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転星 ~アラフィフOLの転星譚~  作者: 劉白雨
< 資料集 >
1/25

【資料】 - 用語解説 -

こちらは【資料】になります。本文は「<序章>-誕生-」からになります。


なお、最新更新内容までの解説となりますので、ネタバレ等、閲覧にはご注意ください。


【前置き】

 この物語に出てくる用語の解説です。主人公が作った言葉を中心に、集録しています。また物語が進むごとに、内容を順次更新していきます。なお、集録順序は五十音順で、一般的な専門用語については集録していません。


【用語解説】


- あ行 -


<泡細胞(あわさいぼう)>

 桜雲星に誕生した初めての細胞生命。外部を細胞膜で守り、内部に遺伝子体を持つ。


<泡生物超界(あわせいぶつちょうかい)>

 桜雲星五超界の一つ。原始生物である泡細胞が属する超界。「五超界ごちょうかい」を参照。


<蔚蘚類(いせんるい)>

 陸上に上陸した最初の植物。水辺や湿地に生息する。葉は匍匐して伸びる葉状体で、胞筴と呼ぶ生殖細胞で繁殖する。岩蘚、土蘚などの種が存在する。


<異態微生物(いたいびせいぶつ)>

 略称は「異微いび」。

 泡細胞が突然変異して誕生した生物。泡細胞とは異なる形質を持ったものを指す。その形質は千差万別で、固有の生体に適した形質を獲得した。名称の由来は「泡細胞とは異なる生態を持つ微生物」を省略。 


<異態微生物超界(いたいびせいぶつちょうかい)>

 桜雲星五超界の一つ。異態微生物(異微)が属する超界。「五超界ごちょうかい」を参照。


<一カ所集中認識(いっかしょしゅうちゅうにんしき)>

 主人公の認識能力の名称。一カ所に集中して認識する能力。「全天球認識」と対をなす。


<遺伝子体(いでんしたい)>

 「桜雲型遺伝子体」の略称。「桜雲型遺伝子体おううんがたいでんしたい」を参照。


<異微(いび)>

 「異態微生物」の略称。「異態微生物いたいびせいぶつ」を参照。


<異微特殊部隊(いびとくしゅぶたい)>

 異態微生物の内で先に上陸したもの。名前は、進化という過酷な訓練を経て、上陸を果たしたことに由来する。


<宇宙の波動(うちゅうのはどう)>

 宇宙全体から届く波動で、この波動には様々な宇宙の情報が含まれており、天体や宇宙に存在する物質の状態が認識できる。宇宙の真理が隠されているかもしれないと、主人公は考えている。


<禹余星(うよせい)>

 重連惑星清天連星の構成惑星の一つ。緑銀色りょくぎんしょくの惑星で、道教で言う三清天の一つ「禹余天」より名称を拝借した。


<エネルギーの波動(えねるぎーのはどう)>

 宇宙に存在するエネルギーが発する波動で、この波動からは、エネルギの流れやパターンを認識できたり、星が発するエネルギーや宇宙が持っている膨大なエネルギーの動きを把握できたりする。


<炎熱星(えんねつせい)>

 かつて存在した「火炎四兄弟」の惑星の一つ。冥走星の天照突入に巻き込まれた惑星。大きさは桜雲星の衛星、那美よりやや小さい。


<桜雲型遺伝子体(おううんがたいでんしたい)>

 略称は「遺伝子体いでんしたい」。塩基、糖、リン酸の三つから構成される生体高分子である。主人公はRNA、DNAの区別なく、遺伝情報を持つものすべてを遺伝子体と呼んでいる。


<桜雲星(おううんせい)>

 主人公が転生(転星)した惑星。桜雲とは桜の花がたくさん咲いて雲のように見えることを言い、主人公は桜が好きだった日本人の心を忘れないため、また自分の星という意味で、英語のownに音が似ていることから、この名を付けた。

