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9章-02 答え合わせなんか出来ない・・・よっ

試練とゆーよりミニゲーム?

まー、考えてみたら□ーグみたいな「その都度道の生成される洞窟迷宮」なんてムリに近い

(仮に魔法でやったりしたら、どれだけコストが掛かることやら)

でも、道を血管の用に走らせておいて、分岐点を線路の切り替えのように壁で仕切ったり、要所要所に試練の指示の石版ドアを差し替え配置すれば、事実上全体の攻略本は作成不可な迷宮の出来上がり


まさに『試練の迷宮(ダンジョン)』(※1)


【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】

本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。

original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/

――――――――――


うねうね道、てくてく


なーんとなくこの迷宮のパターンが見えてきた。

ある程度進むと仕掛けの付いた石版の壁が行く手を阻み、その少し手前で分かれ道がある

クリア不可能な壁に当たった場合、その脇道を通ってまた別の試練の壁へと向かうことになる仕掛け


詰むことは無いかもしれないけど、場合によっては延々と迷宮内を彷徨うことになる

石版壁の問題によって、挑戦者を分別、通る道筋を誘導しているようだ・・・考えすぎ?


「ほいほい、次の試練は・・・っと」


石版には大きな扉が取り付けてある

『神の声を聞く者のみがこの扉を開けられる』


資質を問う扉だ、何の問題もない。大抵のパーティに聖職者はいるものだ


マー君が扉のノブハンドルに手をかけると、難なく開いた

アタシの時は『扉を打ち破れる』だったのに・・・不公平だよっ


「はっきりいって拍子抜けねぇ、もっと過酷な試練とかあると思ってたのに・・・」


今のところ出番の無いマミさんがぼやく


「運がいいだけだと思うんだ、試練の種類によっては失敗すると手痛いペナルティを課せられるものもあるって聞いてる

大抵は道が閉ざされて別の道を行かなくてはならなくなるケースがほとんどだけど」


――――――――――


また石版の壁に出会った、今度の試練は・・・


『1名ずつ前に出よ、落ちてくる物を受け止めよ、機会は1名につき1度のみ』


なにこれ、全員参加型?


「資質ではなく行動で示さないといけないタイプの試練か」


鎧さん、頭ポリポリ(※2)


「ダンナ、これってパーティ分断の罠なんスか? 成功組と失敗組で分けられるとか」


「それはないよ、指定の無い限り誰か一人クリアできれば良い、そういうルールだ」


タツアンが心配そうに聞くも、鎧さんは冷静だ。一応経験者だしね

そーいや、一応床に線が引いてある、このライン内に1名だけ入った時にスタートと判定されるとの事


「そんなに危ないものは落ちてこないと思うけど、

まずは万一受け損なっても平気な防御力のある僕が行こう」


全員で一旦線の外に出る、そして鎧さんが一人、前へ出る


Ready(レディ)?」


「OK、 むぅっんっ!」


壁からの声に気合を入れ身構える


ぽーんと小さな白いものが落ちてくる、とっさに掴む ぱきゃっ・・・とろ~


『FALLED!』


壁に赤い文字が点灯する


「・・・・・卵?」


うん、どーみても卵、鎧さんの重装甲な手じゃムリだー


「俺っちの出番だ、こういうのは優しく受け止める必要があるんだ」


2番手はタツアン、俊敏さと器用さでは彼以上の適任はいないんじゃないかな


両手を落下する卵に向け、相対速度を合わせるように包み込む


「ほぉ~らよっ!」


そのまま斜めに1回転して速度を殺す、見事なもんだ


『FALLED!』


壁に赤い文字が点灯する

なんで?


「すまん、指輪に当たっちまったらしい」


判定は失格、ヒビ1つ入れちゃいけないとは、厳しい


「うきゅ、難しそうだねぇ」


マー君はガントレットを外す


Ready(レディ)?」


え? 始まってる?

そーいや、タツアンが後ろに下がったんで、床に引かれたラインより内側にいるのはマー君一人だけになってた

確か「1名ずつ前に出る」が試練開始の指定だったよね


ひゅるる・・・


「うっきゅぅぅぅっ! わおぉ~ん!!」


犬型獣人(アヌビン)奥の手の四足ダッシュ(※3)、そのままヘッドスライディングのように突っ込む


ぱしゃんっ!


必死にダイビングするも、指先を掠めて卵は床に落ちた

完全に種目が「ショットガンタッチ(※4)」になってるよー


「きゅ・・・きゅうぅぅぅん・・・」


マー君、全身これ以上も無いくらいにしょげ返る

次は・・・オギか


「オイラの番だ、オイラにしかできない方法ってのを見せてやるよっ」

くるりとオギは黒キツネMODEに変化する


ひゅ~ん・・・ぽふんっ、ぽーん


落ちてくる卵を尻尾で受け止めると軽く跳ね上げた

上手い! 尻尾のもふもふクッションをフルに活用・・・やるなー


すかさずパクリと口で空中キャッチする、成功?


『FALLED!』


・・・・・口からとろりとしたものが垂れる


オギは少年MODEに戻ると口の中身を吐き出した


「ぺっ、なんだよこれ、鳥の卵じゃない・・・」

 

牙に当たったな多分・・・おしい! でも活路は見えたよっ

つぎはアタシの番だ、すばやくガントレットを外し素手になる


「オギ、その作戦アタシもやってみるよっ」


AUTO-TAIL精密動作MODEだよっ

そっと・・・受け止めるコースで尻尾を伸ばす


ひゅ~ん・・・ぱしゃんっ!


