第六話変える決意
第六話変える決意
私はソフィールと話を終わらせて教室に戻っている。
戻っている途中もストーリーが変わっていることがどんな影響を及ぼすのかを考えてしまう。
悪い意味では私の死について、良い意味では……ゲームと違うみんな(キャラクター)が見られるかもしれない嬉しさについて!!
ただでさえ好きなみんなの別の一面が見られるかもしれないなんて……もう尊死パラメータがぶち上がるのが目に見える!!
尊死パラメータは今作ったんだけどね。
…………ふざけるのはここまでにして、今後どうするか……これが今一番の課題だ。
今は主人公が入学する前だからゲームでは『序章』の段階だ。
この時点では話していないはずのギアラ(私)とソフィールが話していたりゲームでは舞踏会から摘み出されないギアラ(私)が摘み出されたり先生が教室を間違えたりとストーリーがところどころ変わっている。
たとえ変わっているのがさざ波のような些細なことだとしても積み重なれば津波になることだってある。
無理にゲームのストーリーに戻そうとして肉料理エンドになるかもしれないし…………でも今ここは私の人生って思って良いよね?
だとしたら私が後悔しない選択をしてもいいよね
「ねえソフィー学校が終わったら屠畜場に来て、一緒にお肉食べよう!!」
「良いですけど、せめてお金は私に払わせてください……私が誰かの役に立てるのはこれぐらいですから」
ソフィールはゲームだと友達と呼べる存在がギアラしかいなかった。
私はそれは嫌だソフィールには友達を一人でも多く作って欲しい……だから
「ソフィーが嫌じゃなかったらなんだけど、リゼッタとユズも呼んでいい?」
お金はソフィールが払うって言った後にこれって結構印象悪くない!?
「あのねソフィーが払うって言ったから二人を呼んでいいか聞いたわけじゃなくて……ソフィーが少しでも話を出来る相手が作れたらって思って……余計なお世話だったかな?」
「いいえ、その心遣いが…………とても、本当にとても心に沁みますし、感謝します。お二人なら呼んでいただいても構いません。貴方の友人なのでしたら」
「ありがとうソフィー、授業が終わったら屠畜場にで待ってて」
「分かりました。ちゃんと来てくださいよギアラ」
あぁもう可愛いなぁ!!
二十分後
「「授業中に勝手に教室を出てしまい申し訳ありません!!」」
私とソフィールは先生に謝った。
その後の授業内容はゲームとは少し変わっていたが、ワクワク度合いは変わらず……本当楽しかった……はぁ〜、幸せだなぁ。
ちなみに本来の授業内容の『サルーヴァの森での魔力実習』は森に危険な魔物が現れたとのことで来節に延期となった。
そして少し変わっていた授業内容は『創思念魔法による自らが将来なりたい姿を創り出しビジョンを明確にする』というものになった。
創思念魔法とは、自らの考えを実体化させ創り出す魔法のことだ。
そういえばゲームの主人公のアンジェは色んな人を笑顔に出来る自分になりたいって考えてたなぁ
その時は曖昧な姿が創り出されてたっけ。
……っと二人を誘うのを忘れないようにしなきゃ!!
まずはユズを誘おう
……どこだろう?
私はキョロキョロと周囲を見渡した。
…………あっ!!
私はユズを見つけて喜びで思わず叫びそうになったがギリギリ喉で止めた
さすがに叫んで呼んだらマズイと思ったからだ。
舞踏会で叫んで摘み出されたからなぁ、私。
私はユズのところに走って向かった。
ダッダッダッ
「ねえユズ!!」
私が呼びかけるとユズは笑顔で振りかえった。
「ギアラ様!! どうしましたか?」
ユズの質問に私は「この後屠畜場でお肉食べようと思ってユズを誘ったんだぁ、どう?」
「ギアラ様からの誘いでしたら、私に断る理由なんてありませんよ、当然行きます。リゼッタ様も誘うのでしょう…………私は先に屠畜場で待ってます」
「ありがとうユズ、すぐリゼッタ連れて行くからからちょっと待ってて」
私がリゼッタとユズと三人で行こうと思い、待っててと言ったのだけど、ユズはもう屠畜場に行っていた。
昔友達の友達と二人になった時気まずかったから揃ってから向かおうと思ったんだけど……このままではソフィールとユズが二人きりというなんだか…………うん、やっぱり絵になるな……って違う!!
もういい、すぅ
「リゼッタぁぁぁ屠畜場に来てぇぇぇ!!」
ダダダダ
「流石にここで叫ばないでギアラ!!」
「やっぱり来た」
「流石に教室で叫ばないで目立つでしょ……もし、もしエルバート様に見られたら……どうするの!! まあ見てもらえたら嬉しいけど……こういうので見られたくないの!! せっかく見てもらえるなら頑張ってるところとか…………まあギアラと仲良くしてるところなら見られてもいいけど流石に学校では叫ばないで」
「それでリゼッタは屠畜場に行くの?」
「行くよ!! ギアラは親友だからね。でも次からはちょっと学校では控えてほしい……学校以外なら叫んで呼んでもいいから、恥ずかしいけど」
そして私とリゼッタは全速力でユズを追った。
四分後
「はあ、はあ、なんとか間に合った」
「ギアラ様、リゼッタ様……先に向かってしまったせいで走らせてしまい申し訳ありません。(ギアラ様とリゼッタ様が仲が良いことは昔から知っていること……なのに、やはり少し嫉妬してしまう自分がいる。ギアラ様の隣にはいつもリゼッタ様がいる……私もいつか、そう思っていても中々行動に移せない。先ほどの授業では具体的な姿が創り出せたというのに……やはり……私には)」
「別に謝らなくて良いってユズ、今走ったからこれからお肉を沢山食べても安心できるから感謝したいくらいだよ!! というかさ、ユズが楽しんでくれれば私は嬉しいよ、だからさ早く行こう!!」
今私なんかすっごい恥ずかしいこと言わなかった!?
……ユズが恥ずかしがりながら手を前に出してるけど、どうしたのかな?
私が考えているとユズは何かを決心したような表情に変わった。
「ぎっ、ギアラ様早く向かいましょう!!」
ユズは私の手を引いて走り始めた
リゼッタは
「あのユズちゃん私もいるよ!?」と少し驚きながら走った。
そして十分ほど走り私たちは屠畜場に着いた。
「皆さん、遅いです!! この場所怖くて一人で寂しかったんですよ!!」
ソフィールが涙目で訴えてきたので私たちは全力謝った。
そして私たちは屠畜場で販売されているお肉を食べることに。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね