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10章-02 巨人の国ヴァーレルだよっ

じんぐっべ~ じんぐっべ~ モチがーなるー

きょうはーたのっしーいお正月~ いぇぃっ(≧▽≦)9


どうやら創造神(さくしゃ)の呪いみたいだ、歌が出る程度なので気にしないけど

クリスマス辺りから年始にかけて、家族の入院やら当人もカゼひいたりと、それらしいこと出来なかったらしい・・・だからってこっちの世界に八つ当たりすなっ!



【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】

本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。

original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/

――――――――――


雪をけり 野山越えて すべりゆく 軽いソリ


・・・ってまだノロイの余波が Σ( ̄□ ̄;)


「きもちイイのですぅ、もっととばすのですぅ!」


「おぅおっ、できるだけ直線で走ってくれぃ、こちとら横転しやすいんだ」


先頭の本来のソリに乗るのは、操縦者として手綱を握るアタシと、運動神経の一番悪そうなタヌ子

彼女が不安定なバナナボートもどきに乗っていられるとは思えない。

しっかしまー、イフリートも自分の角がこんな事に使われるとは思ってなかっただろう


後ろのバナナボート・・・もとい連結した角には深雪に対応してない人が乗る

言いだしっぺとしてタツアンにはちゃんとバランスを取ってもらおう

あとはマミさん、操縦中のアタシにちょっかいかけられたら危険なので前のソリには乗せられない、だから後部シート。一応前科があるからねー

後部追加座席にはまだゆとりがあるので、雪上踏破能力持ちの3名の休憩用に使う

主にマー君の席、子狐オギは前のソリでも乗れるだけのスペースがある

ひたすら走ってた鎧さんも、走り疲れるとシールドをソリ代わりとしてバナナボート(?)につかまり、しばしの休憩を挟みながら、ひたすら雪道を進んだ


想定外の追加負荷で苦戦するかと思いきや、雪質のせいで摩擦が少ないのかけっこーが頑張るトナカイさん(ディアントラ)鎧さん(地元民)によると、もうすぐらしいからガンバレ!


あきらかに積載オーバーなんだけど、雪質の都合摩擦が少ないらしく、思ったより疲れてないようだ


――――――――――


氷山とも取れそうな巨大な氷の山の間を通るスロープを上がると、目的地

ジャイアントの国ヴァーレルへと到着した


屈強そうな巨人の兵士、奥に見える建物の数々、何もかもが巨大

まぁ、巨人の国なんだから当たり前か


奇妙な牽引物、巨大角の簡易ソリが注目を集める中、鎧さんは手馴れた感じで入国の手続きを進める


「お久しぶりです、ジガードさん」


「ひょっとしてアコアん所のホウズか、おっきくなったな、帰って来たのかい」


「近くまで来たので里帰りですよ、そうそう、こちらにいるのが今のパーティメンバーです」


「ほぅ、魔導師、盗賊、聖職者、獣人、黒キツネと・・・アイスロックペンギン?(※1)」


むー、コレはローブだよっ、ぷんすこ


「いや、これはそーいう服なだけで、彼女は人間です・・・」


――――――――――


へぇ、コレが巨人の国


「おっきな建物なのですぅ」


まー、大きくないと入れないでしょうしね


「あそこがボクの実家。兄さんの家だ」


へ~ぇ

ならやっぱ、久しぶりの里帰り、感動の兄弟の絆確認ってのをやってもらわないとねぇ


「アテレコはこっちでするから、気にせず感動の再会ってのをやっちゃって・・・ほら、ダッシュで駆け寄って熱い抱擁を・・・」


鎧さんは、しぶしぶなれど、実家に向かって駆け出す・・・ったく、素直じゃないんだから~~


『兄さんっ! 僕だよっ!! 帰ってきたよっ』


ちゃっかり肩の上から、目一杯の『くぎゅボイス(少年Ver)』で感極まったような演出をつける


足音と声を聞きつけて家から出てくる人影・・・多分鎧さんの兄、感動の再会だー


・・・・・・ ∠(○△○)ゝなー


「ようこそ、遠路はるばるお疲れ様・・・」


たしかに「兄」はいた・・・だが想像とはまったく違っていた

確かにイケボだ、顔も整っているイケメン寄りだ・・・それは認める


だけど違うのだよー、鎧さんよりデカくて、めっさムサイのだった・・・

ボッサボサの髪、髪が長いのは全然おっけ、三つ編みじゃなかったけど別におっけ

『まめ』じゃなかったけど、強引に勝手な妄想に当てはめるほど狭量じゃあない

無理やりに例えるなら、「世紀末覇者」の作品で味方側につくおとなしい目の兄貴ってカンジ(※2)


