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石鹸(ボディソープ)の泡
ありがとう。本当に、ありがとう。
身体の隅々まで行き渡り、細胞の一つ一つの間に潜り込み、そこに住み着くばい菌や古い角質を丁寧に持ち上げて、私はお湯と一緒に流れていく。
私は自分の仕事に誇りを持っている。その細胞と細胞の間に隠れて逃げ惑う細菌やばい菌、新陳代謝によって浮き出た古い角質を私が責任を持って、取り除く。お湯で流されようが、身体に残る事が出来なかろうが、この一瞬の素早い作業が私の使命。そうコレこそが、私の存在意義なのだから……。
「ああ!! さようなら〜。もう、アナタに会う事は二度と無いけれど、私はアナタを忘れないわ〜!」
アナタ達は、私が死んでも離さないわよ! 最後まで一緒だからね! 逃げようたって、許さないから!