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9章-03 チェイサー?だよっ

気をつけて 誰かが Watching(見てる)


・・・・そんな気がする、ばにはーばにはー


【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】

本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。

original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/

――――――――――


「ほんっとにこの迷宮って、試練を与える事のみに徹底してるんだよなァ」


「薬草ハーブが生えていたり、飲用可能な泉が湧いてたりと、まるで挑戦者を保護するかのようよね」


「出てくる魔物も見掛けこそ威圧的だけど、大して強いわけではないな・・・巨大ヤスデやムカデとか」


ヤスデやムカデは人によっては生理的嫌悪感でダメージ与えてくるよっ

アタシだって、巨大で魔物っぽい事と、ゲーム感覚が抜け切っていなかったらきっと、ゾワゾワきてるんでしょね恐るべきゲーム脳(感謝してます)


「ここに入ってけっこー経ってると思うンだけど、もう夜なんじゃねーか? ここらで野営してこの先に備えることを提案したい。

そーいや俺っち、ここん所あんましイイトコ無かったな」


確かにタツアンの言うとおり、ずっと洞窟を進んでいると時間の感覚がおかしくなる

日差し、外の風などと切り離されるとすぐにずれてくる人間の感覚。

歴史を顧みると人間の太古から発明者達は時計の発明に躍起になってるってのも分かる気がするよっ


水は補給したし、食糧の備蓄もある。

この場所は天井もかなり高く、少しだけどスポット的に草が生えている場所もあり、多分に洞窟の外とつながってる箇所があるとも思われる(※1)


少しなら火を使っても問題なさそうだ、今日の野営場所はここかなー


――――――――――


「面白イ冒険者ガ検出サレタ、順次試練ヲ踏破中」


「のーど68、詳細ヲ説明セヨ」


「報告、最高難易度ノDexterity(デクスタリティ)試練を突破」


「面白イ、他ニハ?」


「攻撃力ニ置イテモ カナリ高水準、最年少ノ女性ガLV-5障壁ヲ突破ノでーたヲ記録」


「タマタマ紅一点ガ高LEVELあたっかーダッタダケデハ?」


「のーど98、憶測ニヨル判断ハ推奨デキナイ。事実ノミデ判断セヨ」


「ろぐでーたニハ、男性4名、女性3名ノ7名構成」


生産職(クラフター)聖職者(プリースト)ヲ検出、ばらんすノ取レタぱーてぃ構成ノ模様」


「面白イ」

「面白イ」


「我々ニ視覚ノ記録能力ハ無イ、試練ノ成果ろぐノミガ判断基準ノ総テデアル」


――――――――――


朝を迎えてちょっとだけ驚いた、少しだけ光が見えている。高い天井の奥の奥に穴があるみたいだ

多分日の高くなるお昼時には少しだけとはいえこの草達も直射日光を浴びれるのだろう


軽く朝食をとって攻略を再開する

リタイアも後退も許されない、さぁ進もう


てくてく、てくてく、ほんと曲がりくねった道だー


「お、ようやく次の試練だー」


「これ、いくつまであるんですぅ?」


その辺りの判断は予測つかないなー、どっかで判定とかしてるんかねー


・・・次の試練の石版は、今までと見た目が違っていた

一言で言うと、ものすごくデザインが派手。複雑な模様が石版の表面に刻まれている。


『この杖を抜き台座に供えよ、ただし壁に触れてはならない』


「杖? 台座なら手前にあるけど・・・」


石板壁から少し離れた手前に、杖を突き立てる穴の開いた台座がある


「杖ってのはこれなんだろうな」


壁の左端の方に、棒の様なものが突き出ている、杖の石突なんでしょね、ちょうど台座の穴に合いそうだ


「こいつを引っこ抜いて、台座に刺せばいいんだよな」


ばちぃっ!

