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超サマルはテンプレなんかに負けないよっ!   作者: 吾流峰子
12章:巻き込まれ人生
182/212

12章-01 とりあえず・・・だよっ

先に謝罪、また1回抜けました。

仕事場でも心配されるくらい体調崩してます。

仕事から帰宅後&休日はほぼ寝て(倒れて)たりします。

コロナではないので、御心配なく (¬▽¬; デバルナ、サクシャ


【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】

本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。

original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/

――――――――――


「おや、ネコさん。お久しぶりでス、お帰りなさイ」


ティル村の(ゲート)を飛び越え、とりあえず馬車係留所に着陸する。

門の見張りを兼ねている交易商会の駐在員のミッコさん、甲高い声と小さな身体、インプ族だから当然なんだけどね。


「立派な鳥ですナ、とても速そうダ、特急便向き」


「速いよ、でもこの子は戦闘用なんで交易には向かないよ」


根っから商人のミッコさんは事あるごとに交易の仕事をしないかって誘ってくるんで、先に釘を刺しておく。


「これなら相場が変わる前に捌けるから大儲けできると思ったのニ・・・」


「クワッ!」


戦士の誇りに触れたらしく、ストライク君はミッコさんへ向かって一声

尻餅突いたミッコさんは完全に硬直状態。


「うん、オナカ空いたよね~、一口サイズだけど食べちゃダメだよっ

 新鮮な生肉ブロック買ってあげるからね」


「ししょ~、ベルト外して欲しいのですぅ~~」


おっと忘れてた、後部座席

絶対に落下しないようにって、タヌ子とオギをベルトでくくりつけてたんだっけ。


・・・うん、みごとな『タコ糸で巻いたチャーシュー』状態

鞍に突っ伏した状態の上から何本ものベルトが食い込んでいる

飛行用召還獣の安全ベルトは緩みによる事故を防ぐため、締められる余地がある限り自動的に締まるようになっている。(※1)


ぱしゅん、ぱしゅん、ぱしゅん


ベルトのリリースボタンを押してゆく、なに? こんなに縛られてたら自力脱出できないって?

うん、出来ないようになってる。うっかりベルトが外れないような仕様。

そもそもパラシュートすらないのに、空中でベルト外してなんになるってーの?

飛行機じゃなくて生き物なんだから、緊急時も離れないほうが安全。

気絶とか麻痺とかしたらどうするって? それは操縦者の仕事、後部座席の手出しする事ではない。


「ふぃ~~っ、危うく()ぜるか輪切りになるところだったですぅ」


んなバカな、切断用ワイヤーじゃあるまいし、見たところ服にも身体にもベルト跡すら付いてないぞー・・・ところでオギは?


鞍の方を確認したら、真っ赤に茹ってた。比較的体温の高い鳥類とタヌ子の間に挟まってたからね。駄肉クッションで密閉されてたみたい、熱中症だけ確認、何とか大丈夫っぽい・・・

念のために水筒から水分補給させておく。アタシの水筒の水には香り付け程度の果汁とちょっとだけお塩が溶かしてある。テキトーだけどただの水より身体に優しい。


「さ、ゴハン食べに行くよっ」


てくてくと歩く3人と1羽、この村に食堂は1件しかない(※2)

麦畑の間を突っ切る道、この村はのどかだ。


ティル村産の小麦はグルメご用達の特産品、だけどせっかく良質の名水が豊潤にあるのだから水田稲作をやったらいいんじゃないかなーって思ったりもしたけど。

ニーズが分からないうちに思いつきだけで個人が文化を曲げてはいけない!

