サ
裏
「違う」
「何もできてない」
「いつになったらできるの」
そんな槍が何度も何度も私の心を突く。
「すごい、できてる!」
「完璧ね。」
「さすが!」
いつもあの子は褒められる。
いつもだったら嬉しくなる言葉も、
今の私にとっては心を蝕む毒だ。
「あの子とは大違いね。」
自分はできてると思ってても、
周りは全てを否定する。
そうやって、どんどん私とあの子の溝は深く、
距離も遠く、
心も割れていく。
前は少ししかなかった『差』が、
今では手の届かない場所になっている。
私はまた、あの子と同じ椅子に座り、
同じ生活をし、
同じ生き方が、できるのだろうか。
彼女の声や、心の叫びが、
谷底から地に届くことはなかった。
一度の過ち、少し開いた『差』が
表に乞うご期待