表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/61

王女捜索4

「姫様ー、妹君がお呼びですよー」

「はーい、今行くからちょっと待っててー」


 ノックをすると、珍しく姫様から返答が返ってきた。さすがに昨日の今日で、城を抜け出すような事はしないようだ。


「あっ、リュクスさん!」

「おー昨日の」


 昨日焼き菓子をくれた侍女が声を掛けてくれた。


「昨日のクッキー美味かったよ、ありがとう」

「ホントですか!? 作ってよかったです!」

「ホントホント、姫様も大絶賛」


 あまりに絶賛していたので姫様が八割くらい食ってたことは本人の名誉のために黙っておこう。


「え、あっ……ありがとうございました。じゃあ、また作りますね!」


 侍女はそれを聞いて少し気落ちしたように見えたが、俺は気付かない振りをする。仕事をする上で距離感は大事なのだ。


 さて、姫様はそろそろ出てきてもおかしく無い頃だが、準備に手間取っているらしい。


「姫様ー? まだですかー?」


 ……返事が返ってこない。


 嫌な予感がして、扉を開く。目の前には昨日と同じ光景が広がっていた。


「はぁー……」


 頭痛に頭を抑えつつ、窓の下を見ると角材で簡易的な足場が作られていた。昨日話したのはそういう事じゃないんだよなぁ……


 仕方ない。いつも通り窓とカーテンを閉めて、俺は城下町へ姫様を探しに行くことにした。


 実際の所、この日常は嫌いじゃないとは口が裂けても言えないな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