「おかえりアマド、オマエもジョーク演出できるようになったんだなぁ、兄ちゃんちょっと安心したよ」


がっしりハグしあう巨体、不健全な妄想してはいけない、アタシは腐ってはいない


「なんか昔は生真面目が服着て歩き回ってるような状態だったらしいわよ」


マミさんが小声で解説してくれる


「今は服も着てないですぅ」


タヌ子、間違っちゃいないが鎧は着てるぞ、誤解されるような言い回しはよそう


――――――――――


「ようこそ、他の国から来た人には、ここの風は冷たかろう、とりあえず中へお入り

弟から聞いてるかもしれないけど僕はアムド、村の鍛冶屋さんさ」


案内された屋内は暖かい、むしろ特定の部屋はひどく暑そうだ。ペンギンローブは脱いでおこう。


「ちょっと暖房過多だろ?ウチは鍛冶屋なんでね、ちょっとだけ他の家より暖かい」


「あのぉ・・・なんで外に出てたんですぅ? ここの風はとても冷たいのに」


「この山間の北国では、日光は貴重なんだ。かといって暖かいところと違って、服を脱ぐわけにも行かない。

こいつなんか、あまり外に出なかったから、こんなに青っ()ろくなっちまって」


お兄(マムド)さんが鎧さんの肩を抱き寄せる、兄弟っていいな・・・アタシは一人っ子だったからね


「まっくろだぞー」

「中身一度も見せてもらってないですぅ」


相変わらず そばうどんコンビ(タヌ子とオギ)は空気読まないなー


「あっはっは、アマドは小さい頃から人見知りだったからなー」


ガキィン!ガキィン!


「兄さんっ!」


ばしぃん!


うん、予想してた事だけど、巨人族(ジャイアント)スキンシップ(肉体言語)って、迫力あるなー、巻き込まれたらタダじゃ済まされないぞー

怪獣大戦争だー


それに、鎧さんの口数が少ないなー

家族の前ではこうなのかな、今まで故郷を離れ独りでがんばって来てたんだよね

普段お世話になってるんだし、今回はフォローに回るかなー


「押しかけて来てしまって申し訳ありません、ちょっとの間お世話になります」


「いえいえ、ゆっくりしていくといいよ、話は手紙で聞いている、おーちゃんこと

剣聖のタマゴのオーリくんだね」


むー、まめな性格だとは思ったけど、なんつー事手紙してるんだよっ


「え?そんな事言ってたんですかぁ、アタシが一方的にお世話なってるばっかりですよぉ」


「謙遜はよくないなぁ、弟は嘘を手紙に書くような子じゃあない。

・・・そういやその鎧も弟の作品じゃないのかなー」


あ、いまので読めた、この人『弟大好きお兄ちゃん』キャラなんだって・・・

しかもトコトン陽キャラ、ナンパこそ無いけどノリはひたすらに軽い、無精ひげ剃ったらモテそうかも


「せっかくだから、今夜は地元料理でも作ろうかと思う」


「兄さん、あれは外から来た人には・・・」


「任せとけ、ちゃんとマイルドに作る、兄ちゃんの器用さは知ってるだろ」


この人の超人的な器用さはその作品を持って知っている。マスター鍛冶職人(スミス)のミーディル親方の目から鱗を剥ぎ取った一振りの剣は記憶に新しい

それにさ、旅行の楽しみってやっぱ食事にあるって思っちゃうんだよね~


「郷土料理、たのしみですぅ」


タヌ子の食欲スイッチが入ってしまった


「この国の西の方にポポリナって村がある、そこが僕たち兄弟の実家だ」

「大きな湖があってな、そこの島で放牧やってたんだよなぁ」

「鍛冶屋になるーって家を飛び出したんだっけ」


再会した兄弟の募る話に割りいるのも野暮だから、周りの環境の観察に注力してみる

まず天井が高い、コレは仕方が無い、皆が皆3m近い身長してるんだから

ドアノブの位置も高い、アタシの身長だと飛びつく必要が出てきてしまう

内装こそ木造だけど建物自体は石造り、積雪が多いから木造だと耐えられないんだと思う 

家具とかは大きいけど作りは細やか、あの大きな手とは思えない繊細さ、ドワーフ的な職人技術の賜物?

