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序章
ある晴れた昼下がり。
村の子供たちは緊張と不安、そして期待を混ぜた表情で
神殿に並んでいた。
今日は15歳を超えた子たちのスキル鑑定の日だ。
みんなの将来がおおよそ決まる日。
喜んで叫ぶ子。家族と同じスキルで安心する子。
少し不安そうな子。でもみんな未来にワクワクした顔をしている。
最後の鑑定の子は女の子だ。
ふわふわでキラキラ光を反射する金髪とどこまでも澄んだ青空を思い出す碧眼のとても可愛い天使のような少女だ。
どんなスキルが出るのかという緊張と最後ということでいろんな人に見られる緊張から少し強張っている。
鑑定用の水晶に手を触れた瞬間それはおきた。
眩い光が神殿の中を照らす。
神官が叫ぶ。
「勇者様だ!!!!」
「嫌だぁーーーーー!!!!!!」
その瞬間絶叫が響き渡った。
その絶叫を上げた少女は泣き叫びながら神殿を逃げた。