2章-10 就職ってしなきゃだめ?
プログラムとかした事のある人なら判ると思うけど、予想を超えたイレギュラーなデータってのは厄介なんだよねー
アタシには職が無い、この事がこの先どういう意味を持つのかはよく判らない、この世界へ飛ばされてくる直前のゲーム『MAGI』には元より職という概念がなかったのだから
「ところでオーリ君、もう1つ気になる所があるのだが」
そー言われてもアタシゃ魔法装置の専門家じゃあない、この件の当事者ではあるけれど
「この『Skill』の項目なんだが、明らかに表示がおかしい
何も表示されないのではなく、全体が塗りつぶされた状態なんだ」
あー、なんとなーくだけど判ってきたぞー
推測を裏づけするために聞いておこう
「ギルド長さん、スキルって皆いくつくらい持ってるものなんですか?」
「それについては個人差が大きいが、新人で0~2つ程度、熟練冒険者になると10前後くらいは持っているかな」
わかったー、今回のシステムトラブルの原因
出力表示の仕様の問題なんだきっと
アタシは、戦闘系・生活系あわせておよそ300のスキルを持っている
10件少々の表示を想定している所にその30倍のデータがあったら、表示はオーバーフローなどで正常表示は難しい
・・・でも、こんな事言った所で魔法システムに関しての知識のないアタシでは対処のしようがないし、第一アタシがヘンに目立ってしまう
「一応いくつかはスキル持っていたと思うんですけど・・・」
「すまないな、君自身に落ち度はない。老朽化したシステムの問題なんだ」
ギルド長ビルナルドさんが謝罪してくる、今までずっと眉間にしわ寄せてただけに温和に見える表情、けっこーイケメン
鎧さんが少々興奮ぎみに詰め寄る
「ギルド長、この僕が保障します。彼女は一流の剣士です、剣聖のタマゴといってもいいかも知れません」
「ほほぅ、保護者の欲目を差し引いたとしてもずいぶんと肩入れするのだな」
ビルナルドさん、背を向けて遠くを見るようにつぶやく
「根拠のないウワサだが、『不倒』が『一撃猫』に黒星を付けられた・・・」
鎧さんから一瞬息をのむ音がした、多分アタシ意外には聞こえてないだろうけど
「ありえんよな
そもそも『一撃猫』の呼び名自体が昨日生まれたって話だからな」
ひー、『一撃猫』はやーめーてー
「ギルド長、彼女は魔道師になるべきです、見てくださいこの大量の潜在魔力」
今度はマミさんが詰め寄った
「こちらは・・・ラキシモフ卿の所の・・・」
「家の事はいいんです、この貴重な才能! 魔道師界の未来が掛かってるのです」
マミさんは、アタシを魔法使いにしたいらしい
ゲーム時代は近接寄りの魔法剣士がメインのスタイルだったけど
魔法少女ってのもいいかも・・・あ、魔法幼女か・・・
「どのみち鑑定システムが今こんな状態だから、昔ながらの方法で調べてみるしかないな・・・レピン君、地下測定場は?」
「準備済みです」
うん、デキる秘書ってカンジだにゃあ
一同は会議室を出ると地下へと降りた
測定場は、石造りの窓のないホールだった
「まずは戦士としての適性を測ろうと思う」
奥の方の扉から戦士が1名歩いてくる
「試験官のコロタくんだ、LVは30、王宮正統派剣術の使い手だ」
「模擬戦なら僕が・・・」
鎧さんは不服そうだ、リベンジしたかった? バトルジャンキーだねぇ
「いや、君では体格差がありすぎてデータが取りづらい
標準的な冒険者として今回は彼を選定した」
試験官の鎧には胸・脇腹・肩・手足等の各パーツに黒いマークがついている
レピンさんが装着を手伝っている兜にもマークがある
肩に接続するタイプのこの兜
これなら装甲の隙間に剣が入る事もない
「よろしく、一撃必殺だけはカンベンして欲しいな」
「こちらこそお願いします」
握手を交わし一礼する
「彼には防御主体で戦ってもらう、この練習剣でマークの箇所に攻撃を当てられるかが試験内容だ
このマークは攻撃が当たると色が変わるようになっている」
「おっと、武器はこれでいいのかな?できれば一番とくいな戦い方が見たい」
「なら、その片手剣をもう1本お貸し願えますか?」
「「「2刀流だと?!」」」
男性3人がハモった
拙い作品をお読みいただきありがとうございます
キャラクターテンプレートをエディットして使うアクションゲームだと、女性キャラは盾持っているケースが多い気がする
盾ってのは意外と重くかさばる上に受け止めた際軽量だとそのまま押し負ける可能性が高いと思う、防御は受け流しと回避に専念して攻撃手数重視の速度型が最適解じゃないかと思うのですが・・・
あと、女の子ばかりのチームでは、接近戦担当は小柄でスレンダーな子
遠距離支援の弓士は、ぽっちゃりした発育の良い子ってお約束あるみたい
(アニメの弓使いは大抵が巨乳)
これ正直言って逆だよね?
ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが
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『メタもベタも極めてみせるよっ!』