プロローグ
毎日数話投稿予定です!完結まで書き上げており、字数13万時程度の作品となります。よろしくお願い致します!
その日、国中の明かりが落とされたまま日没の時刻を迎えた。西の空に隠れたばかりの太陽の余韻がほのかに残るばかりで、新月の今宵は間もなく全てが暗闇に包まれる事だろう。王城でさえも一切の明かりを灯す事なく静かに聳えたっている。多くの民衆がその大きな黒い城を、特別解放された王城前の広場から見上げていた。
民衆の見つめる先には婚礼や即位といった特別な式典の際に、主役となる王族が立ち民にその姿を見せるバルコニーがあるはずだ。そこに現れる人を民衆は待っているのだが闇が深まるとその場所も曖昧で、誰もがあの辺りだろうと当たりをつけて見上げるしかなかった。
暗闇の中では遥か遠くのバルコニーに人が立ったとて、国民の位置からはそれに気づく事は出来なかい。美しい女性が黒衣を纏い眼下の国民のそんな様子を、面白がる様に眺めて笑みを浮かべていた。同じく黒衣に身を包む男にその肩を抱かれながら。
シリーズの三作目となりますがこちらだけでも楽しんで頂ける内容になってます。ですが分かりづらかったりしたら申し訳ありません。。
活動報告にこれまでの登場人物を紹介してますので良かったらご覧ください(^人^)