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『白い朝の旅立ち 〜65歳からの再出発。元技術部長が信州の町工場を救う物語〜』 第6話:地域を照らす光、販路の壁

一人の技術者の情熱は、やがて町全体の希望へと変わっていきます。しかし、そこには「地方の町工場」が抱える切実な問題が立ちはだかっていました。

真一の評判を聞きつけ、市役所の産業振興課からも相談が舞い込むようになった。

「町工場や地元企業の相談役になってほしいのです」

 訪れた工場には、どこも共通の課題があった。 「技術はあるが、新製品を開発する力がない」 「良いものを作っても、販路がない」

 ある日、北信濃の小さな工場を訪れた際、社長が深いため息をついた。 「高木さん、うちは言われたものを作るだけなんです。自社製品がないと、いつか立ち行かなくなる」

 真一は、若林が発明したあの部品を思い出した。  あれを応用すれば、この工場の技術でも画期的な製品ができるかもしれない。

「若林君に声をかけてみましょう。若手と地域を繋げるいい機会です」

 沙織も賛成してくれた。  会社の枠を超え、技術で地域を照らす。  退職して「忘れられた存在」だと思っていた自分が、いま、地域の希望の中心にいた。


「忘れられた存在」から「必要とされる存在」へ。真一の挑戦は、個人の再就職を超えて、地域を救うプロジェクトへと膨らんでいきます。

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