決意表明 後編
久しぶりの更新です
遅くなってすみません。
今回はちょっと長めです。
「どうしたの!?とりあえずこっち来て!」オーナーが手招きをしながら倉嶋を呼んだ。倉嶋は、息を切らしたままオーナーの方に近づいていった。
「とりあえず、ここの中に隠れてて。後で何があったか教えてね。」と言い、店の奥の扉に連れて行った。倉嶋がその中に入り、オーナーが鍵を閉めてカウンターの方へ戻ってきた瞬間に、ある人物が店の中に入ってきた。
「玲香!!どこにいるんだ!」と声を上げながら。すかさずオーナーが声をかける。「そんなに大きな声を出されてどうされましたか?」
「玲香は何処にいるんだ!!!」
「玲香さん…ですか。私は、存じ上げませんが、その様子からして探されてるんですよね?」
「お前には関係ないだろ!」
「…少し声のボリュームを落としていただけますか?ほかの子たちが怖がってしまいます。」急に店入ってきた男に淡々と、それでいて相手も、話を聞いている第三者にも不快感をもたらさない話し方で会話をしている。しかし、店に来ている他の皆が驚いたような顔をしていた。そして、僕もこの状況に驚いていた。なぜなら、いつも表情豊かで楽しそうに僕ら子供たちと話しているオーナーが、あんなにも淡々とほぼ無表情に近いような顔で話していたからだ。そのような顔のままずっと会話を続けてる。こうして驚きながら話を聞いていると、三つ、わかったことがあった。一つ目は、あの男は玲香の父親だということ。二つ目は、玲香はあの男に操り人形にされているということ。三つ目は、あの男は、玲香と玲香の母親にも暴力をふるっているということ。この三つを僕が心の中で話を整理し終わる頃に、男がオーナーの胸ぐらをつかみ、声を荒げ言った。「いい加減玲香を出せ!さもないと…」
「さもないと、何ですか?警察に通報しますか?私を訴えますか?そんなことをすれば捕まるのは、お客様の方ですよ?」男に言われたことに対して返した言葉がそれだった。いつの間にか集まっていた子供全員がきょとんとした顔をしていた。「あ゛?どういうことだ?」
「まず、お客様がいま行ったこの胸ぐらをつかむ行為。これは、法律的に暴行罪に値します。また、玲香さんや玲香さんのお母さまに行ってるという暴行。それは、家庭内暴力に値します。」
「それがどうした、俺が暴力をふるっている証拠なんてないだろ?ここで胸ぐらをつかんだという証拠も!それに、ここに警察が来たらお前も逮捕されるだろ!」
「ここには、監視カメラが設置してありますし、音声も取れています。それだけで十分な証拠になります。家庭内暴力に関しては、玲香さんや玲香さんのお母さまの姿、証言が決定的な証拠になるでしょう。それに、私は捕まりませんよ。」
「そんなわけないだろ!こんな時間に子供だけしかいない、しかも酒を提供するバーなんて、犯罪に決まってる。」
「決めつけるのはやめてください。それに、このバーは子供専用なので、お酒を提供していません。飲み物はすべてソフトドリンクです。」男に胸ぐらをつかまれていたオーナーが男に様々な犯罪行為や罪、そしてこのバーについての簡単に説明を始めた。しかし、その説明を遮って男が再び声を荒げる。先ほどよりも大きな声で。「だからといって、市が営業を許可するはずがない!」
「許可を得たから営業しているんです。まぁ、許可を得るのに丸三年かかりましたが…。」それを聞いて男が黙り始めた。すると、ほんの少しだけ口角を挙げたオーナーが再び話し始めた。「それでどうするんですか?警察、呼びますか?」と男に問う。「…もういい!」と不貞腐れる態度で店を出て行った。
男の姿が見えなくなったときオーナーが「はぁぁぁ…怖かった…。」と声を上げた。「大丈夫?」と声をかけた。するとオーナーは「大丈夫なんだけどさ…流石に疲れっちゃった。」と言った。続けて「玲香ちゃんのところ行ってくるね。ほかの皆は帰る用意しといてね~」と言い倉嶋のところに向かった。「玲香ちゃんお待たせ~。もう大丈夫だよ~」
「…ほんと?」
「うん、ほんと。」
「ありがと。オーナー。」
倉嶋とオーナーは会話を交わしカウンターの方へ戻ってきた。周りを見渡すともうほとんどほかの子はいなくなっていた。
「ただいま~ってもう柚希君以外いないじゃん。」
「オーナーと玲香が話してる間に皆さっさと帰っていったよ。お金、そこ置いとくってさ。」といいながら、レジ近くのカウンターを指さす。
「ありがとー。もう閉店時間だし私たちも帰ろっか。」
「うん。僕も家帰ろ。」
「玲香ちゃんはどうする?多分家帰りたくないよね。」
「…うん。」
「じゃあ私の家来る?」
「いいの?」
「もちろんいいよ。」
「じゃあそうする。」
さっきのオーナーと僕の目の前で行われている会話を見てようやく決断することができた。そして、覚悟も決まった。
「ねぇ、オーナー?」と声をかける。
「どうしたの?」
「オーナーの夢の件なんだけど…」
「…うん。答えは決まった?」
「うん。決まった。」
「じゃあ聞いていい?その答え。」
「…手伝いたい。オーナーの夢、僕も手伝いたい。」
「わかった。じゃあ、あと二年。耐えれる?」
「わかった。あと二年だね。耐えるよ。」
「ありがとう。…あ、卒業式の日わかったら教えてねその日に必ず迎えに行くから。」
「了解。じゃあ、そろそろ帰ろうかな。親起きるとやばいし。」
「OK。多分明日も来るよね。」
「うん。」
「了解。じゃあまた明日。」
「うん。バイバイ。」
そこで会話が終わり西島は、家に向かっていった。
お久しぶりです。
長い間更新してなくてすみません。
待ててくれた読者の方々、本当にありがとうございます!
これからも不定期更新ですが、必ず完結まで上げ続けます!
なので、これからもよろしくお願いします。!




