやが一斉に渦巻き始めて、収まると狐になっていた。
あああああ。やっちまった。これって新種族作っちゃったのかな? やべえって。作らないでね? 私達の仕事がやばいことになるからって忠告されてたのに。いや、違うか? 精霊が俺の意思を使って姿を固定化させただけなのか?
『お前達はコンだということはわかった。今までみたいにふわふわした白い状態になれるの?』
『どうだろう?』『なれる?』『なれるんじゃない?』『なろう?』『なれるね』『なれる』『よかった』『きたいにこたえられた』『ならうまうまだね』
また一瞬渦巻いて白いもやになれる事を教えてくれた後に、すぐに狐に戻って俺に引っ付いてきた。多分これで魔力を吸っているんだろうね。
『いつまでつままれてればいいの?』
『ああ、ごめん。お前達はなんだ?』
『かずしのせいれい?』
『俺の精霊?』
『うん』『かずしはかみさま』『でもにんげん』『かみにはぶかがひつよう』『げぼく?』『どれい?』『じゅうしゃ』『つきのせいれい』『そのせいれいにちかづいた』『とうぶんしんかできない』『でもきっとつきのせいれいになる』『せいれいしんさまのもとにはもどれない』『かずしをえらんだから』『かずしのほうがくりーんらしい』『せいれいしんさまはぶらっく?』
なるほど。多分下級精霊も精霊神とやらの管轄で、何かしらの干渉を受けていたけど、俺の元に来たせいで戻れず、でも少しすれば月の属性精霊になるのか。それってやばくね。
お疲れ様でした。
片言+ほとんど単語しか喋れない+ひらがなだと、どうしてもあれが脳内再生される。
ちなみに文章中にありますが、このカズシは◆想いに答えてのルートのカズシです。
◆想いを殺して だと下級精霊の進化及び月の精霊進化のフラグは立ちません。
◆想いを殺して だと『精霊達よ! この馬車と俺の後にある馬車に、俺の前にある4つの馬車に弓避けの風を起こしたまえ! 魔力ならいくらでも持っていっていいぞ』 の後は普通に弓避けの風が発動するだけで終わります。
次回、パーティーとお茶会