でもいつか、個人用にお米作ってみるのもいいかも(※3)・・・いい苗が入ったら・・・


・・・てな事を考えながら歩いているとお店に着いた。

ちょっと長身、ふんわり系のお姉さん、店主兼シェフのケイティさんが迎えてくれる


「いらっしゃい・・・いや、『おかえり』かしら」


「ただいまーだよっ、海の向こうで暴れてきたー」


アタシも一応この村の住人、帰る場所があるってやっぱいいよね。(∂~∂)


「ミックスグリルランチ、通常とレディースとジュニアでお願い」


アタシがこの村に着いて、初めて食べたメニューのランチバージョン


「ししょぉ~~、わたしもがっつり行きたいですぅ~」


「却下! こ・れ・は・な・に?」


アタシはタヌ子の普段着、魔道強化繊維(ません)のメイド服。「SUGOI DEKAI」と入れたくなる胸元のアンダーからウエストを締め上げるコルセットのすぐ下、ふわりと広がったフレアスカートの上部をつかんだ。


「・・・パニエ・・・かな? あだだだっ!」


アタシはつかんだ手に力をこめる。ぷにぷにとした弾力が返ってくる。


「あだだだだっ、駄肉ですぅっ、贅肉ですぅぅっ!」


コルセットの下側からはみ出たお肉、逆さマフィントップをスカートを広げるのに使ってしまうデザイン。

スレンダー貧乳デザイナーのマミさんからタヌ子への皮肉をこめたデザイン

タヌ子は天然なので皮肉には気づいてないみたい。

見た目は凄くかわいいし、ナイフも炎も熱湯も通さない強力な防具でもあるから気に入ってるらしい。


くわっ! くぅぅ~~


店の外から声がする・・・あ、忘れてたっ!


「ケイティさーん、追加お願いしていい? 店の外で待ってる大鷲に新鮮な生肉とお水を」


「やっぱしネコちゃんとこの鳥さんだったのね~あんな大きな鳥()()()()なかったから・・・」


村最強の女丈夫、素手でオーガを瞬殺KOしたのもまだ記憶に新しい。

この女傑にかかれば、大鷲も食材の一種なのかもしれない・・・逃げずによく耐えた、ストライク


「そうねぇ、お肉が焼けるまでのあいだに、こちらにお出ししちゃいましょうか」

 

リアリティを疑いたくなるビジュアル・・・ブロック肉を乗せたマンホールサイズの皿と大タライサイズの深皿(水入り)を左右に軽々とつかんだまま店の脇から出てきたケイティさんはストライクの前まで軽やかに歩み寄る。

ストライクの方は、背筋を正しビシッと硬直する。野生の勘で『機嫌を損ねてはいけない相手』だと判断したのだろう


「わざわざお肉食べにつれてこられたって事は、これはきっとご褒美なのね」


コクコクとうなづくストライク、置かれた生肉と水を前におとなしく座った


「あら、たべないの?」


「許可出してあげてください。大型肉食猛禽類なんで、許可や指示の無い時は食べないんです」


「えらいのね、どうぞお食べなさい」


チビチビと肉をついばむストライク、視線はずっとケイティさんにある。


「ストライク、じっくり味わって食べるんだよ、高級肉のブロックだからね」


「そろそろこっちもお肉焼けるからお店に戻りましょ」


・・・あ、ケイティさんいなくなったら がっつきはじめた。(※4)

むー、お説教は後にしよう。


とりあえず優先すべきはお昼ご飯


――――――――――


「やっぱここの料理だよっ、村に帰ってきたーって実感湧くよっ!」


「なんかもー、第二のふるさとの味ってかんじなのですぅ」


「オイラもここのきつ過ぎない味付け、すきだー」


タヌ子もオギも獣人なので、人の食べるものならなんでも食べる

もとより雑食、オギは特に鶏肉が好きなようだ


「ししょーの料理はやや調味料に頼り過ぎなのですぅ

『素材そのものの味の調和を持って料理は仕上がる、調味料はその手助け』ってケイティ師匠は言ってるのですぅ」


「わかってるじゃない、修行しただけあるじゃないの」


ふっと現れたケイティさん(タヌ子の料理の師匠)がタヌ子の頭に手を置く


「料理は愛!」

「愛とはパワー! ですですぅ」


むー、突っ込みたい!

