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11章-04 ききなのだー・・・よっ

一応、帰りの便の船チケットはもらってるけど、こんなに寄り道しちゃって大丈夫なのかな?

バンアレン帯? 天文系はあまり得意じゃなかったよっ (¬▽¬;

【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】

本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。

original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/

――――――――――


小さなオアシス、荒れてた大地の中のわずかな憩いのひと時


「たまにゃ こんな風にゆったりと走るのもいいもんだったぜ」


「ありがとうな、まぁ食ってくれ」


ダチョウたちは食事&休憩しながら歓談中、アタシは巨人の国ヴァーレルで仕入れといた野菜類を報酬として提供。(ダチョウは草食)

ノワのやつが、あたかも自分が振舞っているかのような態度だけど、元からそーゆー性格なので気にしない。実際ダチョウの声が聞こえるのはアタシだけだしねー、ツッコミ入れても独り言にしか回りの人からは思われない。(※1)


「この丸まった葉っぱ、みずみずしくてウメェな」

「この赤い木の実、格別だぜ」


どうやらキャベツとリンゴが好評なようだ、サバンナじゃ手に入らない北国の植物だからねー


「〔ご主人、アレおくれ〕」


ノワ本人の声はダイレクトに伝わってくる

まったくウチの召還獣(ペット)は常識外れが多くて混乱する。

ダチョウは本来草食性なのに・・・と思いつつも、好物のベーコンを3切れほど放ってやる


器用に嘴でキャッチするといったん石の上に置き、1枚だけ食べた。


「〔お前らもどうだ?〕」


「お前さん、肉食うのか?」


「〔俺は食える者は何でも食う、それがパワーの源だ〕」


「ラストスパートの疾風のような走りも、それがヒミツかい?」


「〔ああ、ドラゴンだって肉食うだろ? おんなじだ〕」


ちがうでしょ、『ブースト』は召還獣(エンリ産)の黒ダチョウの固有スキルだってーのに

どうやら、見栄がはりたいらしい

アタシは直接ダチョウ語をしゃべれないので、一般ダチョウに説明も、ノワにツッコミもいれられない。

手が出ない事はスルー、素直に放置してアタシも仲間とともに一休み。


日も少し傾いてきた、我々パーティは、西の方に目視できるくらい先の森へ(※2)

群れは南の方へと進むらしい

ダチョウさん達とはお別れだ。


「ありがとう、楽しかったよっ」

「よい旅を」

「またいつかー」


手を振ってお別れ、直接言葉は通じなくとも気持ちは通じてると思いたい


とっとっと歩き出した群れが一斉に足を止め


ばささっ!!


こちらに向かって片翼を広げるように上げた


「むふふ~・・・けものふぁーすとなのですぅ」


タヌ子、意味わかって使ってるの?

まー、ウチにはケモノもケダモノ魔女もいるし・・・( ̄△ ̄)

のけものは確かにいないなー


――――――――――


森を行く・・・


「ここの森はそんなに深くないからじきに抜けれるよ」


・・・!


「・・・・・・みぃ・・・」


なんか聞こえた。か細い声


「お嬢も聞こえたっスか? あっちの方で何か事件が起ころうとしている・・・

もらった能力、初めて実感したっス」


「子供の声なのですぅ」

「ネコミミししょー、助けを求めてるよ、いこう!」


「きゅっ、救いを求める声は無視できないですね」


イフリートからもらった能力『風のうわさ』でイベントフラグをキャッチしたタツアン

アーティファクト「生きたネコミミ」の強化聴力で声が聞こえたアタシ

元から聴力の高い獣人族3名(タヌ子・オギ・マー君)

