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超サマルはテンプレなんかに負けないよっ!   作者: 吾流峰子
8章:にゅう・ふろんてぃあ
136/212

8章-10 冒険はまだまだ続くよっ

おっと、読者の皆さんあわてないで欲しいよっ

別に最終回じゃないからね

【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】

本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。

original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/

――――――――――


「いや~ お疲れお疲れ、やっぱ西ルートが正解でしたか~」


ベースキャンプの仕切り役、ナイヤン氏が身振り手振りも大げさに出迎えてくれる


「ウチの調査団、サベイアくん除いて皆方向音痴だから~」


ツッコミたい・・・何でそんな面々で調査隊なんて組んだんだよっ


「おい、ナイヤン、酒くれ、エールがええ」

「ずぅと禁酒してたから、ぐっと一杯やりてぇ」


「相変わらずせっかちだな~、手ぐらい洗ってから飲めよ」


ドワーフ兄弟はとにかく一杯やりたいようだ、仕切り役の方は慣れてるようで軽くいなす


「酒樽は所詮酒樽ですね、ほんと冒険者の皆さんにはお世話になりましたよ」


「ホントだ。わざわざ本国から来てくれてありがとう、我々はあのまま餓死するか焼かれるか潰されるかの状態だったからの」


「やっぱ手配してくれたのナイネン? 今回はさすがにヤバかったと思うよ」


ヴィン、キャン、パックも生還の喜びか饒舌なようだ


「今回はこんな具合だったから地図の方はそれほど広まってはないんですが・・・」


サベイアが書きとめた地図を渡しながら報告、


・・・にぃ・・・


調査隊一同がそろって口元に笑みを浮かべる


「フレームジュエルがごっそりと手に入ったぞぃ」

「量的に1年分を超えるくらいだがや」


ガラガラと荷物から石を取り出す


「うわ、ものすごい量ですね、大鉱脈でも見つけたんですか?」


鉱物研究者のケルフィが喚起の声を上げる


「うんせっ!・・・っと」


鎧さんが荷物(多分収納袋)から、巨大な腕を取り出す


「サムソナイト! ツーリスタ! トゥミ!」


アタシも召喚獣をCallすると、巨大な脚を1本(※1)


「よいのですか? それはあなた達の分ですよ」


ヴィンさんがにっこりと問うた、この人トレジャーハンターってより町の司祭さんだよにゃあ、

ふっくら系中年イケオジ


「ボクが持ってても、何の役にも立たないしね、単に運ぶの手伝っただけだよ」


鎧さんがフツーに紳士なのはわかってるけど・・・・・


「いいのよ、ここの特産品になるものなんでしょ?

私達は記念品と研究サンプルとして、ちょこっともらえればいいのよ」


うそだー! マミさんが私利私欲を抜きに行動してるー(※2)


