君がつけていた香水は
序盤に少し性的なシーンがあります。一応その部分の前後は改行したので苦手な方は飛ばしてください。
「はぁっ······はぁっ······」
香水の匂いを嗅ぎながらただ陰部を手で擦り続ける。
脳が香水の匂いを知覚するたびに彼女が今、目の前に居るかのような気がして興奮が収まらなくなる。
どんどん身体が精子を排出しようと動いているのがわかる。
そして俺は今日も彼女のことを思いながら、ティッシュに自分の欲望を吐き捨てたのだった。
「あ、もう香水無くなりそうだな······」
手に持った瓶を眺め、そう呟く。
今持ってるのが多分最後だな。
あと4分の1も無いし、そろそろ買いに行かないと。
まあ毎回使ってるし、しゃあないと言えばしゃあないか。
どうせ今日は会社も休みだし、友人とは何も無いし、買いに行くか。
あ、その前に身だしなみぐらい整えとかないと。
シャワーを浴びて、歯を磨いて、寝間着を着替えて、靴を履いて出掛ける。
車のドアを開け、エンジンをかけ、いつもの店へ行く。
5分程車を走らせて着いたのは Your Fragrance という、香水が有名で化粧品を主に扱っている店だ。
「こんにちは、ホワイトバイオレットを1箱でお願いします」
「ホワイトバイオレットですか?······少々お待ちください」
どうしたのだろうか、普段なら俺の顔を見ただけで用意してくれるはずなのに。
少しするとここの店長が代わりに現れた。
「佐渡さん、その大変申し上げにくいのですが······」
「在庫がないんですか?それなら気にしませんよ」
「いやその············正直に申しますと、本社がそろそろ潰れます」
「······は?」
「潰れると言うより経営不振や社長の後継ぎなどが重なってなんというか······」
「わかりました。ありがとうございます」
「ホワイトバイオレットは1箱より少ない量しか無いですがどうしますか?」
「買います」
予定よりは少し数が足りないがしばらくは持つだろう。
「ありがとうございました。またのご来店お待ちしております」
駐車場に停めてある車に乗りこみ、ため息を吐く。
そして少し考え込んでから携帯を手に取る。
「もしもし、俺だ」
『社長、どうしましたか?』
「ある会社を買収したい。今からウチの会議室に来てくれ」
『······わかりました。お待ちしております』
「じゃあな」
電話を切ってシートベルトを着ける。
そして駐車場から車を出す。
君のお気に入りの香水は絶対に無くさせない。
だからずっと傍で見守っていてね。
信号が赤に変わった瞬間、香水を取り出して首元につけた。
このためだけにR15タグをつけることになるとは······。まあこれからちょっと血が出る描写も書こうと思ってたのでちょうどいいです。
ついでにこの話の続きを書くかどうかも迷ってます。
もうちょっと過去の話を書くのも、何があったのか各々自由に考えてもらうのも面白いなと思っています。まあ気まぐれですね。
それではまたいつかお会いできることを祈っています。