ダンジョン生存戦略
「これってガンガン魂回収してたらすぐ詰んじゃうよね。」
「・・・そうなりますね。」
「ダンジョンって攻略されちゃやっぱり不味いの?」
「最終的にはこの部屋まで来ることになるので。」
「あぁそれは何されるかわかんないねぇ。」
「・・・そうですね。」
「じゃあ殺さず攻略させず何回も来てもらう?」
「・・・そうなりますかね。」
「攻略させない方法かぁ。みんな生きて帰らせたら配置してる魔物はいずれやられちゃうよね。」
「・・・そうですね。」
「トラップ大迷宮?」
「大迷宮にするほどAPはないかと。」
「トラップだけで防げるかな。」
「難しいのではないでしょうか。」
「う~~ん・・・こうなると実力で攻略させないのは無理だよね。」
「・・・そうですね。」
「となると、どっかの有力者の庇護下に入る?相当いい人に当たらない限り何されるかわからないよね。」
「・・・そうですね。」
う~~ん、いい案が出て来ないよ~。モニモニモニ・・・「ガッ」「あだっ!」
煮詰まったので癒しを求めてダコアちゃんのお腹をモニモニしてたら、ダコアちゃんにダコアちゃんで手を叩かれそのままグリグリされてます。
「あだだだだ!ご、ごめんねダコアちゃん!もうお腹モニモニしないから許して!」
「・・・・・・・・・。」
あう~痛かったよ~。ダコアちゃん的にはお腹モニモニはNGだったみたいだね。
「ごめんね。ダコアちゃんもうしないから許して。」
ぎゅっとハグしつつ、ほっぺでほっぺをすりすりします。
はうー!ダコアちゃんのモチスベ肌がたまりませんよ。スリスリスリ・・・。
「・・・・・・。」
はぁはぁはぁ、はっ。ゆ、許してくれたかな?う、うん許してくれたっぽい。うん、そんな感じがするよ。
「でも、なかなか良い案がでないね~。どうしよう。」
う~ん、どうしたもんですかねぇ。これはもう知る人ぞ知るって場所にして方がいいのかなぁ。
僻地の村人だけが知る、ちょっといいものが取れる洞窟的な?でもそれじゃ何時迄経ってもAP貯まんないか。
「もういっそ誰かに住んでもらうのがいいじゃない?」
「・・・住む、ですか?」
「うん。そうそう、そうすれば入場APだけじゃなく、継続APも入るよね。」
「入場AP・・・継続AP・・・、ダンジョン侵入時のAPと24時間経過毎のAPのことですか。」
「そうそう、魂の回収は一回のAPは多いけどすぐ詰んじゃうし、だったら時間はかかるけど危険が少なくて持続可能な方法じゃないとね。」
「・・・成程。確かにマスターの言うとおりですね。ですが、ダンジョンに住むような者がいるでしょうか。」
「うっ、そ、そうだよね~やっぱりいないかなぁ。」
「どこかに土地を追われた善良な人達が洞窟に避難してきてないかなぁ。」
「・・・まぁ、そんな都合の良い話はないy「いました。」・・・え?」
「国に土地を追われた少数部族の一部が洞窟に避難してきたようですね。」
「ええ~~、ちょっとご都合主義過ぎじゃないですか?」
「・・・ではこの場所は辞めましょう。」
「へ?ちょちょちょっとまって!いい場所なんでしょ?」
「・・・そうですね。洞窟の周辺は強い割には素材にならない魔物が生息しており、目立った採集物もない土地ですので、マスターの方法をとるには優良な場所かと。」
「じゃ、じゃあそこにしようよ。折角いい場所なんだから・・・。」
「・・・そうですね。」
え?お、怒ってる?な、何で?・・・っあ!折角見つけたのに褒めずに茶化しちゃったから?うわーー何してんの私の馬鹿馬鹿馬鹿!
「ごめんね、ダコアちゃん。見つけてくれてありがとう。さっきは変なこと言ってごめんね?私の言ったことを出来そうな場所を見つけてくれてとっても嬉しいよ?」
そう言いながらダコアちゃんをぎゅっと抱きしめつつ頭をなでなでします。なでなでなで~。
「・・・・・・。」
相変わらず素晴らしい銀髪!体もや~らかいし、ふぅふぅふぅ・・・はっ。
ゆ、許してくれたかな?許してくれたかんじ?許してくれたよね?
