自分を命名(事故)。
え~と、煮炊き場の設置だったっけ?・・・ああっ!魔法陣で何とかするってやつか。
では、やるべき事をやってしまいましょうか。
先ずは、うさ耳ちゃん達の位置の確認。部屋に誰かが居ると弄れないっぽいんだよね。
まあ確かに、いきなり足元に穴作ったり、背後に魔物配置したりとか出来たら流石に酷すぎだよね。
って事でうさ耳ちゃん達は現在植物エリアで採集中みたいだね。
男たちは木を切ろうとしていて、うさ耳ちゃん達は野菜の収穫をしてるのかな。
しかし、木を剣で切ろうとしてるけど、あれは大丈夫なのかな?まぁどこぞの300年間切りつけてもびくともしない木とは違う普通の木だから何とかなるでしょう。駄目だったら何か考えてあげよう。
それはともかく、うさ耳ちゃんに話を通しておこうかな。弄ってる途中で来られると困るからね。
「うさ耳ちゃん、うさ耳ちゃん。」
「あっ・・・。」
〈ひゃうっ・・・ダンジョンマスターさんですかうさ?〉
うん?今、ダコアちゃんがなんか言ったような?気のせいかな。話しかけといてだんまりは不味いから、今はうさ耳ちゃんだね。
「煮炊き場の件で話がある。」
〈あっはいうさ。・・・えっと、その・・・うさ耳ちゃんというのは私の事ですかうさ?〉
ん?・・・あっ!、そう言えばさっき話しかけたとき、キャラ作ってなくて素で話しかけてたよ!
だからダコアちゃんが何か言ってたのか。マスター、キャラ作り忘れてますよって、そう言うことだよねダコアちゃん?
バッとダコアちゃんの方に振り向く私。
瞬き一つした後に、小首を傾げるダコアちゃん!?
ぐはぁっ・・・私を萌え殺すつもりなのダコアちゃん!?くぅぅお持ち帰りしたいよ!ってここ私の部屋だった!?
〈あ、あの、ダンジョンマスターさんうさ・・・。〉
はっ、しまった。うさ耳ちゃんを放置したままだった。
「うむ、そうだ。そなたのことだ、では話を続けてもいいかな。」
〈あ、あの、出来れば名乗らせて欲しいうさ。そう言えばわたし名乗ってなかったうさ。今更だけどうさ・・・。〉
「好きにせよ。」
〈ありがとううさ。わたしはラティーフ部が長ラジュルが娘サーフィうさ。〉
「うむ。サーフィでは話を続けるぞ。」
〈え、あ、はいうさ。〉
「難しいことは無い。煮炊き場の設置が終わるまでこの部屋に留まっていて欲しい。と言うだけだ。そう長くはかからない。」
〈分かりましたうさ。〉
「では、これから始めるので、頼むぞ。」
〈あ、あのうさ。〉
「何かあったかな。」
〈えっとうさ。ダンジョンマスターさんの名前はダンジョンマスターさんですかうさ?〉
名前?・・・そう言えばこっちの世界での私の名前って何なんだろう。あっちの世界の時の名前は思い出せないし・・・。っとダコアちゃんを見る。
【・・・今は、名無しさんですね。】
ナナシサンか・・・何か意味はあるのかな。まぁ取り敢えずいいか。
「私の名前はナナシサン。」
【あ・・・。】
〈ナナシサンさんうさ・・・。〉
え?ダコアちゃん?今の【あ・・・。】は何ですか?
「暫し待て。」
「ダコアちゃん、私の名前間違ってた?」
「いえ。今は間違ってません。」
間違ってなかったのか・・・?今は?
「えっと、ダコアちゃん?」
「何でしょうか。マスターナナシサン。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
マスターナナシサンなんて今まで一度も呼ばれたことないよね。
「ダコアちゃん、もしかして私ってさっき迄名前無かった?」
「・・・・・・はい。」
「今は有る?」
「・・・・・・はい。」
ナナシサン=名無しさんって事ですよね。
「ダコアちゃんが悪い。」
「・・・・・・。」
う、何だろう。表情は変わってないのに、物凄くしゅ~んってしてる感じがする。
「うぐ、今のはちょっと言い過ぎたかも、確かダコアちゃんは名無しさんって発音だったかも、ナナシサンに変えたのは私だったかな。で、でも、ダコアちゃんも言い方を違くしてくれれば・・・って、ああ、もう、いいよ、大丈夫だから。」
「すみません。マスターナナシサン。」
「うぐっ、ダコアちゃんにはマスターってだけ呼んで欲しいかも。」
「分かりました。マスター。」
ほっ。よかった。ダコアちゃんも少し持ち直したみたいだし、あのままマスターナナシサンって呼ばれ続けないみたいで。うん、本当に。
「えっと、改名って出来ないの?」
「世界に刻まれた真名は変更できません。」
マジデカ、これから私はナナシサン・・・。
「只、どう名乗るかは自由です。」
ん?それはどこぞのジュガシヴィリさんの様にペンネームで活動してもいいって事ですか?