何気に状況把握能力高くない? ウチらのパーティ、イフリートに感謝~ (∂▽-)-☆


「事態は急を要するみたいだよっ、いこう!」


「そうだな、その前にマミ、頼む」


「あいよっ、『孤独なる沈黙(サイレンス・アローン)』・・・久しぶりだーコレ使ったの」


個人用消音呪文を鎧さんにかける。

後で聞いた話によるけど、本来は呪歌や呪文詠唱対策の魔法らしい

対象物から発生する音をほぼ封じるんだそうな。

範囲ではなく対象指定なので、歩く騒音の鎧さんの消音に使用したという訳

かけられた鎧さん側は他の音を聴くことはできるけど発声不可、当然会話も不可能になる


その重装甲さからあまり走ったりするように思えない鎧さんだけど、結構足は速い

ゆったりと走っているようで歩幅が違う


タツアンがそれに続く、斥候を担当するシーフだけあって速い、純粋に技術か身体能力によるものだと思う。

意外な事に魔道士のマミさんもやや足は速め、なんで? いつもより速い


犬型獣人(アヌビン)のマー君は意外にも人並みの速さ、でもこれは通常時のみ

必用とあらば四足走行モードへと切り替えて高速移動ができる、ただしあくまで緊急時のみらしい。

犬型獣人(アヌビン)の常識と言うか道徳らしく、人前での4つ足は恥ずかしい事らしい。

武器や盾を持ってるから使わなかっただけかもしれない・・・


アタシもマー君に並走して走る。スキルを使用しない場合のアタシの移動速度は人並みだ。

努力はしてみても身体の小ささ差分程度しか補えなかった。

でもコレはコレで利点もある。アタシは通常移動でスタミナを消費しないのだから(※3)


後続するのは非戦闘要員、オギもタヌ子も変化して獣化すればそれなりに速いはずなんだけど・・・

気づいてないな、多分


だいたい視認可能な距離まで接近。今いる所より先は少々開けている。

あまり深くない森によく見られる所々空いた木々のまばらな草地

アタシがレーダー代わりに使うMap機能は、位置と向きおよび魔物かどうかが分かるだけで、詳細は目視確認するまでわからない。

中心に人物の白アイコン2つ、それを囲むように6つの赤アイコン、魔物だ。

むー、ツーマンセル(2匹一組)で3方向から包囲とは頭のいいやり方だよっ。


森の中の風は安定しない、一瞬変わった・・・今まで横風ばかりだったのが向かい風に変わる


「キラーウルフ系の魔物ですね、ここまで近づけば臭いで分かります」


マー君の匂い識別はほぼ信用していい。

さて、襲われている方は・・・


遠見の(ファーリーチング)照準器(・サイト)・・・」


先に呪文を唱えたのはマミさん、遠距離照準の補助魔法かー、なるほどだよっ


「・・・ぐふっ・・・ふふふっ・・・」

「ふーっ、ふーっ、ふーっ・・・」


あれ? マミさんどしたの? 雰囲気おかしいよっ

(普段から怪しいけと)言動とかものすごく怪しいんですけど


ドンッ!


何の呪文かは分からなかったけど、ものすごい勢いで突っ込んでいった


「マミ、突出は危険・・・」


鎧さんの忠告も無視して両手を組み合わせて前へのばす、

拳銃のダブルハンドの構えだ・・・


「このド畜生がぁぁっっ、この世の至宝を汚させはしないわよぉっっ!」

イバラの弾丸(パレット・ソーン)っ!」


放たれた魔弾えが黒い巨大狼の胸に打ち込まれる


ギャンッ・・・・ごばぁっ!


着弾の衝撃で吹き飛んだ巨体の毛皮を突き破り、太い棘が何本も放射状に突き出る

体内にめり込んだ弾から発生したのだろう、エグ過ぎる魔法だ。

大量に吐血しながら地面に落ちていく黒オオカミ(キラーウルフ)


なし崩し的に戦闘開始、戦闘可能な者は全員突撃!


