3章-13 天下御免の大勝利~だよっ
なにさっ、ガーゴイルって石化とかの状態異常攻撃持ってるって思ってたから、魔法主体で戦ってみたのに、ここのはそんなの持ってないみたい
肩透かしだよっ、このイラつきはとーぜんガーゴイルくんをど突きまわして発散するよっ
「うみゃみゃみゃみゃみゃみゃ~っ!」
怒涛の2刀流ラッシュで目前の敵を粉砕し、次の相手を探そうとした時
「とどめじゃあぁぁっ!!」
ひときわ派手な破砕音が響く、ラストの1匹はゲニムさんが倒した
これで魔物は全滅のはず
ガララララ、ゴトーン
天井の一部が開き、階段が現れる
音の位置からして、3箇所で同時の出現
本来ならば階段は4箇所なのだけど、内1つはこのフロアへ突入するためにこじ開けてしまったから作動して無い
この事が示すのは『このホールはクリアされた』という事
周り中から歓喜の声が上がる
まずは生存者の確認と負傷者の手当てだー
三々五々に人々が集まってくる、合わせて20名くらいだろうか
うかつに進む事の危険さを皆知っているのであろう、出現した階段を上ろうとするものは1人もいなかった
まー、ダンジョンに入るくらいの冒険者であるなら常識なのだろうけど
先ほど助けた3名が駆け寄ってくる
「あっ、いたいた」
「先ほどはありがとうございましたぁっ」
「ちいさい・・・猫獣人さん?」
うんうん、無事でよかったねっ
3人ともダンジョンに入るには装備に気を使わなさ過ぎな気が・・・
いくら初心者向けの管理されたダンジョンだとしても
「始めまして、ティーラと申します。学者やってます
得意分野は鉱石なんでサンプルを採りに来たらこんな事に・・・」
一人目は妙齢の女性、ロングヘアにメガネがアクセントとなって知的なイメージ
絶対に『先生』って言われてるタイプだー(『委員長』にあらず)
ロングコートは、防具としては頼りないがキャラ的にはOKって雰囲気
アタシも鉱石素材に関してスキルもいくつか持ってる、ただ、こっちの世界ではどう異なってるのかわかんないから、あとで教えてもらう事にしよう
「商人のカトチっていいます、経験と胆力付けて来いって親に放りこまれちゃいましたぁっ、
あのぉ・・・お姉さまって呼んでも言いですかぁ?」
二人目は十代中頃の小柄な娘さん(でもアタシよりは大きい)、セミロングの髪をツーサイドアップにしてる元気がそのまま服を着てるような女の子
あにょね、明らかに自分より低年齢の幼女に対して『お姉さま』はないでしょーに
ひょっとして先天的に“妹属性”持ってるんだろーか
敬服したりすると年下でも『アニキ』にしちゃうマッチョ・・・と同系列の子?
なお、ツーサイドアップってゆーのは、髪の毛の一部を束ねて結わえたのが左右2つある髪型。よくツインテールヘアと混同されるけど、似て異なるものだよっ
違いの最たるものは“後ろ髪”の有無
同じ2箇所束ねであっても、前髪以外全部束ねてあるのがツインテール
サイドの髪だけ束ねてあるのはツーサイドアップだよっ
余談だけど、ツインテールと呼んでいいのは束ねた髪が水平から上向きのもの
下向きの場合は“おさげ”という
アタシは熱意とこだわりを持った正統派ツインテール愛好家だったりする
「リーセン、薬剤師です・・・ダンジョンに生えるハーブを採りに・・・」
三人目は、ウサミミスト・・・じゃなくてちゃんと直に生えている兎獣人
肩にぎりぎり届かない髪にチュニック、言っちゃ悪いけどけしからん体型してる・・・
く~~~、アタシだってもうしばらくしたら育つんだからねっ
一部の特殊性癖の人は現状維持を望むんだろうけど
むー、ちっちゃくないよー! 10さいですからー
絶対この人、ウサギのくせに跳ねれないぞ
連続で跳んだり走ったりしたら絶対に痛い、もげる、クーパー靭帯ちぎれる
この世界に来る前のアタシは出る所出てたから判るのだよ・・・
(出てちゃいけないところも“たわわ”だったってのは華麗にスルー)
まだもげてないしウサギでもないけど・・・
3人ともダヌパの街から南にあるダン村から来たとの事
6人のパーティで冒険者の3人とはぐれてしまったんだんだそうな
どーして非戦闘職だけで固まってたのかの疑問が晴れたよっ
「おーい、魔法使える人は手伝ってー」
「負傷した方は手当てしますよー」
そーそー、乱戦のあとは態勢の立て直し・・・これ常識
「も少し話し込みたいけど、魔法使えるのバレてるからサボれないよっ」
回復呪文は得意じゃあないんだよねー
残念ながら、アタシの回復魔法はマスターランクではない
でも低LV冒険者なら、何とか対応できる・・・はず
また回復魔法では治らない「負傷」に際しては、応急治療スキルで対応できる。
「ヒーリングお願いしまーす」
「はーい」詠唱詠唱・・・
「手当てお願いしまーす」
「はーい」ホータイホータイ・・・
「ツンデレお願いしまーす」
「はーい、なにもアンタの為にやってるんじゃないんだからねっ」
・・・な、なにやらせるんだよっ!!
ドサクサに紛れて、自分の煩悩を満足させるんじゃないよっ
「あたたた、腰が・・・すみませーん、踏んでくださーい」
・・・ほぅ、この場でそんな事を言うやつがいたなんて・・・(¬▽¬;にやそ
司祭と魔法が使える面々は、治療に忙しい
職人の鎧さんは武器防具の応急修理に忙しい
「ゲニムさん、手が開いてるならお願いしますー」
一人、暇を持て余していた純戦士のゲニム爺さんにお手伝いしてもらった
「うむ。わかった、こちらだな」
ごきごきっ、ぼきっ!
「ぐぅああぁ~っ」
ネコミミ幼女足踏みマッサージは、現在受け付けておりません
その代わりとしまして、屈強な犬戦士がお相手いたします
迷宮内の、つかの間の平穏であったのでした
拙い作品をお読みいただきありがとうございます
縁は異なものと申します、なんてのは置いといて新キャラ?
「おしえて、先生」「後輩&妹属性全開」「別方向であざとい」と、バリエーションは満遍なく(全員モデルがいたりして)
まずは顔見せ、今後色々関わっていく・・・予定
ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが
ご意見、ご感想、誤字脱字のご指摘、メッセージ等あると非常に嬉しいです
よろしくお願いいたします!
『メタもベタも極めてみせるよっ!』




