13章-01 どういう組み合わせ?だよっ
新章スタートなのです。
作者の誕生日だけど、連載4周年目突入だけど、気にしないのです。
マイペースで行くのです。
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Teo島問題は今まで知られていなかった『異世界間問題』を大きくアピールすることとなった。
世論は一気にチョウォル族の批難に傾いた。
「そりゃ大変だったね、僕も行きたかったんだけど納期がねー、ごめんね」
今アタシはティル村の鍛治工房、鎧さんのところで駄弁っている
この世界では、海の向こうの別大陸・別国へいくよりも、ダンジョンを通じて別世界へ行く方がお手軽という変な常識が一般的である。
その別世界がチョウォルと言われている『お隣の世界』である。
チョウォル族は人間に近い外見をしているが、精神、思考、価値観等、意識的行動の全てが人類とは噛み合わなかった。
「一応、大昔に人間界へと攻め込んで失敗し、たしか尻尾を巻いて帰ってったんだっけ」
「そーだよ、でも逃げ帰ったのは全部じゃなかったんだ。
一部は勝手にコロニーを作って勝手に暮らしている。人間に成りすましてるヤツもいる。
しかし意外と常識には疎いんだよなー」
「お勉強ギライの悪い子だったからねー、お人形より先に剣を手に外を駆け回り魔物を追い回して・・・」
♪うさぎ 美味しい かの山
こぶた 突きし かの洞窟~(※1)
「わかるよ、そうでもないと今の強さは得られそうになさそうだろうしね」
そう素直に納得されると、でっち上げの言い訳だけにムズムズする。
「そういや大変な顛末だったよねぇ」
アタシはマーハの街で起こったいろいろな事の顛末を話した
「ますます行くべきだった、運が悪かったなぁ」
「今度また行こうよ、一緒にさぁ・・・ね(∂▽-)-☆ 」
「僕が行ったらお店の子供たち怖がるんじゃないかな」
「心配ないよっ、男の子なんてアーマー好きだよ」
「それにパークでだって人気出るかもね、デカいのたくさんいるし」
ひゅ~っ、ぽてっ
フクロウ便の書簡筒がとんできた。アタシと鎧さんそれぞれに
「呼び出しだ」
「呼び出しだね」
今、君が必要なんだよ・・・って? 勝手なもんね
「ティル村にも支局の1つもあればいいのにね」
「冒険者が増えて騒がしくなるぞ」
「それはやだにゃあ」
「せめて受付だけ欲しい~」
「ダヌパから引き抜いたら、あそこ潰れちまうよ・・・ギルマスがアレだから」
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冒険者の町ダヌパのギルド会館
いつもは依頼の授受や獲物や素材アイテム類の取引、パーティメンバーの見定め
依頼達成後の打ち上げをここでお手軽にやってしまう者も多い。
常に人でごった返す場所なのだ。
だけど今は受付ブースは無人、ホールは貸切。呼び出しを受けた数十名で埋まっている。
ギルドマスターが出てくるとざわつきがすっと引いた。
「さて、集まってもらったのは書状を送ったメンバー、すなわち実力者たちだ」
お互いの顔をキョロキョロと確認しあう冒険者たち、職業はバラバラ
「ギルド間の連絡および間諜を送って調べたところ、隣国サイトンに傭兵が集まっているとの情報を得た。急速な軍備増強ともいえよう」
傭兵系のメンバーが声を上げた
「戦争でも仕掛けようって事ぁ、ねーよなぁ」
「国力の差が分かっとらんのかねぇ」
「どこぞの特魔じゃあるまいし、私怨私欲だけで国が動くなんて事はない!」
ギルマス、ビルナルド氏は長めの前髪をサッと掻き上げると芝居がかった仕草で皆に語った
「結局、詳細な事はな~んも分かっちゃいない」
「そこでだ、2~3人のチームを組んで、内情を探って欲しいというわけだ」
「とりあえず、この中から3組ほど向かって欲しい。」
むー、スパイ任務ねー・・・アタシには向かないよっ
子供が軍事国家寄りのところへ遊びに行くワケないし・・・
「シーフが忍び込んでも、怪しまれるだけだしなぁ」
「吟遊詩人なら怪しまれないかもな」
「商人も怪しまれんだろう」
「巨人族の僕は問題だらけだ、第一目立ちすぎる」
「何をおっしゃるんでぇ鎧の旦那、俺ら傭兵達にとっては、救世主の様なお方なんだぜ」
黒いブレストプレートのおっちゃんがセリフをインターセプト
「旦那の『不倒』ブランドの鎧は、傭兵たちにとってはステータスなんですぜ」
「その作者職人と言ったらもー憧れの人、いや命の恩人ですぜ」
「そうだ、隣国サイトンに支店を作るために視察ってのはどうです?」
傭兵系のメンバーが話題をリレーする
「傭兵界のカリスマとは恐れ入ったなぁ、傭兵ってのは事情通が多い。これはいけるかも」
ギルマスが笑いながら意見を述べる
「オーリ君はどうする?」
「アタシは名前と・・・もしかしたら顔がわれている可能性が・・・」
「訓練所の件か、最近あちこちの試合で名が広まってるしなぁ、優勝総ざらいする集団が名乗ってるらしい」
「あまり手の内を見せびらかして欲しくないんだけどねぇ、止めてなかったアタシが悪い」
「というわけでカッツェの連中は目立ちすぎて不適任」
ギルマス、つめよってくる
「いろいろ重宝なスキル持ちの教官殿には参加してもらいたいんだけどねぇ」
「こんな子供の冒険者、絶対怪しまれるってば」
「そこで子供向けの鎧を1着・オーリ君に着せて、親子の振りして潜入するってのはどうだい」
『『親子!!』』
「ぼ・・・僕は独身だし・・・」
もじもじ巨大アーマー
「そこはそれ、任務上の設定という事で、ほかにも実家の兄から預かった姪っ子とか色々いじりようがあるだろ」
「兄も・・・独身なんで・・・僕、見かけはこうだが20代だ(※2)」
生真面目なんだよね、鎧さん
しかも彼が兜を脱がないのもその辺りがトラウマになっているらしい
ちなみに鎧さんのお兄さんはイケメン・・・いやイケジャイだ
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ぽくぽくと荷馬車はゆっくりすすむ。
とりでを越えて中立地帯を越え隣国サイトンへ・・・
サイトンは城砦国家だ。国土のほとんどを壁で囲まれた国
比較的入出の容易だったヤタ王国(今まで住んでた国)と比べると重っ苦しい雰囲気はある。
見える人影のほとんどが兵士か傭兵
当然のことながらチェックは厳しい
巨人族で真っ黒フルプレートはものすごく目立つ。ちなみにアタシも軽鎧ではあるもののほぼ全身まっくろだ。おそろい?
