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 私の疑問に対してふむと唸るとユエは答える代わりに質問をしてきた。


『千歳の考える神とはどういう姿をしていると思う?』

「え、そうね。白い服を着て、杖を持っていて、立派な髭がありそう。でもちょっと待って、七福神には鎧を着ている神様に、鯛を釣ってる神様に、琵琶を持った女神様も居るわね」

「まあ!そんなに神様がこちらには居られるのですか?」


 私の言葉にシルヴィアが驚愕する。


「こんなものじゃないわよ?八百万の神様が居ると信じているんだから」

「まあ!」


 膨大な数の神の存在に心底驚いている様子だ。今度はそんなシルヴィアにユエは質問する。


『シルヴィアはどうだね?神とはどんなものだ?』

「わたくしの世界では美しい黒い髪に黒い衣を纏っている女神様しかおりませんので、やはりそのようなお姿を想像いたしました。チトセも綺麗な黒髪でしたからてっきり女神様と思ってしまいましたの」


 彼女の中での神のイメージに私の髪が近かったというのも先程の勘違いを生んだ要因の一つだったのか。


『して、二人はその神に会った事があるのかの?』


 私とシルヴィアは顔を見合わせて鏡のようにふるふると頭を横に振る動作を繰り返した。


『では何故そのように姿を詳細に想像出来る?』

「何故って、絵に描かれていたり彫刻があったりするもの」


 シルヴィアもコクコクと頷いている。しかし、言っていてそもそもそれを作ったのは私達のような人間なのだからおかしい話か。


『千歳は少し気づけたようだの。つまり、その世界の命らが想像し創造した姿が我ら神の姿となる。必要であればその姿で顕現して見せる事もあるが、その姿がであれば誰もが神と一瞬で理解出来るであろ?』


 大昔、塩の作り方を人間に教えたとか人に神様が関わったりする神話も多い。神と関わった人が伝えたとされる姿が描かれた絵や、作られた像を見ているから会った事もない神様の姿を知った気になっていた。実際に確かめた事もないのに。我々の想像した姿がつまり真の姿という事なのか。


「なるほどね、何となく分かったわ。ありがとうユエ」


 私は何とか理解出来たがシルヴィアは半分も理解してなさそうだけど。ややこしい話はここまでにして、話を脱線させてしまった私はひとまずこれまでの話の要約を試みる。


「それで話を少し戻すけど、シルヴィアの実態はシルヴィアの世界にあって生きている。事故のせいかは分からないけど、その一部がこの世界へ来てしまった。この世界に居るためには形を持つ必要があって、この世界に与えられた人のような形に収まっている。それはシルヴィアではないけど、ほぼそれに等しい状態になっているってことでいいかしら?」

『ふむ、よくまとめられたの』


 ユエ先生に褒められた私の要約で、何とかシルヴィアも頷いてくれた。





次回から第二章です!

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