お米を炊こう。
そうは言っても、私は料理が出来ない。切って、ぶっこんで、煮る。というサーフィちゃんとたいして変わらない物しか作れないだろう。
むしろ、経験はあっちの方が圧倒的にある。
ならば、あれ以下の物しか現状作れないだろう。
だから、取り敢えずご飯を炊こうと思う。
「と言う訳で、ご飯を炊こうと思います。」
今回はちゃんとさっきの過程を言いましたよ。
じゃないと、またダコアちゃんに怒られちゃいますからね。
「・・・いいのではないですか。」
よし、ダコアちゃんのオッケー出ました。
早速始めましょう。
何合炊こうかなぁ・・・ん?そういえばお米量るカップ無いよね?
勿論お鍋に目盛りなんて付いてない。あれ?これどうやってお米の量量るの?
「ダコアちゃん、あのお米量るカップってある?」
「無いですね。」
「ですよね~。」
まぁ、無いものは仕方ない。量は適当だね。後は水の量って確か手の甲が浸る位だったかな?
とにかくお米を出そうか。ほいっと。何か茶色いなこれ。ってこれ玄米だよ!?
そういえば精米なんてしてなかった。
これって水の量おんなじで良いのかな?それとも多くする?少ないってことは無いよね?
もしくは浸けとく時間を長く?炊く時間を長く?やばい、玄米の炊き方何て知らないぞ。意識高い系じゃなかったぽい私は、専ら白米派だったっぽい。
もう、これは失敗前提でやってみるしかないか。
取り敢えず軽く洗って、水入れて、水の量は手の甲が浸る位にしておこう。
これを浸けとく訳だけど・・・あれ、具体的にどれくらいの時間浸けとくんだ?
あっちでは寝る前に炊飯器に入れてタイマーセットだった・・・。
う~ん。同じようにをやろうと思うと何時間もかかるなぁ・・・。
これは先にご飯炊こうと思ったのは失敗だったかな?
まぁいいや。取り敢えずお米は放置して、他のを作ろう。
そうすれば作ってる間に時間経つだろうから、それから炊こう。
さてと、それだと先ほど廃案になったぶっこみ鍋になるのかな?
う~ん・・・。まぁ他に出来そうなものもないし・・・それで行くか。
あっ昨日の蓋に使った鍋そのままだった。温くなったお湯が入ってるけど、流石に入れ替えるか・・・っ!?
ちょっと待って!これってダコアちゃんが出した水だったよね!?
言うなればダコア水!!
これを使わないという選択肢があるだろうか!?いや!ありはしない!!
うむ。それではこの鍋はそのまま使うとして、材料を切ってぶっこもう!
適当に野菜類を出して水洗い。根菜類は皮剥いて適当に切ってぶっこむ、葉野菜も適当に切ってぶっこむ、これに肉類を入れたいところだが、まだサーフィちゃんに羊肉を貰ってない。
仕方ないソーセージを入れよう。出汁が出るように適当に穴開けてこれもぶっこむ。
後は適当に塩入れて煮るだけ。簡単だね。
さてと、それでは火を点けて煮ましょう。
薪の量を調整して・・・っと。
「ダコアちゃんお願いします。」
ダコアちゃんが手を翳すと、ぼっと火が。
「おお~。」
「昨日も見たじゃないですか。」
「いやいや、何度見ても不思議なものは不思議だよ。」
「そうですか。」
おっと、今度は燃え盛らないようにちゃんと見てないとね。
あっ!火かき棒?って言うのかな?薪を動かすために突っ込む棒を用意してないよ!
「ダコアちゃん、突っ込む棒ってどうしようか?」
「・・・何の話ですか。」
あれ?通じてない?
「えっと、薪を動かすための・・・。」
何かを持って、竈の中をいじいじするジェスチャーをする私。
「・・・もしかして火かき棒の事ですか?」
「あっ、それで合ってたんだ。そう、それです。」
「・・・どうしてさっきので通じると思ったんですか・・・。せめて何処に使うか言って下さい。」
「あ、はい。すみません。」
ううう、怒られちゃった・・・。確かに何処に突っ込むんだよって感じだよね。さっきのだと・・・。
「APで交換するのが一番かと。」
「ぅへ?」
「・・・何ですかそれは。」
ううう、変な声出ちゃった・・・。
「な、何でもないです・・・。やっぱりAPで交換するのが一番かぁ。」
まぁ、これからも料理していくなら、ずっと使う物だからね。
「よし、さくっと交換しよう。」
ええと、・・・100APか・・・そこそこするねぇ、まあしゃあなし。ぽちっと。
ぐらぐらと煮たって来たら、薪を崩して広げて火力を落とす。
弱くなり過ぎたら薪を集めて、それでも足りない時は薪を足す。
そんなこんなで根菜に火が通ったら、最後に味を調整して完成。
うん。初めてにしては良く出来たんじゃないかな。
ふむ、まだやる気はあるな。よし!ご飯を炊くか!
え~っと、ご飯の炊き方は何だったかなぁ・・・。何か呪文みたいなのあったよね?
え~・・・はじめちょろちょろなかぱっぱあかごないてもふたとるな?だったかな?
うん、この呪文だけ思い出しても、ふたとるな、しか分かんないよね?
確か始めの方は火力だった気がするけど・・・ぱっぱって、なんじゃらほ?
ちょろ火とかは聞いた事があるような気がするけど、ぱっぱ火って聞いた事無いよね?
それに、これだとそれぞれを何処までやるかが分からない・・・。
うん、まともに出来る気がしないね、こりゃ。
う~ん、まぁ取り敢えずちょろ火にかけておこう。後は出たとこ勝負だ。
しかし、ちょろ火ってどんくらいだろう・・・。ちょろって言う位だから、かなり弱弱なんだろう。う~まぁどうせ分かんないし適当だね。こんなもんでいいでしょう。
謎のぱっぱをどうするか、だけど。ちょろちょろからぱっぱになるってんだから、恐らく火力を上げるのだろう。問題はタイミングだね。さて、どうしたものか・・・。
う~ん・・・。しばらくちょろ火にかけてるけど何も変わらない・・・。
こりゃどうしたものか・・・。これから何か変化があるの?
もう少し待ってみたけれど何も無い。よし!ぱっぱしよう!
火力を上げるぞ~。
お~ぐつぐつしてきた!ここからどうするか。ふたとるなの所か?
なら蓋をしたまま現状維持か?
うぉー!吹き零れて来たんだけど!?このままで良いの!?これが泣いてもってところ!?このまま維持ってこと!?大丈夫なの!?
じゃんじゃか吹き零れているのを、はらはらしながら見守る・・・。
すっごいことになってるんだけど・・・、大丈夫なのこれ?
そのまま見守っていると、吹き零れが止まり、その代わり焦げ臭い臭いがしてきた。
「って焦げてんじゃないのこれ!?」
急いで薪を動かし火を外し、鍋を一旦収納してから火の無い場所にもう一度出す。
「ふぅ、何とか大惨事は防げたかな?」
ううう、これちゃんと食べれるようになってるかなぁ・・・。