「ぐはぁっ!」


無造作に杖を引き抜こうとしたタツアンが床に転がる


「うきゅっ、だいじょうぶ?」


回復しようと駆け寄るマー君、でも怪我等はしていないようだった

アタシも念のため確認


「どうしたの?」


「どうしたもこうしたも、杖を引き抜こうとしたら壁に引っかかっちまってな

 その瞬間掴んだ手にビリッと激痛が走って・・・」


アタシは接近すると壁に触れないように杖付近を観察・・・ほむほむ


この杖は先の方、穴の奥で丸く膨らんでほぼ球体、ロリポップとゆーかチュ○パチャプスとゆーか、そんな形してるみたい。このまま素直に引き抜かせてはくれないみたい


杖の突き出た穴は、そこから溝が掘られており、延々と右へ向かって伸びている

溝はうねうねカクカクと折れ曲がり、分岐転こそほとんど無いにしろ迷路のようだ

そしてその終点には『GOAL』と書かれた大きめの穴が・・・


これって、ぶっちゃけ・・・・・(知ってる読者さんはご一緒に)


- 電撃イライラ棒 ぢゃん-


「なんでぇ、そのイライラってーのは」


この世界の人が御存じな訳ないので、大雑把に説明してみる


「罠というか鍵の一種ね、指定の棒を細い隙間に触れないように開始点から終点まで移動できたら完了という大掛かりな仕掛けだよ、前に見たことあるかな」


もっともアタシの知ってるやつは、ミスしてもホンモノの電撃は食らわないんだけどね

トレジャーハンターのアイデンティティ奪っちゃ悪いので今回は応援側に回ろう


――――――――――


バチィッ!

「つっ!」


ガゴン・・・シュカッ


「くっ、あと少しだったのに」


もうかれこれ1~2時間は経っているだろうか、この試練には失格はない、何度でもリトライは出来るようだ

杖がコースに接触すると電撃が発生、それによって一瞬でも手が離れるとその隙に杖は壁の奥に引っ込み、スタート位置にリセットされる


もう何十回と挑戦してるのであろう、見ててこちらも何とかしてあげたくなる

HPに直接のダメージは来ない電撃とはいえ何度も食らい続けたら神経系に悪影響が出そうだ


「ふぅ、やっとここまできたぜ」


後は床上20cm程度の低位置水平の長い一直線を残すのみ、長さ3m

・・・実はこういうのが一番辛い

人間ってのは完全な直線の動きに向いていない(※3)、歩行時に体は上下動するものだし、呼吸や鼓動などで完全停止することも難しい構造してるのだよっ


屈んだまま歩き出すタツアン・・・体の律動、揺れが杖に伝わっているのが見て取れる

あと2m・・・1.5m・・・1m


杖がコースの縁をかすった


バチッ!


「ここまで来て、フリダシには戻れねぇんだよっ!」


電撃に麻痺しかけた手を気合と力技で押さえ込み強引に進める・・・ゴールイン!

丸く開いた穴から、杖の先の球体が現れる


壁の方も色とりどりに光ってる


ずっぽりと壁から杖が抜けた、そして持ち替えるでもなくそのまま台座へと突き立てる


「へっへっへ・・・どーでぇ」


溜めていた息を吐ききるようにつぶやく、


パチ、パチパチ・・・


ご苦労様だよっ、健闘をたたえた拍手

だがタツアンは掴んだ杖から手を離さない


「うきゅっ!指が硬直しちゃってる・・・はい、キュア」


マー君の両手が軽くその手を包み込み優しく光る、癒しの法術

両手が杖から完全に離れた時、台座はスライドして石版へと回収され、目の前の石版壁はスライドするように引っ込んでいった


――――――――――


「例ノ冒険者ガ、マタ1ツ試練を突破シタ」


「ドノ試練ダ?」


「No.19971111 忍耐ノ試練ダ」(※2)


「オカシイゾのーど68、ソノ電撃迷路ハDEXノ試練ゆにっとノハズ」


「間違ッテハイナイ、純粋DEX計測ハNo.1996****系列マデダ」


「No.1997系ハ有機生命体の精度デハ攻略不可、故ニりとらいニヨル忍耐力測定ニ用イラレル試練トかてごらいずサレテイル」


「のーど77、ソチラノ観測中ノ冒険者ハ?」


「残念ナガラ、試練2ツ目デ撤退ヲ開始シタ模様」


「観測ヲ持続、帰路ヘノ誘導ヲ」


「残念ダ」

「残念ダ」

「残念ダ」

「ツマラナイ」

「ツマラナイ」

「ツマラナイ」


――――――――――


・・・・・むー、今度の試練はなんなのよ


前回の電飾(?)チカチカの派手派手に対して、地味極まりない石の壁


タンスの引き出しのように一部が四角く飛び出した上に文字が彫ってある


『白き花をささげよ』

その両側に高山植物っぽい花の絵


緊張イライラの試練の後だけに ほっこりするにゃあ・・・(=▽=)


