収穫と新事実。
さくさく生やして、現在収穫中。
カビロンちゃんには風魔法でスパスパ切れる木とかの収穫をお願いしてる。
ダコアちゃんにはそれらを収納に仕舞って貰ってる。
私はというと、手で収穫出来る野菜とかハーブ等を収集中。
採った端から収納に突っ込んでるから、かなり楽してると思う。大変だと長続きしないからね。
野菜とかのそのままでいいものはそのまま収納に仕舞っておく。
薪に使う木はカビロンちゃんに加工して貰った。風魔法でスッパスパ、乾燥もしてあります。
お米の脱穀と小麦を粉にするのはどうしようかな?
「・・・と言う訳でどうすれば良いかな?」
「そうですね・・・。」
「脱穀は風魔法で可能でしょうが、製粉は石臼を使うのが妥当ではないでしょうか。」
「そっかぁ。石臼作れるかな?高くなければ買った方が早いかな?」
どれ、石臼石臼・・・500APかぁ、結構するなぁ。う~ん・・・でも必要だよねぇ。どうしよっかなぁ。う~ん、一先ずお米の脱穀をしちゃおうか。
「それじゃ、カビロンちゃんお願いします。」
床に並べた刈り取った稲に(あっ乾燥もしてあります。)、恐らく風魔法がバシバシ当たってる。見えないけど、稲が衝撃を受けてる感じがするし、風も流れてくるからね。
そしてそれらを収納。すると収納の中で米(殻付)、米、籾殻、藁と種類毎に分類される。
殻付のやつを再度並べて、また風魔法を当てて貰う。で、また収納。これを殻付が無くなるまでやって、お米は終了。
なんて簡単。私は収納に出し入れするだけ。勿論カビロンちゃんは誉めてあげないとね。
「すごいよ!カビロンちゃん!お米に全然傷が付いて無いよ!?強いだけじゃ無くて、こんなことも出来るなんて!何て良い子なの!?」
がばっと抱きついて、カビロンちゃんを何処ぞの動物王国の王様の如く撫で回す。
「ぷひぷひぷ~。(もっと撫でて~。)」
「もっと?じゃあ・・・お~よ~しよしよしよし。」
ぷひぷひ~って気持ちよさそうな声で鳴くから、くちゃくちゃに撫で繰り回してしまった。
その後、小麦や他の殻付の物も同じ方法で実を取り出した。
「いや~。あっという間に終わったね。」
もっと苦労するかと思ってたのに、こんなにもあっさりと終わってしまった。
まったく魔法様々、カビロンちゃん様々ですよ。
「いや~。本当に凄いね。カビロンちゃんのお陰で直ぐに終わっちゃったよ。」
「ぷひっぷ~?(もう終わり~?)」
「そうだねぇ。カビロンちゃんのお陰で、この作業はもう終わりだよ~。」
「ぷっひ~。(そっか~。)」
「もっとしたかったの?」
「ぷひぷっひ~。ぷひぷひぷひ~。(楽しかったから~。またぼ~として寝て~する~。)」
「ん?カビロンちゃん、ぼ~として寝て~って?」
「ぷひぷひぷひ~。(ぼ~として寝て~するよ。)」
「まぁそうなんだろうけど・・・。」
って、ちょっと待って?カビロンちゃんってサーフィちゃん達に会わせてからこの部屋で一人っきりだよね?何にも無いこの部屋で・・・。え?これって虐待?
「か、カビロンちゃん・・・私は何て事を・・・。」
「ぷひ~?(どうしたの~?)」
「ごめんね!カビロンちゃん!寂しかったよね?辛かったよね?ううう・・・。」
「ぷ~?(ん~?)」
「・・・・・・はぁ。マスターが何故そんな事を突然言い出したか何と無く想像出来ますが、カビロンは何も気にして無いと思いますよ。」
「そんなわけ無いよ!何も無い部屋で一人っきりなんだよ!?」
「魔力が十分にあり、外敵が居ないならむしろ快適と思っている筈です。」
「本当に?」
「疑うなら直接聞いてみたら良いかと。」
「う・・・、ダ、ダコアちゃんを疑ってる訳じゃ無いんだよ?でも・・・。」
「カビロンちゃん、今までここにひとりぼっちで寂しくなかった?辛くなかった?」
「ぷ~?ぷぷ~。ぷっひぷひぷ~。(ん~?なかった~。マスターも来てくれて楽し~。)」
「う~ん、良いのかなぁ・・・。」
「カビロンがそう言っているのならそうなのでは。」
「う~ん、でもまたここに一人っきりってのはなぁ・・・。」
「それは致し方ないかと。後は小麦挽きでもさせれば全くの暇ということもないのでは。」
「そうだね。う~んでも出来るだけこっちに来るようにしないとね。それでカビロンちゃんこういうことをしてもらいたいんだけど・・・。」
石臼での小麦粉作成を説明。
「ぷひ~。ぷぷひ~。(やる~。楽しそ~。)」
「それじゃあお願いするね。あ、でも無理してやらなくていいからね?」
「ぷひ~。(分かった~。)」
カビロンちゃん用の石臼を配置して、脱穀済みの小麦も置いておく。
早速小麦挽きをやって貰う。
カビロンちゃんの動きに合わせて、ごりごりと回る石臼。
やがて、隙間から粉が出てくる。
「おお~。出てきた。カビロンちゃん辛くない?」
「ぷぷ~。(楽し~。)」
「ほ・・・、なら良かったよ。それじゃあお願いね。」
「ぷひ~。(分かった~。)」
さて、ボス部屋から戻って来て、取り敢えず台所に来てみたものの・・・何をしようか。
う~ん。まぁ、じゃあ火でもつけますか。
取り敢えず放火しようか?みたいになったけど違うからね?
焚き付けとしては何が良いかな?・・・あっ藁があったっけ。それにしよう。
藁置いて、小枝組んで、薪組んで~っと。さて、火は何でつけようか?
「ダコアちゃん、火は何でつけたら良いかな?」
「私がつけます。」
ダコアちゃんが藁の前に手を翳すと・・・ぼっと火がついた!?
「えっ!?ダコアちゃん魔法使えるの!?」
「はい。」
「聞いて無いんだけど!?」
「そうですね。」
「え~~。」
確かに聞いてなかったけども・・・え~。
「え~~。」
「・・・何ですか。」
「ダコアちゃんもカビロンちゃんも魔法使えるのに、私だけ使えない・・・。」
「・・・しかたないじゃないですか。」
「う~でも~・・・。」
「・・・はぁ、今は無理ですが、そのうち使えるようになるかも知れません。」
「えっ?それってどういう事?」
「ダンジョンレベルが上がれば使えるようになるかも知れません。」
「ダンジョンレベル?」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「言ってませんでしたか?」
「聞いて無いと思います。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「ダンジョンレベルとは総獲得APが一定値なると上昇するもので、その際ダンジョンの新機能が解放されます。」
何事も無かったかのようにダンジョンレベルの解説をするダコアちゃん。
「えっと・・・。」
「何ですか。」
「あ~いや~え~っと・・・ど、どういう機能があるのかなって?」
「レベルが上がるまで何が解放されるかは分かりません。」
「そうなんだ・・・。」
「それじゃあ、いつ魔法が使えるようになるかは分からないね。」
「そうですね。」
そっか~。でもゼロだったのが可能性が出ただけまだ良いかな?
ん?っていうか、なんか熱い「ってうぉっ!?」
そこには天に届かんばかりの火柱があった。