「ほう、重戦士か、志願兵か? 実力次第だが歓迎するぞ」
「一応戦士ではあるのですが、僕は鍛治職人なんです」
その声を聞いたのかあちこちから傭兵さんが駆け寄ってくる
「その真っ黒な巨体、さてはうわさの・・・」
「腰にエンブレムプレートがあった、やはり本物だ」
「幻の『不倒』ブランドの職人様だー」
周りを囲む傭兵たちのお祭りテンションに気おされつつ番兵は言った
「そんな凄いやつなんかね」
「ああ、俺たち傭兵に取っちゃ神のような人だ、何度命を救われたか」
「支給鎧の兵士さんにはわからねぇだろうが、この方の作る鎧は超一流なんでさぁ」
「カリスマ職人とでも言うのかな」
「不倒の旦那、どうしてこんな所まで」
「この国に支店をつくろうかと・・・」
「「「うわぁぁ~~~~っ!!」」」
台詞を言い終わる前に歓声が広がった
「ささ、いきましょうぜ」
「案内しやすぜ」
傭兵集団に押し流されるように門へと進む
番兵も仕事しないわけには行かないので質問してくる
「御名前の確認を!」
「アマド・アコア、鎧職人だ」
「アセン・アコア、おてつだいなの」(※3)
アセンは今回の作戦用の仮名だよっ
「サブ職も来訪目的も聞いちまったしなぁ、ヨシ!」
傭兵たちに囲まれたまま入国、いいんかいな
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「定番だけど、馬車を預けて宿を押さえよう」
「だねー、とりあえず一息入れたい」
両者顔は隠れてるけど、観光しに来た家族のように振舞う。
昔は演劇部の助っ人やってたくらいだったんだよっ
しぐさに感情を乗せるのは得意、普段からお手本がすぐ隣にいるからね。
「旦那ァ、宿をお探しですかァ、ごあんないしやすぜ」
馬車に併走して小走りしてきたおっさんが声をかけてくる。
肩幅の広い堅肥りの体系、ハゲ頭に碧眼と手足の傷跡が目立つ辺り、引退した元傭兵であろう
「うちは天井も高いし間取りも広め、壁だって厚いよー」
「おおっと、ウチは、ご指定あればどの地方の料理でも出すよー」
かぶせるように勧誘してくる細身の初老の男。元は鋭かったであろう目を目いっぱい開いて優しい印象を作りつつ勧誘してくる、多分元アサシンだぁね
どちらも元傭兵が引退後に始めた宿なのだろう
「どっちにする? パパ」
甘えるようにしなだれかかってみる。ぽっちゃりしてないけど『小悪魔ムーブ』
むしろフルアーマーでがっちゃりしてる。『がちゃ娘は小悪魔ムーブがやめられない』
「パパはやめろ~~~」(小声)
「え゛~~、∠(・△・)ゝ娘なら襲われたりしないでしょ?この場合」(小声)
通常ならまだしも、小声で話せば馬車の車輪音に紛れて他人には聞こえない。
お互いフルアーマーで密着してるからこそできる骨伝道ならぬアーマー伝道による秘密会話
「で、どっちの宿に?」
「ここはは戦士系の宿一択だ、巨人族にとって部屋の広さと天井は、大切なポイントだからね」
「料理は外で食べてもいいんしね」
さ~って、隣国偵察の任務
まずは作戦会議なの
拙い作品をお読みいただきありがとうございます
いかに斬りつけます 散り散りバラバラ
つつかないでよ めすがき
雨も風も固めて連射「タリホー!」
思いきり放つ Full Shot!!
なりきり得意なおーちゃんは与えられた役にすぐ適応するけど
鎧さんはそうウマく行かないようです。
4周年突入しました、今度は国がらみのお話・・・の予定
そして陰で暗躍する別世界の魔の手
【解説】
(※1)うさぎ美味しい かの山、こぶた突きし かの森~ : ウサギは角生えたりするかも。子豚は多分、子供オーク
(※2)見かけはこうだが20代だ : 今明かされる鎧さんの年齢・・・28です。素顔を見るとどう見てもアラフォーなのがコンプレックス。ちなみに兄は34歳、若々しい さわやかイケメン、いやイケジャイ
巨人族はエルフほどではないけど長命種族です。
(※3)おてつだいなの ; 役作りもかねて口調もいつもと変えてたりする。
普段の口癖は「~だよっ」だけど、ここから正体がばれるかもしれない
ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが(あると嬉しいのは事実だけど)
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