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3章-14 囚われの冒険者達だよっ

魔力(マナ)ってヤツはゲーム的には解っちゃいるんだけど

現実となってしまうとイマイチよく判らないものなんだよねー

使い方と操る方法は体にスキルとして染み付いてるんだけどね

使え無くても生きる事自体には影響ないとか、魔法アイテムの動力源にもなってるとか、体内に溜まってるエネルギーの1つのくせに、あやふや

折を見て基本を勉強しなおそう

・・・あ、そーいやすごく扱いの似てるものが1つあった、

エネルギー源になったり武器になったり

とにかく色々使える万能の御都合主義の象徴・・・『愛』に近いもの?



出会った冒険者達に聞いた話はこうだった

ダンジョンを出ようとしたら石造りの何も無いただっ広い部屋に飛ばされて

脱出方法を考えているうちに、パラパラと人が増えてきたんだとか


多分、その部屋は牢屋のようなものだったと思う


ある程度人が増えてきた時、唐突にまた飛ばされたと思ったらガーゴイルが襲ってきたので応戦していたんだとか


少しずつつかめてきたような・・・まだ推測でしかないけど


(ひで)ぇなぁ・・・人々を集めといて、魔物の前に放り出すなんたぁ」


「なんでまた、そんな事をするんでしょう」


「きゅ~・・・たぶん生贄(ごはん)、悪魔系魔物って人々の絶望が糧になるって聞いたよ」


「つまりは自動給餌機ね、タンクに溜めといた餌を食べ終わった辺りで自動的に与える仕掛け」


みんなが口々に語る、好き勝手に語る

でもなんとなーく判ってきたような気もするよっ


アタシも不謹慎だとは思いながら、『四角いブロックで色々作り上げるPCゲーム』のプレイ動画で見た

モンスターPOP地点に罠→加工装置とつなげて建設された自動アイテム量産設備を想像してしまった・・・まぃ~ん


しっかしまー、人々の『絶望』が悪魔の糧になるとは、ベッタベタな感をぬぐえない

ってゆーのは、アタシが外の世界から来た「ファンタジーオタク」だからなのかな

プリースト(見習い)のマー君が言った事だから、教会での教えから来てるんだと思う


さしずめ、その展開から推測できるのは、神様は人々の『祈り』『信仰心』辺りがエネルギー源になってるんだと思われる、もちろん司祭さんたちは口が避けても言わないだろうけどね

そんな内容は神様の威厳とかにダイレクトに引っかかるからねー


神も悪魔もエネルギー補給しないと生きていけないワケで

食べる所は違えど人間からちゅーちゅーすする事には大差ない寄生生物

・・・なんで絶対口には出せないもんね


そう考えると迷宮に囚われたこの状況も、食物連鎖とゆーか、エネルギー問題とゆーか、ぶっちゃけ今は悪魔にだけど、普段は神様に囚われてるようなものなのかもしれないよっ


「さて、問題はこれからどうするかだ!!」


朗々と響く渋めのボイスに、ふと我に返る

危ない危ない、思考が脱線しまくってたよっ


迷宮内事故(ダンジョン・トラブル)とはいえ、管理側にも責任の一端はある

 初級冒険者含め誰一人かける事なく無事に地上へ帰れるよう尽力いたしたい」


仕切っているのは壮年の重戦士、どっかで見たような気がすると思ったら、ダンジョン入り口の守衛さん(ガーディアン)と同じ鎧一式、つまりはギルドの迷宮管理者の1人って事なのね


「幸い、今ここには総勢24名の冒険者が無事に集っている

 ただ大勢で動いた所で足並みがそろうとも思えない

 そこでだ、これよりメンバーを3つのパーティに分ける」


「パーティAは、斥候・調査チーム、罠や囚われの冒険者がいないかを確認するのが主目的、察知能力や知識に長けた職人系で構成する」


「パーティBは戦闘チーム、魔物を撃退し道を切り開く担当、パーティAが敵と遭遇した場合は速やかにスイッチする事」


「パーティCはサポートチーム、チームA・Bのサポート&メンテナンスを担当、

 戦闘等により欠員が出た場合の補填、ダメージ回復やアイテムの補充・修理等を担当

 直接戦闘になる事は少ないが、全員が生き残る為にはもっとも重要なチームである」


う~ん、上手いにゃあ・・・パーティCは低LV(レベル)だったり非戦闘職のメンバーとなるんだろうけど、上手い具合にプライドを維持させてるとゆーか


3名いた重戦士の1人が小箱のようなものを取り出した


「これより冒険者登録カードを確認し、チーム分けを行う」


ぴっ


「チームCでお願いします」


順番に小箱をかざして冒険者カードをスキャンした結果を元にチーム分けがされていく

むー、なんかPOS端末みたいだよっ


わんこパーティとウチのパーティの面々はチームB、当然と言えば当然

あ、マーくんはCに割り振られた


次はアタシの番・・・


ぴっ


重戦士3人が顔を見合わせる、どしたのかな?