「これは結構難題だぞ」


タツアンが顎に手を当ててつぶやく


「この迷宮内に花なんて無かった・・・探しに行けという事なのか?」


「洞窟に入る前に採取・用意しておく必要があったって事?」


ベテラン勢、わいのわいの

アタシは悟った、この試練は記憶と機転の試練なんだと


こんこん


鎧さんの脛辺りをノックするように小さな拳がたたいた


「ねぇねぇ おじちゃん、お花ならあったよ、昨日寝た場所に」


そっか、日の光が差し、草の生えていたスポットがあったっけ

でもね、今日1日これまでずいぶんと進んできたよね


「あそこに見えるよ、すぐそばだね」


鍾乳石風の石柱が連なった脇の方の石壁

壁の隙間から隣の部屋が見える・・・よくみると花も見える。


「今日半日くらい歩いてきたけど、壁1枚隔てた場所とはね

直線距離ではすぐ隣ってのが皮肉だなぁ」


「オイラとってくるよ」


え? MAPを見る限りでは、一旦戻りかなりの道のりをぐるりと迂回する必要がありそうだよっ

しかも途中でクリアした石版がリセットされてたりしたらどーするんだよっ


くるりん、こんっ!


子狐と化したオギは、壁の隙間穴・・・幅20cmに満たない穴を難なく通り・・・帰ってきた(※4)

白い花を1本咥えて

完全なる最短距離でのショートカット


石版についてる引き出しに花をそっと置き、ゆっくりと閉める

すると石版は全体がスライドドアのように道を開けた。


Mission Clear !


――――――――――


「!」


ざわ・・・ざわわ・・・


ノード達がざわめき始めた


拙い作品をお読みいただきありがとうございます


最後のはズルい?

狭い隙間のくぐり抜けはオギの特技だ、資質を生かして何が悪い


やっぱり動き出した迷宮管理の魔道AI、分散型でノードごとに擬似人格があるようです

ちなみに意識だけの存在で実体はありません、どこかにある本体ハードウェアの中で複数の意識が会話しあうのっていいなーって思います、タ○コマとかってカワイイよねー


【解説】


(※1)多分に洞窟の外とつながってる箇所があるとも思われる: 外とつながっていないのなら、種とかが入ってくることもないので草が生えるはずもない

発見時は分からなかったけど、少しだけ日光も入って来ていることが判明、植物には光合成の為の日光が必要


(※2)No.19971111 忍耐ノ試練ダ」: このNo.は、イライラ棒シリーズの強化版Ver.5に当たる、リターンズが制覇された日付というメタネタ、なお、この次のVer.USAにクリア達成確認の記録は無い


(※3)人間ってのは完全な直線の動きに向いていない: 歩行時で頭部はだいたい5cmくらい上下動する。それでもあまり視界は揺らがないのは反射的に眼球が逆方向へ動き視界に補正を掛けている為【本当】

巨大ロボットの視界ってどれだけ揺れるんでしょね、モニタに補正かけてはいるんだろうけど、直接視界タイプのコクピット採用の機体はどうやってるんでしょ


(※4)子狐と化したオギは、壁の隙間穴・・・幅20cmに満たない穴を難なく通り・・・帰ってきた: この洞窟、壁の一部が鍾乳石状の石柱が連なる形でできている、たまに隙間から向こう側が見えたりするだけに「あそこへ行きたいのに」と焦らせる効果を生む

人間サイズで隙間を通ることは不可能、多分子狸化してもタヌ子だと引っかかる可能性大

子狐のオギだからこそできた芸当


Next にゃんこ’s Hint!! 『丸い台』


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『メタもベタも極めてみせるよっ!』


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