 天照系の第六番惑星。大きさはほぼ地球の二倍。ハピタルゾーンに位置し、生命が誕生した。衛星が二個(那岐と那美)、環が四環(玄、翠、碧、晶)ある。


- か行 -


<鎧索蟲類(がいさくちゅうるい)>

 環甲蟲類から進化した動物。「鎧」は甲冑、「索」は縄の意味を持ち、鎧のような皮膚が、一本の縄のような背行血管で繋がっているため、このように名付けられた。


<火炎四兄弟(かえんよんきょうだい)>

 かつて存在した四惑星、猛炎星、炎熱星、紅蓮星、灼熱星の四星を指す総称。天照の一番近くを公転し、冥走星の突入に巻き込まれ消滅した。「猛炎星もうえんせい」、「炎熱星えんねつせい」、「紅蓮星ぐれんせい」、「灼熱星しゃくねつせい」を参照。


<殻甲蟲類(かくこうちゅうるい)>

 殻蟲類から進化した動物。硬い殻を纏っている。


<殻蟲類(かくちゅうるい)>

 軟蟲類から進化した動物。


<殻卵類(かくらんるい)>

 転態類から進化した、殻付きの卵を産む動物。陸上に卵を産み付け、昆蠕類などを餌にすることで、殻を形成するのに必要なカルシウムを摂取する。


<風間朋裕(かざまともひろ)>

 主人公が中学時代のクラスメート。イケメンで文武両道、後に東大に入った。中学最初の中間試験で、水井先生の難問を解けた3人の内の一人。


<環甲蟲類(かんこうちゅうるい)>

 環蟲類から進化した動物。ここから昆蠕類が進化する。環のような硬い殻を全身に纏っている。


<環蟲類(かんちゅうるい)>

 軟蟲類から進化した動物。環のような殻を全身に纏っている。


<岩蘚(がんせん)>

 蔚蘚類の一種。岩礁や湖川の岩場などに付着して生息する、葉状体の植物である。この岸蘚は、見た目が地衣類に似ているが、苔類のような性質を備えた植物で、胞筴と呼ぶ生殖細胞で繁殖する。


<紅蓮星(ぐれんせい)>

 かつて存在した「火炎四兄弟」の惑星の一つ。冥走星の天照突入に巻き込まれた惑星。大きさは桜雲星の衛星、那美よりやや小さい。


<原核泡細胞(げんかくあわさいぼう)>

 泡細胞が進化して巨大化した泡細胞の総称。形質は基本的に泡細胞とさほど変わらないが、大きさは泡細胞の十倍ほど巨大化した。


<原核泡生物超界(げんかくあわせいぶつちょうかい)>

 桜雲星五超界の一つ。原核泡細胞が属する超界。「五超界ごちょうかい」を参照。


<玄環(げんかん)>

 桜雲星の環の一つ。四本の内一番内側の環を指す。深く濃い青色をした、サファイアブルーとも言える色をしている。一番密度が高く、高比重の岩石が集まっていて、非常に硬い高密度なガラス質の岩石が周回している。


<原翠類(げんすいるい)>

 プランクトンの様な植物。植物性多細胞生物として原草類から進化した。光合成によって有機物を生成する。生息地は海洋の表層や湖川など。「硫原翠」と「水原翠」の二種類が存在する。


<原蘚類(げんせんるい)>

 原翠類から進化した植物。水辺などに生息するが、水中でなければ生存できない。


<原草類(げんそうるい)>

 植物性多細胞生物。プランクトンのような、化学合成をおこなう植物。光を必要としないため、深海や熱水噴出孔、間欠泉などで生息している。この形質のお陰で、全球凍結時代を生き抜く事ができた。


<原蟲類(げんちゅうるい)>

 動物性多細胞生物。原始的な動物で、動物の祖先とも呼べる存在。骨格がなく内臓器官、捕食器官、運動器官など、すべての器官が原始的で単純な構造であり、身体が柔らかいため、形態の自由度が非常に高い動物である。代表的な種に「始原蟲」がいる。他にも「動躍蟲」「呑噀蟲」「口啄蟲」などが存在する。


<紅輝星(こうきせい)>

 天照系最大のガス惑星。大きさは天照のおよそ八分の一。高貴な感じのする紅く輝く惑星。


<口啄類(こうたくるい)>

 動物性多細胞生物である原蟲類の一種。細長い器官を獲物に刺して体液を吸引する。


<后羿星(ごげいせい)>

 重連惑星中秋連星の構成惑星。「嫦娥奔月」の神話に登場する弓の名手である后羿ごげいの御名から拝借。黄白色の惑星で、情熱的な后羿の人物像に合っていると主人公は思っている。「中秋連星ちゅうしゅうれんせい」を参照。