いや違う、ジャイアントの技術力の根底は器用さなんかではなく他の種族を凌駕する根気にあるのだと思う。


――――――――――


ココトコと鍋が煮える、スパイシーな香りがする


「もうすぐ出来上がるからなー」


2人のジャイアントが細長い皿に乗せられた生地のようなものを麺のように削りながら鍋へと落としてゆく、うどんのようなほうとうのような刀削麺のような料理だ


「住んでいた島、ペンペルは、物流がお世辞にもよくなかったから、比較的保存の利く素材を組み合わせることが多かったんだ」


「はい、これが地元料理『ピーリカ』(※3) 。暖まると思うよ、熱いから気をつけてね」


手渡されたお椀・・・丼にひき肉のたっぷり入った赤っぽいスープに太麺のうどんのような一杯

フォークで食べるらしいけど、丁重に断って自前の箸を取り出した。

・・・だってさ、巨人族用のフォークは口に入らないんだもの


ぱくっ

ちょっと辛いスープが全身を暖める~、これが『ピーリカ』


「ピーリカ びり辛、ホポリナ ペンペル島! 」


思わず立ち上がって、魔女見習いのごとく小躍りしたくなる(※4)のを理性で押さえつける

程よい辛さ、強めのゴマの香り、ひき肉から出てくるコク、不均一な麺から来る食感の変化、こりゃ美味しい


「久しぶりだけど、やっぱ本場は美味しいわね」


マミさんはすでに経験済みのようだ、付き合い長いらしいからね

そういえば・・・


「わふっ!! 香辛料が鼻にッ! がふがふっ!」


うん、わかる・・・このテのスパイシーな料理ってむせると悲惨なんだよね


・・・あ、忘れてた! ここはジャイアントの国、何もかも巨大・・・器も鍋も


遅かった・・・タヌ子が膨れ上がってる(※5)

今回は仕方ないとして、早急に食器を工面しないと・・・


お兄さん、喜んで食べるからって、お代わりよそわないで~~


今夜は男女に分かれて就寝、おやすみなさぁい


――――――――――


「へっへっへっ・・・今日は同室だもんね、寝顔をたんまりと・・・」


もふっ


「ぴゅい?」

「ひっ!」


・・・部屋が広いから、今夜の護衛はマミさんの苦手なTYPE-J9(グリフォン)くん

夜目が効くわけじゃないけどベッドの脇に寝そべっていてくれるだけで十分


P.S 朝になって、鎧さんから怒られました


拙い作品をお読みいただきありがとうございます


更新中断しておりまして誠に申し訳ございません、体を壊してました

インフルエンザはそれなりの日数で治ったのですが、抵抗力の弱った所に付け込まれたようで皮膚下に感染症が広がる蜂窩織炎という病気にかかってしまいました。

現在治療続行中、けっこー痛い



【解説】


(※1)アイスロックペンギン : ヴァーレル近郊に生息するペンギン型モンスター、あまり強くないけどカワイイ


(※2)「世紀末覇者」の作品で味方側につくおとなしい目の兄貴ってカンジ :この国の青年は皆、巨漢マッチョしかいないみたいだ


(※3)地元料理『ピーリカ』 :坦々麺っぽい刀削麺ってイメージ、ただ異なるのは圧倒的ボリューム、これは巨人族の地元料理なのだよ


(※4)魔女見習いのごとく小躍りしたくなる :脳内イメージではテンボの速いカスタネット音の「も~っと」のお着替えシーンかなー


(※5)タヌ子が膨れ上がってる :たびたび説明してるけど、タヌ子は出された料理を断れない&残せない。多分身に染み付いてしまってる本能のようなもの?



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