善玉、悪玉、日和見。
「サッサッとクタバレ」
バキッ!
「その言葉そっくり返してやるわ」
ボキ!
2人がまた喧嘩を始めた。
そろそろ止めに入るか。
「止めろ、止めろ」
「「ウルサイ! 日和見のお前は引っ込んでいろ!」
「でも、そろそろ止めないと身体がおかしくなるよ」
「本望よ!」
「ふざけた事を言っているんじゃねえ!」
「僕も宿主が死ぬと困るから善玉につくよ」
「糞! 覚えていろ」
2対1で分が悪くなった悪玉が捨て台詞を吐いて離れて行く。
困ったもんだよ。
三途の川の渡し船の船頭がストライキを行っている所為で三途の川を渡れなくなり、霊が行き場を無くし現世に戻って来て生者の背後霊になっているんだけど、霊の数が生者の数を上回っているから1人の生者に善玉霊、悪玉霊、日和見霊が同居しているんだよね。