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3章-02 なんでこーなるんだよっ

一時期TRPGのリプレイ小説なんてのが流行った事もあったけど、

即興セッションを本にした作品って意外と多いのよね

有名どころでは「不思議の国のアリス」

船遊びの際に語った即興話が原型になってるんよね

ちなみにプレイヤーはアリスとその姉と妹の3人



落ち込んでやさぐれかけた鎧さんを媚びて甘えてなだめすかして

膝に乗ったり首に抱きついたりあえて正面からまとわりつかないのがポイント

なんとか気分リセット、にゃんこセラピー?

(「ょぅι゛ょセラピー」とは彼の尊厳に関わるのであえて言わない)


某世紀末覇王には失礼だけど

『どん引く事もある、媚びたりもする、でも省みぬ!』だよっ


さて~

ノリと気迫さえ取り戻してしまえば、後は駆け抜けるばかり


途中出てくるスケルトンの数が増えたり、人型以外のが出たり、

赤くなったり、メタル質になったりとかいろいろあったけど

撃破して進む分には大差ないような気がしてきた


アタシ個人としては、相手の火力が上がってるだけにカウンターの効果が上がって

さらにラクになったとゆーか・・・


玄室に突入してはルームガーダーをぶちのめしてその脚で次の部屋へと去っていく

ねぇ、ダンジョン攻略ってこんなマラソンみたいなもんなの?


映画とかの宣伝文句に『ノンストップバトル』てなカンジの煽り文句があるけど

アタシらの方がよっぽど『ノンストップ』だ~

パーティはほとんど立ち止まる事すらなくダンジョンを駆け抜ける


ダンジョンの魔物たちには少し申し訳ない気もするけどなぎ倒してひたすら走る

なんかな、なんとなく懐かしい気がする

ゲーム時代にデイリークエストの消化でこんな事やったような気もする・・・

日付の切り替わる0時に間に合わせる為に・・・


10部屋くらい駆け抜けたかな、ワンフロア丸々走り抜けたんだけど

汗一つ掻かず息切れもない、この小さな身体には底なしのスタミナがあるみたい

元世界(リアル)当時だったら駅の階段1つでぜーこらいってたハズ

もっとも純魔術師(メイジ)のマミさんには少々疲労の色が見られる

始めのうちは普通だった足音がバタバタしてきた


ちなみに、盗賊(シーフ)のタツアン氏は足音を立てない

一方全身フルプレートの鎧さんは喧しい、一緒に走ってて耳が痛いの何の


え?アタシ?

金属パーツ同士がぶつからないように作られたアタシの軽鎧はほとんど音を立てない

装甲ブーツ(グリーブ)の爪先についた爪がダッシュの時だけ床に触れて小さな音を立てるくらい


「よーし停止ー!、一旦休憩~」


鎧さん(リーダー)の号令で一行(パーティ)の行進は停止した


「この先は、ラスボスの部屋だ」


確かに入り口の扉は重厚で、扉の鍵もこれまでとは違う

でも途中の宝箱から鍵は入手済みなので問題はない


「では、基本戦術をおさらいしておこう」


「まず私がタンク、アタッカーと強化呪文をかけてゆき、順に突入」


マミさん、やっと出番といわんばかり


「タンクの僕が突入しヘイトを集める、同時に敵布陣の調整」


「アタッカーのアタシと後衛は、ヘイトが集まるまで待機ね」


「ヘイト集めが完了したら合図を送るから、一斉攻撃だ」


「回復はあくまでタンク優先だから気をつけてね、まー心配してないけど」


なるほどー、こちらでの戦術はこーなのかー

今まではソロで、1匹ずつ釣って各個撃破がほとんどだったし

パーティ戦であっても戦い方は、基本的に1対1の状況を各個に作ってたからにゃあ

複数での同時攻撃は、MOBの起き上がりタイミングの予測が狂うから御法度(ごはっと)だった記憶が・・・


タツアン氏は弓のチェック

マミさんは強化呪文(バフスペル)を開始する


『プロテクト・ボディ』


鎧さんに防御強化が


『オグル・パワー』


おっ、アタシには腕力強化かな?


『ホーク・アイズ』


タツアン氏に射撃強化だね



物理攻撃3名に強化(バフ)が完了した時点でボスルームに突入

先陣は鎧さん、作戦通りアタシはあえて少し間を空ける


ボスキャラは、巨大な岩のゴーレムだった

身長5mオーバー、荒削りな岩の塊がかろうじて人型にフォーメーションを組んでいると言った風貌

身長3m近い鎧さんですら小さく見える


ゴガッ! ズズン・・・ガシッ!


岩と鉄の巨人同士の競り合いはレトロ怪獣映画に通じるものがあるにゃあ・・・


「見とれてないで、そろそろ攻撃の合図が来るわよ、位置について!」


鎧さんの背後、斜め後方に展開する


「オオォォーン!」


ヴゥン!


雄叫びと共に岩巨人(ロックゴーレム)の巨大な腕が唸りを上げて襲い掛かる


ガィンッ! ガスッ!


愛用の巨大な盾で、岩の拳を受け流すと肩口へと大剣を打ち込む


「よし、ヘイトは稼いだ! 次、いくぞっ」



「オオォォーン!」


再びゴーレムが雄叫びをあげる、

その右手が高々と掲げ挙げられ、その拳が腕が回転を始める

普通の生き物じゃないから可能な動き

うわ~ドリルパンチだー、当たったら痛そう・・・


「よし、攻撃開始!思いっきり行け!」


先手を切ったのは1本の矢、ゴーレムの肩関節の隙間に突き立った金属矢からかすかに火花が散る


アタシはやや円弧を描くようにダッシュして、サイドから狙う


「おーちゃん、おまけ『シャープ・エッジ』」


アタシの剣にうっすら光の膜がまとわり付く

いーねいーね、なんか気分が高揚してきちゃうよー


「いぃっくよおぉ~~っ!!」


ダッシュの勢いをステップに乗せてそのまま回転運動へ


双剣強撃(デュアル・スマッシュ)!!」


「クガアァァァァッ」


ズズズン・・・ガラン、ゴン


ゴーレムの胸パーツが斜めに切り裂かれ、上半身の約半分が床へと落ちた


ワンテンポ遅れて、力を失った下半身が膝を折るように崩れる


「・・・・・」


「おおぅ、これが見たかったんだ! クールだぜぃ!!」


「私・・・出番なし?」


「ごめん・・・てへぺろ」


初めてのダンジョンはあっけなく終わってしまった

だけどこの後、お気楽に笑っていられなくなるとは、

誰一人とて想像もつかなかった・・・




拙い作品をお読みいただきありがとうございます


感情的に高ぶってると何かと周りが見えなくなるもの・・・なのかもしれない

・・・でもそろそろ自重覚えようよ、主人公(おーちゃん)


ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが

ご意見、ご感想、誤字脱字のご指摘、メッセージ等あると非常に嬉しいです

よろしくお願いいたします!


『メタもベタも極めてみせるよっ!』


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