「こちらとしては助かります、せめて次の船便がくるまで、ゆっくりと過ごして欲しい」

「観光場所もまだほとんど無い開拓地ですけどね」


これは聞いた話だけど、本国との定期便は月に1本程度だそうな

温泉とあの夜景、観光地として十分やっていけるんじゃないかなー

熱気球ツアーなんてのも魅力的だと思うよっ


問題は・・・食糧問題だよね、今は本国からの輸入に依存している状態

この地の特産品的なものが見つかれば、スパリゾート地として人気出そうなんだけどね



「さて、僕はここでお別れだ。このまま里帰りしてく事にするよ」


鎧さんが腰を上げた。

そーいや、鎧さんの実家ってここから近いって聞いてたっけ


「ねぇ、鎧さんの実家、アタシも行ってみたいよっ」


「ほむほむ、巨人族(ジャイアント)の国 ヴァーレルは、私もまだ行ったこと無いからねぇ」


「うきゅ、ボクも興味ありますね・・・でも別の国って事は国境の問題もありますよね」


うむ、マーくんは真面目だ。アタシは気にもしてなかった


「国境の問題はあまり要らないんじゃないかな、そのための冒険者登録な訳なんだし」


「わたし達明らかに別種族ですよぉ」


「入国について手続きはあるだろうけど、パーティメンバーとしてだから問題ないと思う。

冒険者の基本として、安全に関しては自己責任になるけどね」


不安そうなタヌ子の一言に鎧さんは答えると、ふと首をかしげて考え込むような仕草


「どうしたの?」


「問題が1つ発生したな・・・国までの足をどうにかしないと・・・

僕一人だけならば問題ないのだけど、この大所帯では・・・ね」


「遠いの?」


「まぁそれなりに、少なくとも平坦な道の部分だけでも徒歩6日はかかる」


「この開拓基地にはレンタル馬車なんて無いわよねぇ」


マミさんが物資統括のナイヤンへと視線と台詞を投げかける


「そりゃなんだって手配して見せるけど・・・すぐにはムリだ、時間はそれなりに掛かるって」


むー・・・

鎧さん、マミさん、マー君、タツアン、タヌ子、オギ、アタシも含めて7人以上・・・こりゃ大変だー

移動方法ってのはいつも悩む、こればっかりは文化レベルとして仕方の無いこと

アタシの召喚獣は、1~4人乗りがほとんどだ・・・


実は方法が無い事もないんだけどね・・・問題もある

・・・召喚獣の1ランク上、契約使徒なら何とかできる

契約使徒は、ペットではなく契約した魔族・・・宗教的分類では『悪魔』なんだよね

残念なことに、今のパーティには聖職者がいる・・・彼が認めてくれないと呼ぶに呼べない

むー、頭クラクラ 体ふわふわだよっ


「でゅふふ・・・どしたのおーちゃん、悩んだ顔して」


思考ちょっと不安定だよっ


「悪魔召喚、もしやったらどう思う?」


「まー魔法使いとしては、一度はやってみたいよね、できるンなら

困った時の神頼みより、お手軽確実な悪魔かな」


この人の答えは大体想像できた


「むー、聖職者(マー君)いる前で、悪魔召喚はヤバいよね」


「本人に聞けばいいじゃん

 マー君マー君、おーちゃんが悪魔呼んだらどーする?」


「きゅっ、いきなり・・・悪魔と言ってもその種族って事ですよね?

神の使徒として立場的には対立しなくちゃいけないんですけど、種族全てが悪とは思ってないです

悪さしないなら問題ないと思います」


「・・・だってさ、言質は取ったから、召喚しても問題なさそーよん」


まー、宗教的問題点はクリア、でももう1つ問題はあるんよね


「おっけ、でもペットの召喚獣と違って単純に呼んだら来るって訳じゃないのよね

 契約魔族だから、代償が必要なのよ」


「・・・生贄?」


「それはないよっ、でも報酬となるものを用意する必要はあるの

 今呼ぼうと思ってる魔族の場合、一番喜ぶのは・・・甘味ね」


「甘味? ∑(OωO; )」


「どうやら魔族ってのは甘党が多いらしいのよ


・・・っつーワケで、マー君お願いっ、普段聖堂で配ってるヤツ作って」


――――――――――


「きゅ~~っ、ベースキャンプにあったダッチオーブンは火加減が難しかったよー」


マー君がダッチオーブンの蓋を開けると、辺りに甘い香りが漂った

アーモンドパウダーと焦がしバター・・・フィナンシェだねっ


「うきゅ、これでいいの?もっと凝ったお菓子でなくって」


「いや、これだから取引材料になるんだよっ」


折りたたみの小テーブルに出来たてフィナンシェを置くと、アタシは召喚を開始した


CALL(来たれ)っ!!魔族執事めぇ、召喚に応ぜよ!!

 贄はここにあり、雇われし債務を果たせ!」


一瞬空気が重く澱んだかと思うと、バチバチと雷光が弾ける


そしてその中から現れた、黒い燕尾服の男性、身長180前後スレンダーな体躯、女性ならショートだけど男性だとやや長髪に相当するブロンドヘア、20代少々と思われる比較的整った顔立ち

・・・ただ1つ違和感を感じるなら、その頭部にはぐるりと弧を描いた1対の角、バフォメット亜種系(※3)


「これはお嬢様、お久しゅうございます」


左手を鳩尾辺り、右手を後ろに回した執事の典型的礼(※4)

俗に言うイケメンホスト風執事、アタシ個人的には執事は初老派なのだけど、とても有能なので契約している、主な能力は「取り寄せ」、戦闘サポートもしてくれるが、あまり強くは無かったっけ(※5)


