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第三話 ついにハイハイデビュー


 「セハン、ご飯の時間ですよ」


 噂をすればなんとやら母親の登場だ。

しかし、こっちの言葉がわからない。今のところわかるのは「セハン」「ご飯」

この二つだけだな。

セハンというのはこっちの世界で付けられた俺の名前だ。ちょっとカッコよくて気に入ってる。

 

 そしてご飯。

基本的に寝転がっているだけの俺の一日に数回訪れる至福の時。


母親とは俺の記憶にいる母親とはまた別だ。気持ち的には母親と認識はまだしていない。

 だから今の俺にとって、ご飯の時間とは美人なお姉さんのミルクを抱っこされながら飲ませてもらう時なのだ。

 最近になって少し俺の体が大きくなり、母親に抱っこされる時間が少なくなったからご飯の時間は大事だ。


 しかも、離乳食という唯一無二である乳を脅かす存在が現れた。

あいつは敵だ、俺がチートスキルに目覚めたら真っ先に討伐してやる。


 そんなことを考えながら、もう誰にも邪魔をされたくない時間を俺は期待を膨らませ母親を待つ。

 そこへ手にお椀を持った母親がやってきた。


 「はーい、セハン今日から全部離乳食ですよ!」


 俺は絶望のどん底に突き落とされた。




―――― 数か月後 ――――



 絶望のどん底に落とされて数カ月。

 赤ん坊の脳みそというのは柔らかいもので、もうこちらの言葉のほとんどを理解することができるようになってきた。まだ、言葉を話すことは出来ないが。

 そしてついに寝返りとハイハイが出来るようになったので俺は最近、ベッドの上から動きたくて仕方がない。

そんなことを思っていると、


「セハン、今日はお部屋で遊びましょうね」


 まるで俺の想いを感じ取ったかのように、母親が俺が寝転がっているベッドに来るとそう言い、俺を抱きかかえて絨毯の敷いているリビングへと連れて行ってくれた。


いやぁ、母ちゃんナイスタイミングだ。


 絨毯の上で降ろされた俺は、まずどこから見て回ろうかと思った。

いつも寝ている部屋以外俺はみたことがなかった。いつもの部屋から察するに、うちは決して裕福な家庭ではなく物も少ない。

リビングにも木製のテーブルと木製の椅子、小さな暖炉に窓が二つ。

と、辺りを見回していた俺の目にあるものたちがとまった。

 

俺の目線の先には重厚に輝く小ぶりの片手剣と、表面には無数の傷があり、幾度となく使用者を守ってきたであろう肉厚な盾。

そして先端にかけて少しとがっている五十センチほどの木の棒があった。それらが、暖炉の近くの壁にまるで何かの賞状のように掛けてあった。

その三つだけは質素な暮らしをしているこの家の中で他にはない、けれど説明のできないオーラのようなものを纏っていた。


 俺は寝返りとハイハイを繰り返しながらその三つの元に向かった。

 その途中突然抱き上げられると


 「あらあら、それが気になるのね」


 母親が、俺を片手で抱きかかえたまま俺の体を壁に見せるように近付き

 そう言った。


 「これはね、昔パパとママが冒険者をしてた時に使っていたものよ」


 俺を抱いているのとは別の手で優しく盾そして剣の順に触ると、


 「この盾でパパはママのことを魔物からたくさん守ってくれたわ」


 そして杖に手を伸ばす、


 「この杖はママがパパの傷を治したり、魔物を倒したりするのに使ったわ」


 俺はそこで思った、


 マジか!この世界やっぱり剣と魔法の世界なんだな!魔物もいるし!

 杖に触ってみたいな


 俺は母親を叩きながら杖へと手を伸ばした、


 「あら、杖に興味があるの?」


 そう言って壁に掛けてある杖を手に取ると俺のまだ小さな手に握らせてくれた。

 


 すると俺の手と杖が光りだした。

ここまでで話はほとんど進んでおりませんが、ここの説明が足りない、矛盾がある等ございましたらぜひ感想でお知らせください!

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