でもアタシも知っている、この村のウワサ・・・

『食堂で体重と駄肉がらみの言葉を使ったものは五体満足でいられない』


わかるよっ、ケイティさんの逆鱗に触れるような命知らずな真似はしない。

アタシだって命は惜しい。

ここは聞き流して食事に専念する、味覚に集中集中


――――――――――


食事も堪能したし、ひとまず自宅へと帰る。といっても歩いて5分のご近所。


我が家はぱっと見は普通だけど巨人族にも対応した最新設計

大鷲でもギリギリ入れる


アーマー脱いで簡素なチュニックに着替える(室内着)


「さ、早速身体を清めるよっ! 最初はストライクちゃんっ」


「水鳥じゃないから軽く水浴びする程度でいいかもね」


我が家の浴室だけにある最先端ドワーフ技術の賜物、『シャワー』からぬる目の水が出る


ストライクは、最初おっかなびっくりと水に触れては引き、また水を浴びてはひく

次第に水を浴びる時間が延びてゆき、最後にはシャワーを楽しむようになる。


どっかで見たような気がする・・・むー・・・インコの水浴びと同じパターン

水鳥じゃないので、シャンプーとかでゴシゴシするわけにもいかない

羽毛に染み付いた塩分が取れればいいのでしばらく自由に浴びさせておく


・・・ん?


ざっぱぁん!!


今度は湯船に飛び込んだ。

数秒ほどバシャバシャするとぱっと飛び出てぶるぶるぶるっと水を払うと脱衣所へと歩いてった。

どうやら満足したらしい。

タヌ子とオギがバスタオルを持って待ち構えている。ストライクも分かっているらしく大人しくタオルドライを受けている。


脚を拭いてもらう時はカギ爪を引っ掛けないよう握りこんで差し出し、指を拭いてもらう時だけ開く、たいした気の使いようだ。


大体を拭かれると、とっとっと玄関を飛び出し屋根の上に飛びあがる。仕上げは日光浴なのね。


アタシは家の裏手の給湯用釜に火を入れる。これは魔法で1発


そしてかる~くシャワーを浴びる。

むー、なんか忘れてるような・・・あーっ!!


――――――――――


アタシは地上最速の騎乗召還獣『水前寺さん』(※5)を呼び出すと

時速100km超えでダヌパへと向かった。


いつもたまり場にしているダヌパの冒険者ギルドとなりの酒場


「なんで逃げたのよっ」


明らかにお冠の表情でマミさんが迫ってくる

他の面々は取材陣のラッシュに疲労困憊してへたりこんでいる


「着陸する場所が無かったんだよっ

ストライクちゃんは海鳥じゃないんだよ、海面着水なんでできないの

甲板は気球膨らましてたし、港町は人で埋め尽くされてたし・・・」


「そりゃ巨大猛禽類が降りてきたら一般人はパニックなるわよねぇ」


「適切な判断だよっ」


「・・・で、なんで逃げたの?」


「・・・わざと」


アタシは覚悟して身を固めた、防御フィードもディフェンススキルもOFFにして。

パーティメンバーを置いて逃げるのは用兵ならまだしも冒険者として恥ずべき行為だ

ど突かれてもおかしくない


∠(≧M≦)ゝなー・・・歯を食いしばる・・・覚悟完了


「ほぅ・・・アーマーは外して」


言われるままに装甲パーツを外す。


「お~し~お~き~だ~べぇ~~」


う゛に゛ゃああぁぁあ゛ぁぁぁっ!


装甲解除とほぼ同時に来ましタワーっ!!

