君とのサヨナラ。
「またね」
ひきっつた笑顔の
あまりにも悲しそうな
君の笑顔。
私の自己中心的な愛に巻きこんでしまった
愛しかった君の笑顔。
別に君のことが嫌いになったわけじゃないの。
ただ、
君の隣で幸せそうに寄り添う私が嫌いになっただけなの。
君の愛で
幸せに溺れてゆく
かつてのダメな私
あの頃の私は
君との幸せな日々の中
新しい朝がやってくる度に
考えていた。
果たして、このままでいいのだろうか?
突然上がった疑問じゃなかった
きっと君との愛にこの身をゆだねたときからの疑問だった
君の愛に溺れていく毎日は、
果たして、私の可能性を殺してはいないだろうか?
果たして、私の未来を殺してはいないだろうか?
君と私の愛の日常
いつのまにか私は
その中に非日常を追い求めるようになっていた。
私は外を知らない。
私は君との内側で
いつも、小さな窓から外を眺めてた
その眼差しのなかに
子供のような夢を見て
キラキラを追い求め、
形のない想像が
私を夢へと駆り出して
私は知らずと駆け出し
ドキドキとワクワクが
私の中でいつも響き渡っていて・・・・・・
きっと、私はこのままじゃダメなんだ。
ある日、決断が出る。
思い立ったら、即実行。
ずるずると引きずっていても
しょーがないと思ったから
最低限の
日常から引きずり出した荷物をもって
私は少女に戻ったかのように
純真無垢な心に戻ろうとしていた
ふと、
最後に君が気になった
私の愛に振り回されていた君は
私がいなくなっても、
ちゃんと君でいられるのだろうか、と。
私が私を変えようと君とサヨナラするならば、
必然的にこのサヨナラは君をも変えてしまうだろう。
最後の不安に
君は笑って答えたんだ
私の大好きな笑顔で
悲しそうに微笑んで
またね、って・・・・・・
うん。
またね。
君との日々は過去のものになり、
きっと
次に会うときは
今の“君”と“私”じゃないと思うけど
多分、そこに今まで通りの“愛”はないと思うけど
私は確かに
君を愛してたんだ。
ドアの外に出た瞬間、
君のテリトリーから抜け出した瞬間、
私はもう、
君のことなど、忘れてしまっていた。