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はぢめてのダンジョンマスター  作者: 闇統王様
第二章 目指せダンジョン村。
26/27

初ご飯とその後。

さぁて、なかなかに見るのが怖いけども結果を確認しましょうか。


鍋の蓋だけ収納する事によって、あちちっとならずに鍋をあける。

途端に白い湯気がもわっと上がる。それが晴れると中には白いご飯が・・・ない。玄米だからね!


「おお、意外と出来てる?」


見た感じはそんなに悪く無さそうだ。

底は・・・まぁ悲惨な事になってるだろうから見ないようにして、上の方の出来はどうかな?


スプーンを取り出してご飯に吶喊(とっかん)

ん?感触は悪くないような?一匙掬うと、スプーンの上にほかほかと湯気を立てるご飯が載っている。


やっぱり見た目は問題なさそう。よし!では実食!

あむ、あむ、あむ・・・うん、玄米だから歯ごたえはあるけど、ちゃんとご飯になってるね。


「よし!初めてにしては上出来でしょう!じゃあご飯にしようか、ダコアちゃん!」


「・・・私も食べるのですか?」


「・・・食べてくれないの?」


一気にテンションが落ちる私。


「・・・食べます。」


「やったー!よ~し、じゃあ早速分けよう。」


そして、いそいそとご飯とスープを分ける私・・・あっ、つい2セット作っちゃったよ!


そして、直ぐにテーブルにセッティングをしてしまうダコアちゃん。


ううう、仕事が速い・・・。これじゃ抱っこしながらダコアちゃんに食べさせる、が出来ないよぉ・・・。私の馬鹿・・・。


しかし!まだだ!まだあ~んが出来る!この機会は(のが)してはいけない!しっかりと機会(チャンス)を見極めて実行するのだ!


いきなりやっても食べてくれないだろうから、先ずは私が食べる。


「いただきます。」


大分APがやばいので節約の為に箸を我慢して、スプーンでご飯を一掬い。

と言うか箸って在るのかな?ま、今は良いか。


あむあむ、さっき試食したように、まぁ食べれます。

炊き方の改善、後は精米も考えようかな。


お次はスープ。葉物はもうくったくただ。火の通り易さとか考えず、ぶっこんだからね。まぁ味が染みてて柔らかいし良いとしましょう。

他の具材もちゃんと火が通ってた。ソーセージが味気無くなっているが、スープや他の具材に旨味を提供した結果なので、致し方無し。

総じて羊肉じゃない分サーフィ汁より食べやすいかなって位ですな。


さて、一通り食べたこの段階でダコアちゃんは一切手をつけず、此方をじっと見ています。

ちょっと悲しい気がするけど・・・だが、此れはチャンスですよ!


(おもむろ)にご飯を一匙掬い、ダコアちゃんに差し出す。


「あ~ん。」


「!」


「食べてくれるって言ったのに・・・。」


「!・・・分かりました。でもじ「あ~ん。」・・・。」


「あ~ん。」


「・・・あーん。」


ダコアちゃんが私の作った物を口に含んでもぐもぐしてるよ~!


「美味しい?」


「・・・美味とは言えないかと。」


「ですよね~。」


「じゃあ今度はスー「自分で食べます。」プ・・・。」


ダコアちゃんはそう言うと、スプーンを出して自分でスープを食べ始める。


「・・・・・・。」


スープを掬ったスプーンを差し出そうとしたポーズで固まる私。

その表情はこの世の終わりでも見たような表情だったと言う。


「・・・・・・なんて顔してるんですかマスター。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・はぁ、一回だけですよ。あ~・・・。」


「ダコアちゃん!あ~ん!」


そう言って、あ~んを受けてくれるダコアちゃん!

私はにこにこだ。


「・・・・・・何て顔してるんですか。」


「えへへへへ。」


そうして一先ず満足した私とダコアちゃんは、食事を完食した。


「まずい!って程ではないけど、美味しいって訳でもないから、今後の成長に期待かな。」


「そうですね。」


「ダコアちゃんに満足して貰えるように精進せねば!」


「私には必要無いのですが・・・。」





それから数日。

サーフィちゃんからお肉を貰ったり、お米の炊き方の改善や料理の試行錯誤をして、幾ばくかの食事情の改善が見られた頃それは来た。


〈ナナさん、ナナさんお話がありますうさ。ナナさんナナさん・・・・・・。〉


「・・・マスター、白兎が呼んでいます。」


「ん?サーフィちゃんが?」


はて?なんの用事だろう?今はご飯の時間じゃないよね?


「サーフィどうかしたか。」


〈あっナナさん。今大丈夫ですかうさ?〉


「ああ、問題ない。何用か。」


〈あ、はい。一先ず此処での生活の目処がたったので、他の仲間を探しに行きたいと思ったうさ。〉


「うむ。」


〈それでこの・・・だんじょん?から出ても良いうさ?。〉


「それはかまわない。全員で行くわけではないのだろう?」


〈はい。キャシャファとイッハーフに行ってもらう予定うさ。〉


誰!?


「・・・・・・キャシャファとイッハーフとは誰だ。」


〈えっと、もう一人の女の子と気配を隠すのが上手い男の人うさ。〉


女子は分かるけど、もう一人は誰?・・・あっ!もしかして空気君かな?


「・・・そうか。」


〈はい。それでは準備が出来次第出発しようと思いますうさ。〉


「うむ。人数が増えるのは此方の利益にもなる、無事に再会出来ることを願っているよ。」


〈はい。ありがとうございますうさ。〉


ふぅ。これで人数が増えればAPも増えてくるかな。

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