<五超界(ごちょうかい)>

 桜雲星における生物分類の最高階層のこと。「5ドメイン」または「桜雲星五超界」とも言う。「泡生物超界」「異態微生物超界」「原核泡生物超界」「真核泡生物超界」「微琉生物超界」の五つに分類される。


<5ドメイン(ごどめいん)>

 「五超界ごちょうかい」を参照。


<昆蠕類(こんぜんるい)>

 環甲蟲類から進化した動物。「昆」は群れる、「蠕」は蠢くと言う意味で、群れで蠢く様を表した名称である。皮膚の硬化を進めず、体節を頭部、胸部、腹部の三部に纏め、動くことに特化した身体をしている。呼吸法は気管を用いる。また翅は持たない。


- さ行 -

<鰓鰭蟲類(さいきちゅうるい)>

 鰓鰾類から進化した動物。鰭を持つことで泳ぐことに特化した。


<鰓肢蟲類(さいしちゅうるい)>

 鰓肺類から進化した動物。浅瀬に生息し、泳ぐことに特化せず、水中を必要最低限移動できれば良いため、鰭ではなくてあしに進化させた。 


<鰓肺類(さいはいるい)>

 鱗鰓類から進化した、鰓と肺を持つ動物。骨で内臓を水圧から保護することで、内臓が発達した。鰓肺類の肺は、取り込んだ酸素などを保存し、浮き代わりに使用したり、酸素ボンベのように緊急時に酸素供給ができる機構として、消化器官から分離した「のう」が進化してできた呼吸器官である。


<鰓鰾類(さいひょうるい)>

 鰓肺類から進化した、浮袋を持つ動物。肺が呼吸器官としての役割よりも浮きとしての役割を強化した「ひょう」となり、体内で発生したガスや油分の量を調節することで、浮沈を調整する。


<作酸素異微(さくさんそいび)>

 異微が変異した生物。光合成によって酸素と有機物を作り出す異微のこと。水と二酸化炭素を反応させ、酸素と有機物を合成できる異微のこと。


<始原蟲(しげんちゅう)>

 原蟲類の代表的な種。骨格や消化器官などの体内組織はなく、身体をくねらせたり、繊毛や鞭毛などを使って移動する。獲物の捕獲は、全身で包むか、開口部から捕食する。大きさは数㎝ほどだが、これまでの生物よりも巨大化した。


<髭蘚(しせん)>

 蔚蘚類の一種。岩場に吸着しやすくするために、葉の裏側に髭のような器官を伸ばした植物。


<自然の波動(しぜんのはどう)>

 自然界が発する波動で、火や水、大気や大地などの動きや、自然界の力や変化、状態を認識でき、惑星の環境変化や自然のバランスを把握することができる。


<灼熱星(しゃくねつせい)>

 かつて存在した「火炎四兄弟」の惑星の一つ。冥走星の天照突入に巻き込まれた惑星。大きさは桜雲星の衛星、那美よりやや小さい。「火炎四兄弟かえんよんきょうだい」を参照。


<蛇遊星(じゃゆうせい)>

 かつて存在した惑星。公転軌道が蛇のように蛇行していたため、蛇遊と名付けた。公転軌道を外れ、丹赭星たんそうせいと衝突し消滅した。


<主人公(しゅじんこう)>

 この物語の主人公。転星前の名前は不明。転星後は自らを桜雲星と名乗る。転星時の年齢は47歳、身長163㎝、体重58㎏。一般職のOL。帰宅時に信号無視のトラックに轢かれて転星した。


<種胚(しゅはい)>

 種子のこと。種胚植物は種子植物、裸胚植物は裸子植物、被胚植物は被子植物をそれぞれ指す。形質は地球のものと若干異なる場合がある。


<種胚植物(しゅはいしょくぶつ)>

 いわゆる種子植物のこと。形質は地球のものと若干異なる場合がある。


<嫦娥星(じょうがせい)>

 重連惑星中秋連星の構成惑星。「嫦娥奔月」の神話に登場する后羿ごげいの妻である嫦娥じょうがの御名から拝借。銀白色の惑星で、冷徹な裏切りを平気でするような人物像に合っていると主人公は思っている。


