10章-01 迷宮を越えて・・・だよっ
少々前の事だけど、レビューもらっちゃったよんっ
【ただし読者にも適性と知識を要求するぞ!覚悟しろ!】って
う~ん、そんなに小難しいかな?
理屈っぽい所はちゃんと後ほど解説してるし、基本的にはお気楽極楽な
重くない物語だと思うんだけどなー
ウチの創造神が変人なのは否定しない
【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】
本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。
original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/
――――――――――
迷宮の長い階段を抜けると雪国だった。
・・・って、なにを文学してるんだよっ
雪国とゆーより辺り一面の雪景色、サラっサラのパウダースノー、粒が軽いのか ちょっとした風にも舞う
「わー、雪だーっ!」
オギはハイテンションで獣化して黒ギツネになると飛び込んで雪上を転げる(※1)
「ここから目的地まではすぐだよ」
鎧さんが颯爽と丘の上に立ち、はるか先を指差した。
残念ながら舞う粉雪にさえぎられて、指差した先には何も見えなかった
「なんでこの雪の上を平気で歩けるのよーっ」
マミさんが半分近く雪に埋まりながら抗議する
「装甲ブーツの足をヴァーレル仕様に戻してあるんだよ」
地元仕様かー、そもそも今回は鎧さんの里帰りに付いてきたんだしね
アタシもローブの特殊能力(後述)が無かったら膝くらいまでは雪に埋もれてる
どうやら巨人族は、雪の上でも問題なく行動できるみたい
そー言えば東北や北海道の人って、アイスバーンのうえでも滑らずに歩けるって聞いたっけ
アタシは生まれも育ちも都内、大雪の経験もない
だけど平均的10歳女性の約20倍の運動能力値(調整済)が日常的な動作を支えてくれているみたい、ここン所がRPG世界だねぇ・・・
まー、『転生したけど最弱』とか言ってるヤツに限って、そう大して掛からないうちにぱぱっと人間離れした能力ゲットしちゃうんだよね
よく聞く話で「ステータスなんて実際にはねぇ、こんな要素があったらブラバ確定!」なんてイキリトしちゃってる人がいたりしますが、実はあるんですよステータス値
実在しないのは『ステータス・オープン』とかいう表示機能の方であって、実際は地球の人間の方がパラメータはすっごく多いんよね
身長・体重とか、握力・視力・肺活量とか、血圧・コレステロールとか・・・身体測定やら健康診断ってのは、ぶっちゃけ『ステータス・オープン』なわけ、きっちりかっちり数値で表になってくるしね
近いうちにはウェアラブルなセンサーでいつでも『ステータス・オープン』できるようになりそうだし
リアルタイムにチェック、異常があれば自動的送信なんてどっちが魔法的だよって気分
世界が変われば常識も変わる 『オレが気にいらねぇから消えろ』なんていう人は、この世界には『特魔』くらいしか居ないよっ
「きゅー、辺り一面の雪景色だ」
「雪ですぅ、里を思い出すのですぅ」
マー君もタヌ子も雪は好きみたい、一応はしゃいだりはしないけど
変身できないマー君はともかくタヌ子も人型のまま、一応簡素なコートは羽織っているけど、防寒具としては街中使用程度のライトなコート、タヌ子に至っては、Jkご用達の丈の短いダッフルコート・・・
「寒くない?」
「ボクはご覧のとおり地毛がありますし、毛の中の空気を引っかき回さない風さえ防げれば」
にゃるほろー、表面だけ覆っとけば暖かいんだー・・・獣人べんり
でもまてよー、マー君はいい、全身毛玉のふわもこだから。
タヌ子は人型と子ダヌキの2形態を持つだけに、人形態の時は、体毛はほとんど頭部と尻尾に集中しててモフった所は無いはず、太腿出てるぞー絶対領域
「ししょー、最近寒さに強くなったのですぅ」
・・・ああ、『ぶあつい○ぼう』ね ∠(○△○;)ゝなー
――――――――――
イフリーター、いやイフリートからお土産をもらったアタシたち一行は、それこそこれ以上は無いってくらいに堂々と最終ステージの出口の門をくぐった。
なんたって、ここ『試練の迷宮』のラストステージをクリアしたのだから
単に通過しただけではない、出された試練全てをクリアしての堂々の踏破なのだから
「Congratulations!《コングラチュレーションズ》」
パンと小さな破裂音、紙ふぶき?