「チームCで・・・」


3人の中の一番ゴツい髭男が、割って入る


「いや、チームBへお願いします」


「バルガ班長!、冒険者登録して間もない子供ですよ」


割り込まれた方は、少し慌てたように言い返す


「いいんだ」


班長と呼ばれた髭マッチョは、腰をかがめ目線を下げ、

アタシに愛想笑いを浮かべながら言った


「よ、よろしくお願いします・・・」


「班長!どうしたんです?!」


班長は少し離れるようにボソボソと耳打ちする

聞き(ネコミミモード)立ててもいいんだけど、想像つくしどーせロクな内容じゃあないんでスルーしておいた


「この子供がまさか一撃(ボーパル)・・・」


てしっ!


アタシが足を踏み鳴らすと、大のオトナ(しかも重戦士)がビクってなった


あのー、そのアダナは付いてからそう経ってない筈なんだけど

命名はギルドマスターの・・・って、この人たちギルド職員だったっけ

このダンジョンを出たら、ビルナルド(ギルドマスター)さんを問い詰める事にしよう、小一時間問い詰めたい


迷宮管理者ダンジョン・ガーディアンが3人もそろって不甲斐(ふがい)ないわね」


凛とした良く通る声、振り返るとそこには、いかにもーな剣士然としたおねーさん

10代後半から二十歳くらいかな?赤毛のショートなレイヤードカット、

一見地味な、装飾のほとんどない鎧だけど、微妙に身体のラインが出ている

特注かセミオーダーなんだろーな、


「これはコロナ師範、こんな所でお会いするとは」


むー、剣の師範かー

アタシの膨大なファンタジー作品知識によると、

態度的には武人ブジンしておきながら、ぽろっと女をアピールするとゆー天然女

アタシみたいな喪女からしてみれば天敵みたいなもんだー

何気に大食いだったりドジっ娘だったりするケースも多い


「こりゃ典型くっころさんですな」


はぅわっ!!

マミさんっ、アタシの回想っつーか思考っつーか、ト書き部分に割り込まないでっ

呪文は魔改造するわ萌えヲタな行動に走るわ

この人なら何やってもおかしくない気もしてきた


・・・どうやらチーム分けが終わったみたい


アタシのいるBチームは、迷宮管理者(ガーディアン)のバルガ班長をリーダーに

先ほどの女剣士コロナ(くっころさん)

ウチらの元パーティの面々のヨロイさん、マミさん、タツアン氏、

司祭パーティのゲニム爺さん、スピー君、

そしてアタシ

知り合いがメンバーのほとんどを占めているんで やりやすいとは思うけど

裏を返せばこの面々位しか戦えるヤツがいないと言う事になる

そもそも初心者用ダンジョンだったからね・・・入った時は


各チームには3人の迷宮管理者(ガーディアン)のそれぞれが1名ずつ入り、まとめ役として動くのだという

なるほど、経験者が偏っちゃっても上手くいかないもんね


各チームで銘々(めいめい)が互いに挨拶したり自己紹介しあったりしてる


女剣士コロナ(くっころさん)がきつめの表情で近づいてきた


「甘く見てもらっては困るぞ、兄者は凡人だったが私は師範代だ」


ほえ? アタシ貴方とは初顔合わせなんですけどー

この世界、苗字名乗らない人がほとんどなんで、兄者とか言われてもさっぱりだよっ


「お兄さん・・・ですか?」


彼女はちょっと慌てたような羞恥を誤魔化すような表情を一瞬だけ見せ

そっぽを向いて吐き出すくように言った


「その・・・ギルドの地下室で、アナタにボコボコにされた」


むー、あの試験官さんの妹?

ボコボコって言っても、あれは試験だから仕方ないよー

マークに攻撃を当てろって言われて、複数マークがあったら全部当てようとするよー

『1箇所当てろ』って言われなかったしー、昔からRPGのMAPは全部埋めちゃう派だったしー


「コロタは、私の兄です」


似てないっ、つーか顔覚えてないっ

試験官はずっとフルフェイスヘルムだったもん


「アレは試験だったから、手を抜いちゃいけなかったんだよーっ」


攻撃スキルのランクを1/3しか解放してなかったという事は『心に棚を作れ』だよっ

棚を作ったついでに、ここはあざとくエゲツなく・・・


「おねーちゃん、アタシがんばったんだよっ、オトナと戦うのってこわいんだよっ、ひっしになって、いっぱいひっぱたいたんだよっ」


あー、ヨロイさんとマミさんがジト目してるー、タツアンは突っ伏して地面にパンチ連打してるー

幼女が幼女風に喋ってナニがわるいっ、実際いま10さいですから~


「ご、ごめんね。とっても強い子なんだね」


・・・うん、チョロイン (ちと違う?)


これからパーティを組むって時に、ヘンなわだかまりは残しちゃいけない

未知の強敵出現の可能性がある今、チームワークの問題原因は潰しとかないとねっ


思いっきり何か言いたそうな人もいるけど、首から上が大切なら黙ってよ~ね

よく言うじゃない「黙っていれば美人」とか

アタシだって「戦ってなければ普通の幼女」だよっ

拙い作品をお読みいただきありがとうございます


だしちゃったよー、女剣士(くっころ)さん

真面目で堅物でそこそこチョロイン

きっと立派な「いぢられキャラ」に成長してくれる事でしょう


ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが

ご意見、ご感想、誤字脱字のご指摘、メッセージ等あると非常に嬉しいです

よろしくお願いいたします!


『メタもベタも極めてみせるよっ!』


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