「じゃ、じゃあ、さっきの場所にダンジョンを作ればいいのかな?」
「・・・今ダンジョンを創るとこの部屋に直結する事になりますが。」
「うえっ、そ、それは不味いね。どうすれば。」
「ダンジョンの仮作成機能でダンジョンを仮作成した後、あの場所にダンジョン創造で設置します。」
「成程。じゃあまず仮作成・うっ。」
「?、マスター?」
「ごめん、ダコアちゃん。その前にトイレ行きたい。トイレどこ?」
「・・・ありませんが。」
「えっ!無いの?!そ、それはちょっと不味いんだけど・・・。」
もじもじ
「・・・作りますか?」
「うん、お願い。無いとダコアちゃんも困るでしょ?」
「いえ。外部端末は代謝が無いので排泄行為はしません。」
「へ?・・・ずるい!」
「そう言われましても・・・。」
うっ、そ、そんなこと言ってる場合じゃなかった。そわそわもじもじ
「ごめんなさい出来るだけ急いで作ってくれると嬉しいですお願いします!」
「分かりました。・・・これが一般的なものになりますが、宜しいですか?」
んっと、どれどれ・・・おまる!?無理無理無理無理無理無理無理無理!
「無理無理無理無理、あっちのに近いのってないの?」
「あちらに近いのですか?・・・・・・。」
ダコアちゃんの前でおまるプレイって!?私はそういう変態じゃないの!
「・・・10000APですが宜しいですか?」
10000!?高っか!う~~ん、でもトイレは大事だよ?トイレが酷いのはきついよね?
「それでお願いします。」
ダコアちゃんがてしてし画面を操作しています。
「・・・出来ました。あそこの扉の向こうに設置しました。」
そう言いながらダコアちゃんが指さす方向には壁に一枚の扉が。あんな所に扉あったっけ?
「ごめんね。行ってきます。」
そう言いながら、ダコアちゃんを持ち上げて椅子に座りなおさせると、急ぎ足で扉に向かう。もうダッシュなんて出来ません。
扉を開けると中には洋式っぽい陶器製っぽい便器が一つ。急いで準備を整えて着席。
「いひゃっ、ちべたっ。」
そして、放
「ふぅ~、乙女の危機は回避され「ぺと。」っうひゃーーー!なになになになにっ!なんかいるなんかいるなんかいるなんかいるなんかいるーーー!」
飛び上がって床に転げ落ちると這いつくばりながらも扉を開けて部屋に戻る。
「ダダダダコアちゃん!なんかいるなんかいる!あのトイレなんかいるーー!」
「?、スライムですね。」
「ふへ?ス、スライム?な、何であんな所に・・・。」
「スライム式トイレですので。」
「ス、スライム式?」
「どこぞの変態が排泄物のみを分解吸収する変異種の開発に成功したのです。それが現在上流階級を中心に広まりつつあります。」
「そ、そうなんだ。でもなんでここにスライム式を?」
「あちらの洗浄機能に値するものがスライム式しかなかったので。」
洗浄機能・・・・・・ってスライムにしてもらうって事!?ええーーーー。
「そ、それって大丈夫なの?」
「苦情は出ていないそうです。」
「そ、そうなんだ・・・。」
「環境ダメージのないクリーンなシステムだと思います。」
「そ、そうなんだろうけどね。」
「変更しますか?」
「と、取り敢えずいいや。」
「そうですか。ところでマスター。」
「ん?なに?」
「いつまでもその様な状態でいるのはどうかと思いますよ。」
その様な状態・・・。私はさっきまでいたしていた訳で、そして終わったなぁと思った瞬間に襲撃を受けてそのままの状態でこの部屋に転がり出てきたという訳、そう色々そのままの状態で・・・・・・。
「っうひーー!見ないでダコアちゃん!あっち向いてて!」
もう今の私首まで真っ赤になってますよ?多分。
「・・・今更ですが。」
「い、いいから!あっち向いて、ダンジョンコアぎゅってしてて!」
「・・・はあ。」
そう言いながらもちゃんとクルッとあっちを向いて、本体をぎゅってしてくれるダコアちゃん。うん、いい子。
うひ~~。それにしてもダコアちゃんにすっごい恥ずかしい所を見られちゃったよ~~。う~~、こんな恥ずかしい所を見られちゃったらもうダコアちゃんに責任とってもらうしかないよね?