ダンジョンマスターの声なのか自動生成の声なのかは判らない、でもイフリートの心の声を聞いてしまったアタシには、微妙に腹立たしく聞こえる
「・・・また、精霊を捕まえてラスボスを作るの?」
声の発信源である門の鴨居に向けてつぶやいた・・・答えは返ってこなかった。
そして、門を抜けた先に見えたのは・・・光
高い高い天井の穴から少し斜めに床を照らす光の柱
そしてその光の中を伸びていく階段、何気に煌いてやがるッ!
「これが・・・迷宮の出口」
今までの熱気に満ちていた空気からうって変わって、冷たい風が鼻腔に突き刺さる
「あ、そーそー、ここの外は寒いから防寒対策をしっかりした方がいい」
「へーちょ!」
タヌ子よ、くしゃみでウケを狙わなくっていいんだよ、くしゃみネタで笑いが取れるのはアラフォー以上くらいなものなのだよっ
「召喚っ、くろーぜっと!」
衣装保管専任の召喚獣を呼び出す。この子はゴールデンレトリバー(大型犬)
どーしてもインベントリ性能からも荷物持ち召喚獣は犬系になってしまう
寒冷地用の外套を取り出すと、軽くブラシ掛けとオヤツをあげて送還
コイツは鎧の上から着込む外套なので着替えと言うよりこの場で重ね着
着ぐるみパジャマのように足元からほぼ全身を包み込む、胸元からオナカ、足元まで前面が白、肩から両脇、足サイドから背中に掛けて青のツートンカラー。
だぼっとしたゆったりAライン、頭部フードをかぶるとアポロキャップ状のバイザーが付いてて嘴っぽい
袖は手の先までミトン状に覆っていて防寒性ばっちり、一応開閉可能になっていて細かい作業も問題はない
今は吹雪の中でもないのでフードは被らないでおくけど、これを着ると思わず小躍りしたくなるコミカルな衣装
「♪空は~とべないけど~」
袖と一体化したミトンをパタパタさせながら軽くステップ
イベントもののちょいレア装備、耐寒性に優れた・・・見た目そのまま『ペンギンろーぶ』
フード被ってないから首から下はほぼペンギン、首から上はネコミミ幼女・・・あざとい?
「はわぁぁ~~っ!! カワイイですぅ」
「ぺぱpっ!!」
正面から突進してきたタヌ子に抱きしめられた。鎧着てるから蕩けたりはしないけど、このまま顔面埋められたまま長時間つづくと窒息するなー
ぎゅむっ、よいしょ
こんな所で倒れたくないので、脇腹の駄肉を掴んでめり込まされた顔面を開放する。痛がるタヌ子の抗議は受け付けない。顔面密閉は危ないってーの
耳年増で申し訳ないけども窒息プレイも顔面騎乗もバキュームベッドも聞いたことがある程度で実体験は無いんだよっ、そーゆーのはリア充を通り越した慣れ果てがマンネリ打破にたどり着くヘンタイの域だ。良くも悪くもアタシは心身共にまだ清い、単に清くなくなる機会がまったく無かっただけとも言う・・・なれはて? んなぁ~っ
「ふーっ、ふぅーっ、ふぅーっ・・・」
POTAPOTA何かたらして、KACHAKACHA黒箱構えて、
いつか何かしでかしそうな怖い人は無視しておく
ちぃ、放置プレイだけは覚えた
「おーい、そろそろいくぞー」
キラキラした光の中、階段を登っていく・・・(冒頭部分へと続く)
――――――――――
「問題は、この雪の中をどーやって進むかってこっちゃね」
「うきゅ・・・熱気球、持ってきてたら良かったのにね」
「畳めるとはいえ、小さな荷車サイズはあるんだぞ、迷宮ン中を引きずってはこれないだろ」
