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しばらく雑談をしていた俺とマリアは 前を歩いていたジュリアンの装備品が気になりはじめる
「あのつるぎって強いんですかねー? なんか燃えてませんか?」
武器を持たないマリアにとって武器の知識は全くの無知であり 少しでも知識のありそうな俺に話かけてくる
「そうだな、まぁ、普通の代物ではないと思う 少なくとも はじめてダンジョンに参加するヤツが手にするような武器じゃないな」
ジュリアンの持っているつるぎの刃先は赤く紅色に染まっていて持つところは炎のような紋章がある まさしく炎刀 「炎のつるぎ」だ
「お!モンスターが出たぞ!」
雑談をしていると前から声が聞こえる はじめてのモンスターの登場だ 俺はすかさず マリアちゃんを守るように前に行き お母さんからもらった 木の棒 を構える
「しゅぃーーーん!」
俺が加勢する間もなくジュリアンは武器でたる炎の炎刀を振りおろして相手を一撃で倒した
(うぇーなんか火が吹いてるーー!)
俺が驚いている間にジュリアンはスタスタと歩いていった
「ジュリアンさんってお強いんですね!」
俺が驚いているのにも気にしないマリアちゃんは何もなかったかのように話はじめた
「あぁ、もともと傭兵だったんだ そこらの兵士よりは全然強いと思うぜ」
「その武器もその時に?」
「いや、!これは俺が武器屋のおっちゃんに頼んで強化してもらったんだ 傭兵のつるぎは「はがねのつるぎ」だったからな ちょっと攻撃力弱くてな 火竜石 50個で強化してくれたよ」
(火竜石といえば Bクラスダンジョンでやっと獲得できる報酬だ それを50ってどれだけ周回してんだ?)
「それも人を殺したからもう火竜石もダンジョン許可証も剥奪されたんだけどな」
「なぜ、人を殺したんですか?」
「ん?」
ズケズケ言うマリアちゃんは核心のついたことを話はじめた
「お!モンスター来たぞ!」
前からモンスター ジュリアンが一瞬で倒していく もうこのダンジョンではモンスターが弱いらしい
「あ!一体 そっちに行ったぞ」
(来た!俺のはじめてモンスターとのバトルにしても最大のライバル 青くて水玉の形したモンスター 「スライム」 絶対倒せる
「いってぇーわ」
(スライムが俺に突進して 俺のお腹に当たる
ぷにぷにしてるのになんて力をしてやがるんだ もうHPも半分削られてる 俺いのか?)
再びスライムが体当たりしてきた 今度は俺の盾 「おなべのフタ」スライムの攻撃を受け止める
(よし、受け止められる これなら持久戦に持ち込んで木の棒で打った叩く
「バギー」
(あれ?おなべのフタが壊れた!?まだ2回しか受け止めてねーのに そうか お母さんのメラを受け止め続けたおなべのフタだ もう耐久力は俺がダンジョンに行く前から終わってんだ)
(とりあえず攻撃だ お母さんも言っていた スライムの頭に木の棒を叩けば倒せるって )
俺は渾身の力をふりしぼってスライムの頭に向かって木の棒をふり 叩いた
「ムニャー」
(はぁー!?全然効いてねーじゃん! スライムもなんかめっちゃ笑ってるし!)
スライムは満面笑みのまま俺に向かって体当たりして来る
「死ぬーー!死ぬーー!!」
気づけばHPは10になっていた スライムで死ぬとかマジで、、、
「火炎切り」
目の前のスライムは一瞬で燃えて倒された
「ありがと、ジュリアン」
「はぁ お前ホントに弱いんだな お前にはもう無理だ やめとけ」
「えーーー!」
「マリアちゃんを マジでありがと 」
「いえ、回復だけが私の取り柄ですから」
(気持ちいい!心の中まで癒される 傷もだんだん治って ん?)
「マリアちゃん?まだ半分も回復してないんだけど?」
「シオンさんモンスターを倒すのはジュリアンさんに任せましょう!私たちでは無理です」
「それは、うん、!そうなんだけど なんでHP 半分しか回復させてくれないの?」
「MPがもったいないじゃないですか!もしジュリアンさんがケガしたときにとっておくんです シオンさんは役に立ちそうにありませんから」
「うぇーー、?」
、、、、
半分も回復させてもらえなかった俺は次 スライムに体当たりされたらどうなるんのだろうと考えていた