<晶環(しょうかん)>

 桜雲星の環の一つ。四本の一番外側の環を指す。淡い青や銀青色、オパールのような色をしている。もっとも比重が低く、ガラス質の岩石には空洞や気泡が多く交じり、天照光を乱反射し、桜雲星の地上から見上げると、夜間には一筋の美しい光のラインを見ることができる。


<触獲蟲(しょくかくちゅう)>

 原蟲類の一種。触覚のような捕獲器官を発達させた生物。


<植物性真核泡細胞(しょくぶつせいしんかくあわさいぼう)>

 真核泡細胞のうち、用酸素異微と作酸素異微の両方を取り込んで共生し、運動機能はあまり発達しなかったものを指す。


<真核泡細胞(しんかくあわさいぼう)>

 原核泡細胞が進化したもの。細胞核を持ち、異微を体内に取り込み共生をする。異微に栄養源を供給する代わりに、異微からエネルギーや生産物を受け取る。体内に取り込まれた異微はやがて小器官として統合される。


<真核泡生物超界(しんかくあわせいぶつちょうかい)>

 桜雲星五超界の一つ。真核泡細胞が属する超界。「五超界ごちょうかい」を参照。


<翠環(すいかん)>

 桜雲星の環の一つ。内側から二番目の環である。濃い緑色で、翡翠色とも言える色をしている。玄環よりやや比重が低く、密度もやや低いガラス質の岩石が周回している。


<水原翠(すいげんすい)>

 原翠類の一種。硫原翠と対をなす。水と二酸化炭素を光合成するものを指す。


<清天連星(せいてんれんせい)>

 氷惑星群に位置する、三重連星の名称。道教で言う天上界の最高天である「三清天」より名前を拝借。大赤星だいせきせい禹余星うよせい清微星せいびせいの三惑星を有する。


<清微星(せいびせい)>

 重連惑星清天連星の構成惑星の一つ。青白色せいはくしょくの惑星で、道教で言う三清天の一つ「清微天」より名称を拝借した。「清天連星せいてんれんせい」を参照。


<生命体の波動(せいめいたいのはどう)>

 生命体が発する波動で、生命の存在や健康状態などを認識できる。


<脊索蟲類(せきさくちゅうるい)>

 鱗甲蟲類から進化した動物。内骨格を持つ。後の脊椎動物の祖先とも言える。この骨格により体内器官が水圧などから守られ、内臓を進化させた。


<扇樹類(せんじゅるい)>

 扇葉類から進化して、数十メートルの高さにまで伸びた樹木を指す。


<全天球認識(ぜんてんきゅうにんしき)>

 主人公の認識能力の名称。全方位を一括で認識する能力。


<扇葉類(せんようるい)>

 蔚蘚類から進化した植物。葉が扇のように広がり、天照光を受けやすいように進化した。背丈が十数㎝ほど。胞筴によって繁殖する。水辺から多少離れた場所でも、一定の雨量と、土壌に湿り気があれば生息できる。


- た行 -


<第一次生物爆発時代(だいいちじせいぶつばくはつじだい)>

 桜雲星における、生物の多様化が爆発的に加速した最初の時代。五超界の生物が大量に増殖や繁殖を繰り返し、単細胞生物が多細胞生物へと進化して、様々な形質の生物が誕生し、巨大化していった時代を指す。


<大赤星(だいせきせい)>

 重連惑星清天連星の構成惑星の一つ。赤青色せきせいしょくの惑星で、道教で言う三清天の一つ「大赤天」より名称を拝借した。「清天連星せいてんれんせい」を参照。


<丹赭星(たんそうせい)>

 岩石惑星の名称。丹は黄みがかった赤色で、赭は赤土のこと。「丹赭」とは美しい赤色をした惑星を意味します。その美しさから、女性のような優しさをイメージしてこの名を付けた。


<中秋連星(ちゅうしゅうれんせい)>

 氷惑星群に位置する、二重連星の名称。后羿星ごげいせい嫦娥星じょうがせいを有する。后羿と嫦娥が登場する「嫦娥奔月」の神話にちなみ「中秋連星」と名付けた。


<天照(てんしょう)>

 恒星。名前は「天照大神あまてらすおおみかみ」の御名から拝借。大きさは太陽のほぼ二倍。


<天照系(てんしょうけい)>

 天照および天照の周囲を公転する天体で構成される惑星系のこと。初期は百個弱の惑星が存在。現在十五個にまで減少。天照を中心に、岩石惑星群、小惑星群、ガス惑星群、氷惑星群、外縁小惑星群で構成される。大きさは太陽系のほぼ二倍。