落ちて来た卵は、アタシの尻尾に当たると、砕けて飛び散った

一番へたっぴだー (T△T)


考えてみたらアタシの尻尾は見た目はもふもふしてるけど、毛皮のすぐ下はミスリルより硬い重金属アダマンタイトの装甲、ゴーレムすら砕く、ちっとも柔らかくなんか無い・・・なんで気づかなかった?(※5) 大ボケもいいところ

1人1回なんだよね? ヤバいかも、もう後があまり無い


「ふふっ、こういった時こそ工夫がものを言うのよ」


自信満々のどや顔でマミさんが歩み出る

ローブの裾を両手で引っ張り、この弛ませた布で受け止めようと構える

マミさんのローブはややタイトなデザインだけど、サイドスリットが入ってるので問題ない


ひゅ~ん、ぽふん、ころろんっ・・・


卵は割れなかった・・・勢いのままローブの裾を転げ上がり・・・


こつっ、ぴきっ・・・


マミさんの胸元に当たって割れた


『FALLED!』


「さっき『こつっ』っていったよな」


「うん、オイラも聞こえたよ」


やめたげてー、マミさんのMP(メンタル)はゼロよー、モノクロ化してるよー口からなんか出てるよー


残るはタヌ子一人、ウェイターバイトの経験があるとはいえ、ドジっ子属性持ってるんだよにゃあ


「なるほどですぅ、スカートで受け止めれば卵はわれないのですねぃ」


タヌ子もスカート受け止め作戦だ

・・・って、ちょい待ち、タヌ子のメイド服のスカートは短い

マミさんのロングなローブとは違うんだよっ(※6)

あぁ、この試練は失敗確定かぁ・・・


Ready(レディ)?」


ひゅるる・・・


「はわわわ・・・おとと・・・」


ぽふっ


『MISSION CLEAR!』


壁に浮かび上がった文字が、色とりどりに点滅する

ファンファーレもどきのSEまでついてくる


∠(○△○)ゝなー

意外すぎ、やれば出来る子だったんだー


後ろから見てたんで、どーやってキャッチしたのかよく見えなかったんだけど・・・


「ししょぉ~、なんか上手く行ってたみたいですぅ」


振り向いたタヌ子の両手はスカートの裾をつまんだままだったけど、卵はそこにはなかった


「あ、今脇を締めるようなポーズは避けるよーに、その位置で卵が割れたら厄介だからー」


むー、タヌ子クッションは究極に柔らかいことが証明された・・・ぱふぱふ


い作品をお読みいただきありがとうございます


なんか、東京フレン○パークみたいになってきた

今のところデストラップめいたものはないけれど、遊びじゃあないのだよ

なんたって、アトラクション迷路にある『リタイア出口』は存在しないのだから

脱出できるまで永遠に彷徨うことになる


卵のミッションは、マー君が背面スライディングしてオナカで受け止めたらクリア確定だったかも

わんこのモフみは強力無比


でもラストは柔らかタヌ子が持ってった・・・ダブルクッション白刃取り


【解説】


(※1)まさに『試練の迷宮(ダンジョン)』: 『試練』をカタカナにしてはいけません、版権的に(¬▽¬;


(※2)鎧さん、頭ポリポリ: 実際はカシカシとした金属のこすれる音しかしないんよね

フルフェイスヘルムで表情の分からない彼は、感情表現を仕草で行う習慣がついてたりする

全身フルアーマーだと、どこかにユーモラスな所がないと威圧感が強すぎてしまう

たとえば「くぎゅ声」でしゃべるとか・・・(¬▽¬;


(※3)奥の手の四足ダッシュ: 裏設定的な種族ごとの文化・風潮なのだけど、犬型獣人(アヌビン)は、基本的に4つ足で走る、噛み付く、遠吠えをする等の獣的行動を恥ずかしい行為だと思っています。

別に禁忌ではないので緊急時には躊躇しませんが、「我々は獣ではない、人なのだ」という意識が強い種族です。ちなみに町や村、都市部で最も数の多い獣人が犬型獣人(アヌビン)です。


(※4)ショットガンタッチ: これはググれば出るけど一応説明、落ちてくるボールを落下前に触れることができればクリアというゲーム、公式には落下距離10mでスタート位置を伸ばし距離を競う

もっとも今回は触るだけじゃダメです


(※5)ちっとも柔らかくなんか無い・・・なんで気づかなかった?: 操作ミスとも動作プログラミングミスともとれるけど、よくよく考えてみれば、構造上仕方の無いこと

Auto-Tailを含めて従来型の多関節ロボットアームは基本的に「サーボ駆動」だ。

回転角とその位置をセンサー情報と照らし合わせて動き、動力OFFならその位置で固定される。

要するに「力を抜く」という動作が存在せず、一見柔らかい動きをしているように見えても実際の動きは硬く、無理やりシュミレートによって柔らかく見せている「剛」の駆動方

柔らかいロボットは21世紀現在でもまだ研究中でソフトロボティクスというらしい。これはモーターとギアによるサーボ駆動というより人工の筋肉というバネの硬さを可変する「柔」の駆動方、生物は総てこちら

なら何故、尻尾を人工筋肉駆動にしなかったかというと、おーちゃん自身が専門家ではなかった為

サイズ・パワー・正確性を考慮すると従来サーボ型しか選択肢がなかったというのが理由

そーいや硬く重い重金属の尻尾をエミュレート動作によって軽く柔らかく見せてたりするのだったね


(※6)マミさんのロングなローブとは違うんだよっ: メイド服なんでエプロンもついてはいるのだけど、ほとんど飾りで丈的にはまだスカートの方がわずかながら長い

そんな事より、この作戦は絶望的

上から俯瞰した場合、マミさんと違ってタヌ子の()()()()()()キャッチ可能面積はほぼゼロに等しい (理由はわかるよね)



ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが (あると嬉しいのは事実だけど)

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