柚希の夢
前回から無理やり現実に戻したので少しややこしいかもしれないですが読んでいただけるととても嬉しいです。
「これが私の過去。それで、困ってる学生たちの居場所とか逃げ場になったらいいなぁと思ったからここを開店させたの。」オーナーの過去を知った。思っていたよりも二倍も三倍も壮絶な過去だった。鏡を見たわけじゃないから自分の感覚だけど、目が点になっていたと思う。するとオーナーが「どうしたの?目が点になってるよ。」と笑いながら言ってきた。続けて「柚希君、将来の夢とかあるの?」と聞いてきた。「ないよ。強いて言うなら親とか学校のやつらみたいになりたくない、かな。」
「そっか。だからさっき、私の夢手伝いたいっていったの?」
「多分そうだと思う。」
「‟多分“なの?」
「…うん。さっきは勢いで言っただけだし、親がこんないい駒を手放すわけがないしね。」
「…言いたくないならそれでいいんだけどさ、家でどんな扱いを受けてか教えてくれない?」
「ほぼ奴隷みたいな扱いだよ。洗濯しろとか料理作れとか。それと親の機嫌が悪いときは最悪。殴るったり蹴ったりしてくる。まぁ、殺されないだけマシだよね。」
「…それは学校でも?」
「いや、学校の中で僕は、いないものとして扱われてるよ。」
「…じゃあほんとに居場所がないんだね。」
「うん。」と、僕の家のことや学校のことを話した。いろいろな会話をした。楽しい話、将来のこと、時々真剣な話。そんなことをたくさん話していた。そして、話のキリがいいがいいところでオーナーが突然「話すのは全然いいんだけどさ、そろそろ帰る用意始めなよ。もう4時だし。」と言い、店の奥の席にいた子たちにも同じように声をかけていた。「一週間。」とまた急にオーナーが僕だけに向けて言った。なにが一週間なのか僕にはわかなかった。だから聞いた。「何が?」と。「私の夢を手伝うかどうかを決める時間。」と、とても真剣な、でもどこか寂しそうで悲しそうなそんな顔で言ってきた。
「…え?」
「半端な覚悟でできる世界じゃない。それに、柚希君はまだ十七歳。若すぎる。そんな未来ある子の人生を私の夢のために壊せない。」
「……」
「だから、本気で手伝う気があってその覚悟が決まったなら一週間後、ここで答えを聞かせて。」
「…そんなのYesに決まって『それにこれは、私の決意を固める期間でもある』」
「…え?どういうこと?」
「柚希君がどの選択をしても受け入れる覚悟をする時間。」
「なるほどね…。分かった。これからもお店に来るけど答えは一週間後に言うね。」
「うん。わかった。」
「また明日ね。」
「うん。また明日。」そう会話を交わし僕は、お店を出て帰路に就いた。そして、家に着いた後、親にばれないようにコッソリ部屋に入ってベッドに行き眠りについた。
今回も読んでいただきたいありがとうございます!
これからも不定期ですが連載を続けるので読んでいただけると幸いです。
これからもよろしくお願いします!