これこれタツアンさんや、マー君に当たってはいけないよっ
「ここはひとつ、召喚獣で一気に・・・」
「何を呼ぶの?」
「この人数だと・・・大型ドラゴン・・・かな (¬▽¬;」
「「「却下!」」」
「国へ入るんだから、悪魔も止めといた方がいいな。里帰りに騒動は起こしたくない」
へぇ、ごもっともで・・・悪魔執事“めぇ”の出番も無くなった
飛べる子は基本的に積載量が足りない
地を走る子は、深雪に対応できない・・・困ったもんだー
かんがえろーアタシ
「むー、雪原に対応してる召喚獣、いない事も無いんだけど・・・呼ぶ?」
一応2匹持ってる、
ヘラジカ型で突撃槍仕様の単座タイプのステルスルドルフ(※2)、ランスタックちゃんと
期間限定イベント入手の複座型のソリ(?)をひくトナカイ、ディアントラちゃん
ここは非戦闘系の後者だね
「召喚するっ! ディアントラ!」
真っ赤なケープとベルをつけた赤鼻のトナカイ、クリスマス仕様のトナカイさんだー
小さなソリがセットになっている
しかし・・・
・・・問題はこのソリが小さいっ、基本は2人乗り
あと5人をどうするかなんだよっ
雪上走破能力があるのは、鎧さんとオギくらい、次点でマー君、
豪雪に対して人間は無力だ
せめてこのソリがもう少し大きかったら・・・
「こんなもんがあるけど、使えるんじゃねぇか」
それはッ!!
2m近い湾曲した角・・・斬り落としたイフリートの角
タツアン、なんつーものをもってきたんだよっ
「・・・これをこーして・・・ほいっ」
ロープでソリの後ろに連結、バナナボートかいな ∠(○△○)ゝなー
いちおー追加の座席にはなる?
少々不安はあるけれど、雪の中に佇んだままよりはマシ
とりあえず出発だー! 目指すはジャイアントの国ヴァーレル
拙い作品をお読みいただきありがとうございます
見掛けは変わらないけど『地元仕様』の鎧さん
薄手のオーバーコートだけ追加したマー君
JKモドキになってるタヌ子
描写して無いけど、タツアンとマミさんはコート羽織ってます。
おーちゃんの『ペンギンろーぶ』は、耐寒性と雪上&氷上踏破能力を持ってます
まー、ペンギンなんだけどねー
【解説】
(※1)黒ギツネになると飛び込んで雪上を転げる: キタキツネ、ギンギツネ、ともに毛色の変わったアカギツネの亜種、黒ギツネはこのメラニズムなので基本的に雪山には慣れている
(※2)ステルスルドルフ: ヘラジカの魔物、巨大な角を持ち突進力がある上に ステルス能力を持つ。めっちゃレアで限定版の騎乗用ペット
もう1頭の方のトナカイは、雪上ソリがセットになってる以外、とくに特殊な能力は無い
ちなみに名前の由来はお察しの通り、でもメカ生命じゃないよ
ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが (あると嬉しいのは事実だけど)
ご意見、ご感想、誤字脱字のご指摘、メッセージ等あると非常に嬉しいです
『- 感想を書く -』 の欄はログイン等を必要としない設定になっております
なろうIDをお持ちの方は活動報告の方でもかまいません、よろしくお願いいたします!
また、Twitter にて『 #すぱさま 』のハッシュタグをつけて、何か言って貰えると幸いです。
絵の描ける方は【作画資料・絵師様へ】を参照していただけるとありがたい!
『メタもベタも極めてみせるよっ!』