完全なアタシの弱点狙いっ!ネコミミはむはむ甘噛み・・・

ここの神経はデフォルトで「感度4倍」なのよーっ(※6)

まだ殴られた方がまし~~っ

『ぞわぞわ』が首筋から背中を通って全身へ広がる。

と。同時に腰の辺りを指でとんとんとん・・・


あ・・・あわわわっ・・・


力が抜ける・・・足腰が立たない・・・

脊椎の下半分近くと、神経系接続ドライバによる仮想尾椎神経(※7)が暴走してる

尾椎神経は下腹神経・骨盤神経・陰部神経につながってたはず。

・・・模試ではいいトコ行ったんだけどここでは役に立たない『生物』の知識・・・

脱線したところで何の効果も無い


み・・・みゃ・・・みゅ・・・


浮いた話のない元ボッチ喪女の現幼女にスキンシップは、未知の塊、

免疫力・抵抗力の付けようがない、経験自体が無いんだよっ


ネコ殺しフルコースの前に、アタシの意識は闇の中へ落ちてった・・・



拙い作品をお読みいただきありがとうございます


喪女幼女では変態セクハラ百合テクに敵うはずもないのです。


ネコ殺しフルコースは効かないネコさんもいますので。実施する場合は自己責任で。

ミミ撫でさせてくれるネコさんは、かなり懐いてる子くらいですことをお忘れなく。


コミュ症&経験量の無さからと、神経系のスペック(ステータス)も合わさって、スキンシップにめちゃくちゃ弱い。(意外とおーちゃんはしゃべらない。地文で思うことは多いけど)

燃費劣悪で、すぐにオナカが空く。するとスタミナが切れる。(おやつ切れると戦えない)

水に浮けない、ゆえにカナヅチ。(これは比較的新しいかな)

おーちゃんって、意外と弱点が多いことに気付く。

どーも最近可愛いことしてないなー、こんなんで主人公務まるんだろーか・・・or2


【解説】


(※1)自動的に締まるようになっている : 空戦機動(マニューバ)などによるGで多少体形が変化しようとズレたしないための仕掛け。体重70kg成人男子でも内40kgは体液、G次第で体形なんて変わる。


(※2)このティル村に食堂は1件しかない : 競争する店がない、独占である。

小さな村な上に王国内で有名なシェフ、ライバル店が現れないとの事

かといって裏から手を回そうにも、オーガも瞬殺するハイスペック店主に挑む者はいない。

この村に荒くれ者がいないのは、唯一の食料品店がこの店であることも大きい。


(※3)個人用にお米作ってみるのもいいかも : ゴハン1杯65g、約3万粒、大体2株、1年に消費するお米が約60kg(H17年データ)、必要な水田面積は、122㎡

一辺11mの正方形、大きいと見るか小さいと見るか・・・


(※4)ケイティさんいなくなったら がっつきはじめた : 動物は自分への脅威度によって対する態度を変えるのが一般的。強いものには逆らわない。

本能的に相手の強さを察知、した結果。

ケイティさんはスキルなし&素手だったらおーちゃんより強いと思われる。


(※5)地上最速の騎乗召還獣『水前寺さん』 : ある程度以上の年齢があれば種族は分かるはず。 そうチーターです。その速度ばかりが注目されてますが、実は大型猫科肉食獣の中で最も人に馴れやすいんだそうです。


(※6)ここの神経はデフォルトで「感度4倍」なのよーっ : 3000倍でなくて申し訳ない。

ネコの聴力は人間の約4倍、犬の2倍

当然神経に流れる情報量も4倍、実はまだ跳ね上げることが可能だったりする。ただし神経に負荷がかかるので、長時間は無理。


(※7)神経系接続ドライバによる仮想尾椎神経 : 事故で手足等を失った人でも、無いはずの手足から刺激を受け取ることはあるという。これは神経系というのは全身でニューラルネットワークを形成しているせいらしい。本来人間にはない尻尾を接続した為に仮想のネットワークが出来てしまっていると思われる。機械の尻尾の中に生身の神経索細胞は入っていないけれど、仮想的に構築されているらしい。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 結構弱点が多い 所詮は猫耳幼女 最強でも万能じゃないね [気になる点] 水前寺=チーター 解説がいるのか 昭和も遠くなりにけり (小さいたーちゃんでちいたあ) [一言] ご無事でなりより …
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