辺りを見渡した角付き執事


「お初にお目にかかります、お嬢様に仕える執事の『めぇ』と申します、お見知りおきを」


慎ましやかで洗練された隙の無い仕草


「お嬢様、ひょっとして・・・これは、うわさに聞く『神の甘味』では?」


早速気づいたみたい、相変わらずのイケボだにゃあ・・・

イケメンでイケボで執事、フツーの成人女性なら堕ちるぞ、

まぁ、悪魔なんだからスタンスは正しいんですけど・・・

アタシはオヤジスキー属性なので大丈夫、レジスト(耐性判定)に問題ない


「マーハ大聖堂で信者に配られるお菓子だけど、そんなに有名?」


「ええ、甘味好きの間では命を削ってでも食べたいという者が現れる一品です。」


「んな大袈裟な・・・」


「我々悪魔族にとって、神への信仰心や祈りはマイナスのエネルギーですからね

この甘味の為に一時的に入信し、消滅しかけた者も居るのです

私の手配(スキル)をもってしても手に入らない品です」


悪魔族というのも難儀なんだなー

その甘味の製作者がこの場に居ることは伏せておこう


問う(それなら)贄の真価は(今回の報酬として)事足りたるや(不足は無いわよね)


「十分すぎるくらいです、この“めえ” 粉骨砕身尽くさせていただきます」


このやり取りを持って契約成立完了

召喚獣と違って契約魔族は、代償に納得しない場合帰ってしまう事もあるのだよっ


ふっふっふ・・・計算どおりだよっ

宗教的理由から聖堂のお菓子は魔族にとって禁忌、贅を尽くしたケーキなんかよりずっと価値のあるものになる


「してお嬢様、この度はどのような件で?」


「馬車を手配してちょうだい、この人数が納まるだけの大型を、できるよね?」


「お安い御用、馬車の手配は最も得意とするところです、ほんのしばしお待ちください」


いくよっ! 目指すはジャイアントの国ヴァーレル


拙い作品をお読みいただきありがとうございます


出てきちゃいました、悪魔の執事。お約束どおりイケメンです。両性具有(アンドロギュヌス)かもしれないけど

(バフォメットは本来両性具有(アンドロギュヌス)


余談ですけどフィナンシェは17世紀の修道士が作ったのが起源らしいです

マドレーヌとの違いはアーモンドパウダーと卵、マドレーヌは全卵だけどフィナンシェは卵白のみ

余った卵黄は、責任を持って料理に使いました


【解説】


(※1)巨大な脚を1本: 太腿・脛・足首、このゴレは各関節が浮いてて繋がってない構造だったから分けて収納しといた、召喚獣わんこの容量も無限ではない。

無限収納なんてご都合主義チートは持ってないのだよっ


(※2)うそだー! マミさんが私利私欲を抜きに行動してるー: ちなみにここ、おーちゃんは勘違いしている。確かにマミさんは私利私欲最優先で動く人だけど、彼女の欲は『偏愛的煩悩』であって『金銭欲』ではない


(※3)バフォメット亜種系: バフォメットといえば、典型的悪魔の代表的デザイン

「雄の容貌でありながら、胸の膨らみがあるなど両性具有で黒山羊の頭と黒い翼をもつ姿」というのが基本、ちなみにこの悪魔執事は黒山羊ではなく羊の角があるだけで他は普通のイケメンだ

剥いてみた事はまだ無いが、ナベシャツ(男装用乳つぶし)着ているかも?

もしかしたら男でも女でもノンケでもアブノでもぽりっといっちゃうかも?


(※4)左手を鳩尾辺り、右手を後ろに回した執事の典型的礼: 右手は後ろに回さずに下ろしたままの事もあります。手が左右逆のこともあるけれど貴族ごとのローカル作法で間違いではないらしい

胸に当てるのは軍隊的敬礼の一種、従者の礼では国家的権威に相当する場合の敬意のみらしいです


(※5)戦闘サポートもしてくれるが、あまり強くは無かったっけ: これはあくまで主観でMMORPG時代の感想。ほぼカンスト状態のキャラクター視点で語ってはいけない


ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが (あると嬉しいのは事実だけど)

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