「オオカミは2匹ずつ組んでるから注意して!」


アタシのミニMapレーダーは他者に見せる事ができない脳内イメージ投影

配置の説明も作戦擦り合わせも無しに始まっちゃったから最重要点だけ伝えとく


「僕はマミの援護に行く」

「アタシは中央付近へ」

「きゅ、左奥のはボクが食い止めるよ、タツアンさん攻撃お願い」

「まかせな!」


――――――――――


・・・『挺身』ッ!


大盾を構えた巨体が瞬時に移動し、呪文発動後の魔道士と狼の間に割って入る


「熱くなり過ぎだ、おまえらしくもない」


「あんがと、鎧ちゃん」


「もらったスキルが初めて役に立ったな」

 

――――――――――


アタシには分かる、目標物の正確な位置が、一番急を要する者の位置が。

走って行ったのでは間に合わない、幸いまだ明るいからほとんど見えないはず・・・


『フェアリィ・ウィング』


背中から光で形成された翅が出現し、加速を生む

飛び上がらず地面を這うように速度を上げる、上昇に使う分のパワーを全て推進力に割り振った。

高度が落ちすぎたらつま先かシッポで地面を打つ、仮称ガウォーク走法だよっ


光のように駆け抜ける・・・って実際光の軌跡が残っちゃってる


「まにあったよっ!」


うずくまってる人物に跳びかかる黒オオカミ

ブレーキなど掛けない、そのまま身体を引き起こす、同時に抜刀、タービンも始動

2刀を鋏のようにクロスさせ、そのまま空中の狼を迎え撃つ

ゴキっと骨の折れる感触、頚椎折れたかな? 刃を押し引きしてないので肉を切り裂いてはいない。

理由? ブレーキだよっ


足の下をもう一頭が駆け抜けようとしてる、きれいな時間差連携・・・でも読めてたよっ!

シッポの10連フライホイールは起動済み。ジャイロスタビライザー兼アクティブホイール。

慣性挙動を捻じ曲げて強制的に着陸、迫るもう一頭に対峙する。


スバシャァァッ!!


こっちを意識して(タゲって)ない状態の突進する敵なぞ『的』でしかない。

確実に倒せるチャンスは逃さない、むしろ逃したらこっちが危険だよっ。


開いた口の中から首筋へと、同時に胸元から尻尾の付け根へと刃が走り抜ける、ちと不恰好だが変形三枚卸。

どんな生き物だって、頭部と心臓含めた内臓まとめて切り裂かれたら生きてはいないでしょ

アンデッドは別だよっ、あれ生き物じゃないから


残り3頭は任せちゃっていいでしょう

さて、襲われてたのはどんな人かなー


・・・!!


子供だ、黒髪の男の子と白い女の子・・・アタシより、さらに小さい、明らかに年齢一桁

そして、その頭から生えている三角の耳・・・猫型獣人(フェルゼンティ)!!



拙い作品をお読みいただきありがとうございます


ピンチだったロリショタ、しかもネコミミ

『ネコミミ幼女』としてのアイデンティティのピンチなのだーっ!!


煩悩で保護対象へ突進するマミさんは『愛の人』です。


【解説】


(※1)独り言にしか回りの人からは見えない : リンクできているのは自分のペットのノワールだけなので、言った事は1匹にしか伝わらない。ただし、聞く方はノワの耳を経由して聞こえているので自動的に翻訳されている。



(※2)目視できるくらい先の森へ : 草すら少ないサバンナは昼夜の温度差が激しい。

でも代わる()わる野生動物が立ち寄るオアシスに長居して占拠するのも迷惑。

自然に優しい冒険者としてのマナー(たまに自然破壊も行うので、できる事はする)


(※3)通常移動でスタミナを消費しないのだから : 消費するスタミナと自然回復するスタミナ地が釣り合っているという事。ただし実質2~3時間程度が限度、空腹時にはスタミナが激減してしまうので

加速に使えるスキルはいくつかあれど、独断先行は控えている



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[良い点] バンダインからのヴァルキリー 相変わらずのオッサンホイホイ 光の軌跡引いて走るってなんか懐かしい
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