「あ、そうなんだ。う~ん、じゃぁどうしようかな・・・ナナシサンだから・・・ナナシンかな。」
〈あ、あの、ナナ、さん・・・うさ。〉
うん?うさ耳ちゃん改めサーフィちゃんが何か言ってるね。
「どうかした。」
〈あ、お邪魔でしたかうさ?〉
「別に構わんが。」
〈えっとうさ、そのうさ、お名前なんですがうさ、ナナさんとうさ、呼んでもいいですかうさ・・・。そ、その・・・。〉
「構わない。但しその呼び方はサーフィにだけ許す。他の者には今まで通り呼ばせる様に。後、今後伝えることはサーフィに伝える。他の者達にはサーフィから伝えるように。では先程の事も頼んだぞ。」
〈は、はい、分かりましたうさ。ナナさんうさ。〉
ふい~、これで一段落かな。って仕事する前になんか疲れちゃったよ。
「・・・今後はマスターナナとお呼びすべきでしょうか。」
ぶへっ、ま、また、ダコアちゃんは恥ずかしい呼び方を・・・。
「だ、だからね。ダコアちゃんにはマスターってだけ呼んで欲しいと・・・。」
って、そこしゅ~んてするポイントなの!?
「い、いやね、ダコアちゃんに名前を呼ばれるのが嫌な訳じゃ勿論無いんだよ?只ね、マスター○○って後ろに名前を付けられると、なんかすっごく恥ずかしいんだよ。だから、ダコアちゃんにはマスターってだけ呼んでもらうのが一番安心するって言うか、ほっとするって言うか、それが当たり前って言うか・・・分かってくれたかな?」
「分かりました。マスター。」
ふひぃ~、よかった。また持ち直したみたいで、全くダコアちゃんも難しいお年頃ですわ。
本当にもう、色々疲れちゃってもう休みたい気分だけど、まだやることやってないんだよね。
サーフィちゃんにああ言った手前ちゃんとやっとかないとね。
えっと、先ずは男女の部屋を分ける壁を移動して、反対側にもう一枚壁を作るっと。廊下に面した壁に入口作って、後は竈と窯を、う~ん、こんな感じかな。私も使ったことあるわけじゃないから後は使ってもらって微調整かな。
うんと、後は洗い場も在ったほうがいいよね。水場を上に作って、小っちゃな滝にしたら洗いやすいかな?うん、こんなもんか。後は例の魔法陣ですな。
位置は竈と窯の上のこの辺りかな。で条件設定は・・・。
「ダコアちゃん、排出用の魔法陣の条件設定ってどうしたらいいかな。」
「そうですね。スイッチでの起動にして、一定時間毎に転移を発動するようにすればよいかと。」
「成程。スイッチで起動できるなら便利だね。ありがとう。ダコアちゃん。」
じゃあ、スイッチは・・・竈の近くに付けておこうかな。で、発動時間が・・・取り敢えず5秒毎でいいか。これも使ってみてだね。で、転移先はダンジョンの入口のここら辺かな。
そして、外に排出するための風の魔法陣をっと。設定は・・・。
「ダコアちゃん、こっちはどうしようか。」
「スイッチと連動にすればよいかと。」
「こっちまでスイッチ点けに来るの面倒じゃない?」
「自分達の命に係わる事ですから、面倒だからやらないという事は無いでしょうが。そうではなく、先程のスイッチと連動させればよいかと。」
「えっ、そんなことも出来るの?・・・わっ、ほんとだ出来た。てっきり1スイッチ1魔法陣だとばかり・・・。」
「スイッチに連動の上限は無かったと思いますが。」
「そうなんだ。思い込みって怖いねぇ。」
まぁこれで一先ず完成かな。一休みしよ~。
side うさ耳ちゃん
ダンジョンマスターさんって呼ぶの長いよねうさ。職名っぽいからうさ、お名前聞こうかなうさ。
ナナシサンさんってうさ。今度は言い難いうさ。・・・ナナさんって呼んでも怒られないかなうさ。