<転態類(てんたいるい)>

 鰓肢蟲類から進化した動物。幼生の間は泳ぐことに特化した形態で、鰓呼吸をして水中で過ごし、変態して四肢が伸び成体になると、肺呼吸に切り替わり、陸上で生活する。


<桃双連星(とうそうれんせい)>

 岩石惑星群にある重連惑星。「桃太郎星」と「桃姫星」の二つからなる、ピンク色の二重惑星。


<動物性真核泡細胞(どうぶつせいしんかくあわさいぼう)>

 真核泡細胞のうち、用酸素異微のみを取り込んで共生し、運動機能が発達したものを指す。


<動躍蟲(どうやくちゅう)>

 原蟲類の一種。身体の一部を平らにして動かすことで推力を増した動物。


<土蘚(どせん)>

 蔚蘚類の一種。岩場だけでなく土などの土壌でも生息できる植物。


<呑噀蟲(どんそんちゅう)>

 原蟲類の一種。開口部が異常に大きく、獲物を丸呑みする動物。


- な行 -


<那岐(なぎ)>

 桜雲星の衛星。名前は「伊耶那岐いざなぎ」の御名から拝借。大きさは月の一倍半ほど。鈍い銀灰色した衛星で、表面にはゴツゴツした岩石が多く存在し、クレーターも数多く存在するが、なかにはガラス質の岩石も多数存在し、天照の光を反射したガラス質の岩石が、宝石のような輝きを放っている。


<那美(なみ)>

 桜雲星の衛星。名前は「伊耶那美いざなみ」の御名から拝借。大きさは那岐の半分ほど。比較的滑らかな表面をしていて、銀白色に淡い青色が所々混じったような美しい衛星である。表面にはガラス質の岩石が多数存在し、宝石のような輝きを放っている。


<軟蟲類(なんちゅうるい)>

 原蟲類から進化した動物。消化器官が発達し、体内に腸のような消化器官を持ち、開口部から獲物を取り込み、胃のような消化器官内で消化して、反対の開口部から不要物を排泄する。また、巨大化したため器官同士、細胞同士の情報伝達や栄養物の輸送を効率良くおこなうため、神経系や血管網が発達し始めた。生殖は、雌雄で配偶子の放出タイミングを合わせ、同時に放出することで、受精の確立を上げていた。


<二超界(にちょうかい)>

 桜雲星における生物分類の最高階層のこと。「泡細胞」と「異微」に分類する。「2ドメイン」または「桜雲星二超界」とも言う。


- は行 -


<八系統の感覚の波動(はちけいとうのかんかくのはどう)>

 人間が受容する八系統の感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚、自己受容感覚、平衡感覚、内臓感覚)の波動。この波動の情報を受け取ることで、人間同様の感覚を得ることができる。ただし、嗅覚や味覚は物質の化学変化を受容感覚器感で知覚し、経験則によって判断するため、知覚する物質の状態変化は認識できるが、芳香、悪臭、美味、不味いの判断はできない。


<波動(はどう)>

 宇宙に存在するすべての物質が発するもの。物質が発する波動の情報を受け取ることで、主人公は周囲の状況、状態を認識することができる。「八系統の感覚の波動」「エネルギーの波動」、「宇宙の波動」、「自然の波動」、「生命体の波動」の五つに主人公は分類しているが、波動の情報には識別がなく、波動には物質が発した状況や状態の情報が含まれているだけである。


<光の波動(ひかりのはどう)>

 エネルギーの波動の一種。光が発する波動で、映像情報として認識することができる。


<被胚植物(ひはいしょくぶつ)>

 種胚植物の一種。種胚が殻で覆われている植物。いわゆる被子植物のこと。形質は地球のものと若干異なる場合がある。


<微琉(びりゅう)>

 桜雲星にいるウイルスのこと。主人公は生物と認識している。遺伝子体にタンパク質の殻を纏った生物。ウイルスのように他の生物に寄生して増殖する。他の生物にとっては毒にも薬にもなる存在。微琉とは「微細な宝石」と言う意味で、「琉」の字は宝石の琉璃るりから採っている。


