5時間目 体育
~……キーンコーンカーンコーン……~
「あ~、終わった終わった。
今日はなんだか、疲れたなあ……。
ほぼほぼゴブリンのせいだけど」スタスタスタ
「いいや、さっさと帰って」スタスタスタ
「飯食って、風呂入って」スタスタスタ
「寝るべ寝るべ……」スタスタ……
「……」……ピタッ
「……誰だ、そこにいるのはよぉ?」
「……へえ、よくわかったなあ」
「……いや、顔見せてもお前は私の記憶の中にいないわ。
誰だよ」
「ご挨拶だなあ、ナエ公。
前のケンカの時は、舎弟が世話ンなったじゃねえかなあ~?」ボキボキ……
「ああ、あの弱っちいのの保護者か?
言っとくけど、アッチから絡んで来たんだぞ?
逆恨みも甚だしい……」
「」ブンッ!
「ぐぼあぁぁ」バキイ!
「そんなん、関係、ないぜ!」ブンッ!ブンッ!ブンッ!
「ぐ、ぐ、ぐぐぐ!!」バキイ! バキイ! バキイ!
「オラオラ、こんなもん、かよ?」ブンッ!ブンッ!ブンッ!
「(ま、マズイぞ、コイツ、メッチャ強い……!)」バキイ! バキイ! バキイ!
「オラオラ、これで終わりだあああ!」
「(や、やられる!!)」
「」
「」
「」ズシャーー!
「……?」
『……ふう、間に合った』
「お、お前は……。
ご、ゴブリン!?」
『うん、そうだよ。
っていうか、大丈夫?
あ~あ、大分やられちゃってるね……。
きれいな顔が、台無しだ』ハンカチフキフキ
「……!」ボッ!
『うん、これでよしと。
さて、立てる?
負ぶろうか?』
「た、立てるし!
な、なんだよお前!
背後から一撃なんて、卑怯な手で倒したくせに、かっこつけんなよ!」
『卑怯?
それは、心外だなあ』
「……?」
『だって、ホラ。
《挟み撃ちって、ゴブリンっぽい》でしょ?』ニッコリ