<微琉生物超界(びりゅうせいぶつちょうかい)>

 桜雲星五超界の一つ。微琉が属する超界。「五超界ごちょうかい」を参照。


<碧環(へきかん)>

 桜雲星の環の一つ。内側から三番目の環である。淡い青色で、澄んだ青空のような色をしている。昼間桜雲星の地上から見上げると透明感が増し、その美しさは群を抜いている。


<胞筴(ほうきょう)>

 生殖細胞の一種。植物が生殖細胞生成器官によって生成し、単独で発芽し新たな個体を作り出す細胞である。胞筴は無性生殖の生殖細胞で、放出後条件が揃うと、有性生殖を単独でおこない子孫を残す。


<胞筴嚢(ほうきょうのう)>

 胞筴を保護し、大量に保管しておくための器官。条件が整うと一挙に胞筴を放出する。


<墨黒星(ぼっこくせい)>

 かつて存在した岩石惑星。漆黒の色をした惑星。紅輝星に衝突して消滅した。 

 

- ま行 -

<水井先生(みずいせんせい)>

 本名は水井史崇みずいふみたか。主人公が中学時代の理科の先生。主人公に「選択するのではない、選択されるのだ」と言うトラウマを植え付けた張本人。定期試験で配点50点の超難問を一題出題する。この定期試験の超難問を解けなかった主人公が落ち込み、トラウマを抱えるに至った。


<冥走星(めいそうせい)>

 かつて存在した氷惑星の名称。公転軌道は楕円形で、長径は清天連星の外側に達し、短径は紅輝星の内側までしか達していない。公転軌道を外れ、「火炎四兄弟」と名付けた猛炎星もうえんせい炎熱星えんねつせい紅蓮星ぐれんせい灼熱星しゃくねつせいの四惑星を巻き込み、天照に呑み込まれて消滅した惑星。


<猛炎星(もうえんせい)>

 かつて存在した「火炎四兄弟」の惑星の一つ。冥走星の天照突入に巻き込まれた惑星。大きさは桜雲星の衛星、那美よりやや小さい。


<桃太郎星(ももたろうせい)>

 重連惑星桃双星の構成惑星。全体が濃いピンク色をしていて、南半球に赤い線が一本入っている。「桃双星とうそうせい」を参照。


<桃姫星(ももひめせい)>

 重連惑星桃双星の構成惑星。全体が薄いピンク色をしていて、北極部に赤い円がある。「桃双星とうそうせい」を参照。


- や行 -


<瑶玉星(ようぎょくせい)>

 かつて存在したガス惑星。光沢や色彩が美しい、まるで宝石のような惑星。琳玉星りんぎょくせいに衝突して消滅した。


<用酸素異微(ようさんそいび)>

 異微が変異したもの。酸素を用いて化学合成で有機物を作る異微のこと。作られた有機物はエネルギー分子として消費される。


- ら行 -


<裸胚植物(らはいしょくぶつ)>

 種胚植物の一種。種胚が剥き出しになっている植物。いわゆる裸子植物のこと。形質は地球のものと若干異なる場合がある。


<立体録画機能(りったいろくがきのう)>

 主人公の能力。主人公が認識しているものはすべて原子のレベルまで、全天球で記録され、主人公が望めば何度でも見返すことができる能力。記録場所も、記録容量も、記録方法も不明だが、波動によって記録されていると主人公が認識している。


<硫原翠(りゅうげんすい)>

 原翠類の一種。水原翠と対をなす。硫化水素と二酸化炭素を光合成するものを指す。


<琳玉星(りんぎょくせい)>

 ガス惑星の名称。瑶玉星ようぎょくせいと対をなしていた、美しい模様をした宝石のような惑星。


<鱗甲蟲類(りんこうちゅうるい)>

 鱗蟲類から進化した動物。硬い鱗を持つ。


<鱗蟲類(りんちゅうるい)>

 軟蟲類から進化した動物。身体に鱗うろこのような形状をした、薄くて硬い膜をいくつも纏って身体を保護している蛇のような形状をした動物である。

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